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推しアイドルとそのオタク
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とりあえず経緯を話した。
神様から言われたこと、前世を思い出したこと、平和な町にスライムが発生したこと、そのときに紋章ができたこと、だから兵士に追われていたこと……
魔王は渋い顔をして頭を抱えて唸っている。
「……本当に、情報量が……」
「だろ。俺もよくわからないままこんなことになって……ほんと、これからどうすりゃいいんだろ」
「……すまない。叶空の気持ちも考えず、俺ばかり取り乱していたな。此度はさぞ大変だったろう。ここなら追手も来ない。魔王の城だが、ゆっくりしていくといい」
「あ、ありがとう……」
優しい笑顔に優しい言葉……ざわついていた心が静かに落ち着いていくみたいだ。さっきからあわあわしたり威厳を取り戻したり、慌ただしい魔王だけど……やっぱりこの人を信じて良かった。
「というか俺、勇者の力があるはずだけど、魔王様は大丈夫?」
「ああ。今は俺の魔力量が勝っている。きっと修行し、魔物を倒すことで強くなるのだろう。いわゆるレベリングだ」
「前世用語、分かりやすくて助かるな。とにかく、今の状況を整理したい。魔王様のこともちゃんと聞かせてほしい」
「う……叶空と話……これ以上心臓が持つか怪しいが……」
「?」
魔王が顔を覆ったそのとき、大きな扉がノックされた。二人してびくりと肩を跳ねさせる。
「失礼します」
開いた扉からは、執事服をまとった二足歩行の羊獣人が入ってきた。背は俺と同じくらいだ。こんな魔物がいるのか……目が合い、羊は「おや」と声をあげた。羊だから感情はよく読み取れない。
「魔王様、今宵のお相手は人間ですか」
「あ、いやっ」
「!?」
「大層綺麗なお顔をされていますね。魔王様が気に入るのも無理ないかと。しかし激しくしすぎると人間はすぐに壊れてしまいますので、お手柔らかに……」
なんか変な勘違いされてる……? そういやここ、ベッドの上だ! うう、なんだか変な気分になるな……魔王も真っ赤になって動揺してるっぽいけど、部下(?)の前だからかなんとか威厳を保っている。
「お食事はこちらに置いておきますね。人間の食事もご用意いたしましょうか」
「た、頼む。豪華なものだ」
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
これまた一人用じゃないぐらいでかいテーブルに大量の食べ物を置いた羊は、ぺこりと礼をして扉を閉めた。
「すまない……勘違いをされた」
「いや……まあ寝室だしな……」
「そういう意味で連れてきたのではないからな、断じて。さ、食事をしながら話そう。その方が気が紛れる……じきに叶空の分も運ばれてくる」
うん、と答え、ベッドから降りて魔王の正面のイスに座る。またすぐに扉が開いて羊の執事が料理を並べてくれた。魔王の食事は、匂いは良いが形容しがたいほど変な色のグロテスク料理(なのか?)だから心配していたが、俺のは普通だった。しかも庶民じゃめったに食べられないフルコース料理だ。ステーキにカルパッチョにスープ、デザート……どんどん並べられる。贅沢すぎる。敵の本拠地でこんな……
「毒は入っていないだろうな?」
鋭い眼光で睨みつけながら魔王が放った、毒、の言葉にナイフを取ろうとした手が止まる。あぶねぇ……どれだけ美味しそうでも油断しちゃダメだ。
「入れていませんよ。魔王様のお相手を手にかけたら、始末されるのは私ですから。では、お綺麗な人間様、ごゆっくり」
「ど、どうも……」
笑ったのか判断はできないけど、柔らかい口調で羊の執事は去っていった。まあ、毒入りじゃないならありがたくいただこう。いただきます、と手を合わせるとそれを見た魔王も手を合わせた。
「手を合わせてから食べるのは久しぶりだ。懐かしいな」
「前世思い出してから、これやらないと落ち着かなくてさあ」
「いい子だな……」
「子ども扱いしてる?」
なんだか見守るような、慈しむような目で観察されているみたいだけど、まあいいや。
前世のマナーはここではどうでもいいだろう。さっそくメインディッシュのステーキを頬張る。ほどよく脂身が乗ってて、高級な肉の味だ。焼き方が上手いのかとてもジューシーで、ほんのり甘めなソースとの相性が抜群だ。
「美味いな! こんな美味いもん毎日食べているのか?」
「ああ、そうだな」
「すげぇ~……貴族みたい。や、そもそも魔王様だもんな」
