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再会は偶然?それとも?
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翌朝、昨日教えてもらった通りのバス停からバスに乗り、1時間ちょっとかけてスイティエン公園に向かった。
園内はまさに噂通りの奇妙なテーマパークだった。 奇抜な仏像や、西洋風の城、そしてワニ釣り体験まで。 どこを見ても混沌としているのに、なぜかそれが癖になる。
「すごいな……これは日本じゃ絶対に見られない」
僕はカメラを片手に夢中で写真を撮りながら歩き回った。
時には子どもたちの笑顔に癒され、時にはワニ釣りのインパクトに驚き、観光を満喫してホーチミンシティの市内に戻った。
その帰り道。
「もし、昨日あのかわいい子に教えてもらえなかったら、ここまでスムーズにはいかなかっただろうな……」
そう思いながら、僕は少しだけ感傷的になっていた。
バス乗り場もわかりにくいし、時間通りに来ないし距離感も不明。移動時間も予想以上だった。 感謝の気持ちを抱きながら、ふらりと街を歩いていると――
「えっ?」
前方から歩いてくる赤いアオザイ姿。
「あ……!」
見覚えのある小柄な体型、そして昨日の柔らかな表情。
まさかの偶然に、僕は思わず声を上げて指をさしてしまった。
すると彼女も気づいたらしく、驚いた表情のあと、口元を手で隠して笑っている。
「昨日の……!」
お互い、カタコトの英語で会話を再開。
「行けました、テーマパーク。これ!」
僕はスマホに保存していた写真を見せながら、ジェスチャーで観光を楽しめたことを伝えた。
「おおー!」
彼女は目を輝かせながら頷いてくれる。
そして、日本のことを一生懸命話してくれた。
「アニメ、好きです。きれいな花、雪……雪見たい」
その話に僕もつられて笑顔になりながら、僕たちは名前や年齢を交換した。
彼女の名前は「アン」。25歳。
フルネームは聞き取れなかったけれど、メモを渡され、そこには「アン」だけが書かれていた。
「アンって呼んでね」
そう言って、彼女は続けてPCのメールアドレスも書いてくれた。
「え、いいの?ありがとう!」
僕も自分の連絡先を書いて渡し、「帰国したら必ずメールするよ」と約束した。
10分ほどの短い立ち話だった。
でも彼女も、珍しい外国人と話すのが新鮮で楽しかったのか、ずっと笑顔だった。
彼女と別れたあと、僕は気持ちが軽くなったように感じた。
「思わぬ再会って、こんなに嬉しいものなんだな……」
その日の夜。
僕は満ち足りた気分で、ベトナムから日本へ帰る飛行機に乗り込んだ。
あの赤いアオザイと笑顔は、これからも忘れられなくなる予感があった。
園内はまさに噂通りの奇妙なテーマパークだった。 奇抜な仏像や、西洋風の城、そしてワニ釣り体験まで。 どこを見ても混沌としているのに、なぜかそれが癖になる。
「すごいな……これは日本じゃ絶対に見られない」
僕はカメラを片手に夢中で写真を撮りながら歩き回った。
時には子どもたちの笑顔に癒され、時にはワニ釣りのインパクトに驚き、観光を満喫してホーチミンシティの市内に戻った。
その帰り道。
「もし、昨日あのかわいい子に教えてもらえなかったら、ここまでスムーズにはいかなかっただろうな……」
そう思いながら、僕は少しだけ感傷的になっていた。
バス乗り場もわかりにくいし、時間通りに来ないし距離感も不明。移動時間も予想以上だった。 感謝の気持ちを抱きながら、ふらりと街を歩いていると――
「えっ?」
前方から歩いてくる赤いアオザイ姿。
「あ……!」
見覚えのある小柄な体型、そして昨日の柔らかな表情。
まさかの偶然に、僕は思わず声を上げて指をさしてしまった。
すると彼女も気づいたらしく、驚いた表情のあと、口元を手で隠して笑っている。
「昨日の……!」
お互い、カタコトの英語で会話を再開。
「行けました、テーマパーク。これ!」
僕はスマホに保存していた写真を見せながら、ジェスチャーで観光を楽しめたことを伝えた。
「おおー!」
彼女は目を輝かせながら頷いてくれる。
そして、日本のことを一生懸命話してくれた。
「アニメ、好きです。きれいな花、雪……雪見たい」
その話に僕もつられて笑顔になりながら、僕たちは名前や年齢を交換した。
彼女の名前は「アン」。25歳。
フルネームは聞き取れなかったけれど、メモを渡され、そこには「アン」だけが書かれていた。
「アンって呼んでね」
そう言って、彼女は続けてPCのメールアドレスも書いてくれた。
「え、いいの?ありがとう!」
僕も自分の連絡先を書いて渡し、「帰国したら必ずメールするよ」と約束した。
10分ほどの短い立ち話だった。
でも彼女も、珍しい外国人と話すのが新鮮で楽しかったのか、ずっと笑顔だった。
彼女と別れたあと、僕は気持ちが軽くなったように感じた。
「思わぬ再会って、こんなに嬉しいものなんだな……」
その日の夜。
僕は満ち足りた気分で、ベトナムから日本へ帰る飛行機に乗り込んだ。
あの赤いアオザイと笑顔は、これからも忘れられなくなる予感があった。
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