「でも、誰かと食べるのは久しぶりだ」
魔王は切れ長の瞳を伏せて寂しく笑った。こんなでかい部屋で、毎日ひとりで食事……いくら美味い飯でも味気なく感じそうだ。目の前のグロテスク料理が美味いのかは分からないけど……魔王ってものは孤独なんだろうか……
「しかも叶空と……一緒に、食事……前世でいくら徳を積んだのだろうか……金なら積んだが……緊張で味がしない。やっぱり夢なのか……」
突然、銀食器を置いて大きなため息とともに顔を抑えた。さっきからたびたび魔王の威厳が崩れてオタク感が出るのは……
「魔王様、俺のファンだったのか?」
「……」
魔王は顔を抑えた指をずらして、目元だけ覗かせた。それでも顔全体が紅潮しているのがわかる。
「うん……」
「口調おかしくなってる……」
「すまない、魔王としての心はあるんだが、推しを目の前にすると無理だ……」
「あ、推しって言ってくれるぐらいなんだ!」
急に前世のことを思い出して、知らない世界に放り出された気分になってたけど、同じ日本で暮らしていた、しかも俺のファンに会えた。巡り合わせに感謝だ。心強い味方に出会ったみたいな感じ。相手、魔王だけど……
「ありがとう! 魔王様!」
アイドルの時に戻ったような気持ちで笑うと、魔王は鈍い声を発しながら心臓を抑えてイスごとひっくり返った。テーブルを回りこんで魔王に駆け寄る。
「うわーーっ! 魔王様!」
「ゼロ距離で叶空の尊い100%笑顔を浴びてしまった……俺の魔王生命もう終わってもいい……」
「死ぬな! これで魔王討伐終了ってのもなんか嫌だ!」
「そうか、叶空は俺を倒しに来たんだものな、ありがとう、推しに抱きかかえられて、最高の最期だ……」
「マジで死ぬの!?」
赤い宝石みたいな瞳がゆっくり閉じられる。俺よりひと回りくらいでかい魔王の体を揺さぶった。ファンって、俺が微笑んだだけで死ぬの!? どうしよう、俺、人殺し……魔物殺しになっちゃう……そんなの平和じゃない!
その時、扉が音を立てて開いた。瞬間、魔王は起き上がりイスに座って体裁を整えた。ギリギリ、羊の執事には見られていないだろう。
「なにやらすごい音がしましたが……」
「いや、少しな」
「俺の顔が綺麗すぎて魔王様を戸惑わせてしまって」
「おやおや、そうですか」
扉が閉まり、魔王は取り繕っていた真顔を崩して咳払いをした。
「すまない、取り乱した」
「普通に驚くからやめてくれ……」
「推しを前にしたオタクはこういうものだ」
神様から言われたこと、前世を思い出したこと、平和な町にスライムが発生したこと、そのときに紋章ができたこと、だから兵士に追われていたこと……
魔王は渋い顔をして頭を抱えて唸っている。
「……本当に、情報量が……」
「だろ。俺もよくわからないままこんなことになって……ほんと、これからどうすりゃいいんだろ」
「……すまない。叶空の気持ちも考えず、俺ばかり取り乱していたな。此度はさぞ大変だったろう。ここなら追手も来ない。魔王の城だが、ゆっくりしていくといい」
「あ、ありがとう……」
優しい笑顔に優しい言葉……ざわついていた心が静かに落ち着いていくみたいだ。さっきからあわあわしたり威厳を取り戻したり、慌ただしい魔王だけど……やっぱりこの人を信じて良かった。
「というか俺、勇者の力があるはずだけど、魔王様は大丈夫?」
「ああ。今は俺の魔力量が勝っている。きっと修行し、魔物を倒すことで強くなるのだろう。いわゆるレベリングだ」
「前世用語、分かりやすくて助かるな。とにかく、今の状況を整理したい。魔王様のこともちゃんと聞かせてほしい」
「う……叶空と話……これ以上心臓が持つか怪しいが……」
「?」
魔王が顔を覆ったそのとき、大きな扉がノックされた。二人してびくりと肩を跳ねさせる。
「失礼します」
開いた扉からは、執事服をまとった二足歩行の羊獣人が入ってきた。背は俺と同じくらいだ。こんな魔物がいるのか……目が合い、羊は「おや」と声をあげた。羊だから感情はよく読み取れない。
「魔王様、今宵のお相手は人間ですか」
「あ、いやっ」
「!?」
「大層綺麗なお顔をされていますね。魔王様が気に入るのも無理ないかと。しかし激しくしすぎると人間はすぐに壊れてしまいますので、お手柔らかに……」
なんか変な勘違いされてる……? そういやここ、ベッドの上だ! うう、なんだか変な気分になるな……魔王も真っ赤になって動揺してるっぽいけど、部下(?)の前だからかなんとか威厳を保っている。
「お食事はこちらに置いておきますね。人間の食事もご用意いたしましょうか」
「た、頼む。豪華なものだ」
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
これまた一人用じゃないぐらいでかいテーブルに大量の食べ物を置いた羊は、ぺこりと礼をして扉を閉めた。
「すまない……勘違いをされた」
「いや……まあ寝室だしな……」
「そういう意味で連れてきたのではないからな、断じて。さ、食事をしながら話そう。その方が気が紛れる……じきに叶空の分も運ばれてくる」
うん、と答え、ベッドから降りて魔王の正面のイスに座る。またすぐに扉が開いて羊の執事が料理を並べてくれた。魔王の食事は、匂いは良いが形容しがたいほど変な色のグロテスク料理(なのか?)だから心配していたが、俺のは普通だった。しかも庶民じゃめったに食べられないフルコース料理だ。ステーキにカルパッチョにスープ、デザート……どんどん並べられる。贅沢すぎる。敵の本拠地でこんな……
「毒は入っていないだろうな?」
鋭い眼光で睨みつけながら魔王が放った、毒、の言葉にナイフを取ろうとした手が止まる。あぶねぇ……どれだけ美味しそうでも油断しちゃダメだ。
「入れていませんよ。魔王様のお相手を手にかけたら、始末されるのは私ですから。では、お綺麗な人間様、ごゆっくり」
「ど、どうも……」
笑ったのか判断はできないけど、柔らかい口調で羊の執事は去っていった。まあ、毒入りじゃないならありがたくいただこう。いただきます、と手を合わせるとそれを見た魔王も手を合わせた。
「手を合わせてから食べるのは久しぶりだ。懐かしいな」
「前世思い出してから、これやらないと落ち着かなくてさあ」
「いい子だな……」
「子ども扱いしてる?」
なんだか見守るような、慈しむような目で観察されているみたいだけど、まあいいや。
前世のマナーはここではどうでもいいだろう。さっそくメインディッシュのステーキを頬張る。ほどよく脂身が乗ってて、高級な肉の味だ。焼き方が上手いのかとてもジューシーで、ほんのり甘めなソースとの相性が抜群だ。
「美味いな! こんな美味いもん毎日食べているのか?」
「ああ、そうだな」
「すげぇ~……貴族みたい。や、そもそも魔王様だもんな」
「でも、誰かと食べるのは久しぶりだ」
魔王は切れ長の瞳を伏せて寂しく笑った。こんなでかい部屋で、毎日ひとりで食事……いくら美味い飯でも味気なく感じそうだ。目の前のグロテスク料理が美味いのかは分からないけど……魔王ってものは孤独なんだろうか……
「しかも叶空と……一緒に、食事……前世でいくら徳を積んだのだろうか……金なら積んだが……緊張で味がしない。やっぱり夢なのか……」
突然、銀食器を置いて大きなため息とともに顔を抑えた。さっきからたびたび魔王の威厳が崩れてオタク感が出るのは……
「魔王様、俺のファンだったのか?」
「……」
魔王は顔を抑えた指をずらして、目元だけ覗かせた。それでも顔全体が紅潮しているのがわかる。
「うん……」
「口調おかしくなってる……」
「すまない、魔王としての心はあるんだが、推しを目の前にすると無理だ……」
「あ、推しって言ってくれるぐらいなんだ!」
急に前世のことを思い出して、知らない世界に放り出された気分になってたけど、同じ日本で暮らしていた、しかも俺のファンに会えた。巡り合わせに感謝だ。心強い味方に出会ったみたいな感じ。相手、魔王だけど……
「ありがとう! 魔王様!」
アイドルの時に戻ったような気持ちで笑うと、魔王は鈍い声を発しながら心臓を抑えてイスごとひっくり返った。テーブルを回りこんで魔王に駆け寄る。
「うわーーっ! 魔王様!」
「ゼロ距離で叶空の尊い100%笑顔を浴びてしまった……俺の魔王生命もう終わってもいい……」
「死ぬな! これで魔王討伐終了ってのもなんか嫌だ!」
「そうか、叶空は俺を倒しに来たんだものな、ありがとう、推しに抱きかかえられて、最高の最期だ……」
「マジで死ぬの!?」
赤い宝石みたいな瞳がゆっくり閉じられる。俺よりひと回りくらいでかい魔王の体を揺さぶった。ファンって、俺が微笑んだだけで死ぬの!? どうしよう、俺、人殺し……魔物殺しになっちゃう……そんなの平和じゃない!
その時、扉が音を立てて開いた。瞬間、魔王は起き上がりイスに座って体裁を整えた。ギリギリ、羊の執事には見られていないだろう。
「なにやらすごい音がしましたが……」
「いや、少しな」
「俺の顔が綺麗すぎて魔王様を戸惑わせてしまって」
「おやおや、そうですか」
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