現代摩訶不思議詩集

yoh_okazaki

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アトリエB型作業所の日々

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わけもなく
いや理由はあるんだろう
真夜中
涙が流れて消えていく
右目からは特に遠い
枕に染み込む私の体液

左目からはちょっと近い
枕に染み込む私の体液

ぎゅっと流し去った
涙目で
私は何を捨ててしまったの?
夢見てたことさえも
今では茶化してしまうほど
遠くまで来てしまった

学校になじめない
不登校も
少しの辛抱
そんな事は分かってる
卒業すれば
合格すれば
勉強すれば
合格すれば

ちゃんと障がい者に
成り果てていた

仕事に就いた
傍目からはちゃんちゃらおかしな
障がい者の福祉の仕組み
たって仕事は仕事だ
いくら交通費で赤字だろうと
給料が出る
だからサボっちゃダメ
そりゃそうだ
仕事に就いた
仕事をすれば
お金がもらえる
それも
日給五百円

(好きでもない
向いてない)
そんな仕事でもなかった
好きだし向いてた
成果はあった
こんな精神病患者にも
社会生活を営んでる
プライドになった
好きで
向いてる
仕事

硬い机と椅子
座って絵を描く
それが仕事で
私の生存理由
隣で
所長がパソコンをいじる
所長だって社員で
社長というのは
とても高いところにいるから
私には
見えない
この横の
所長のことすら
よく知らない
ちゃんとしたスタッフ数名に
利用者つまり私たち
いろんな障がい者
つまり普通以下の人
集まってムダな労苦を
背負う
ごく普通に過ごすために

絵なんて下らないさ
こんなのを仕事だなんて
エラそうに言うもんじゃない
他に何にもできないから
紙にインクでシミをつけてる
それだって高尚な理論も思想も
何にもなくて
ただひたすら
描いている私

精神障がい者の
烙印を押されたのは
結局ハタチぐらいだけど
私はたぶん
自閉症スペクトラム障害
生まれたときからだ
変なこだわりがあり
物事を自分の納得のいく方法で
やらなきゃ
嫌だった

大学で挫折
ニコチン中毒と
男の子ばかりのクラスに馴染めず
学問もつまらなかった
夢だった音楽活動も
まるでダメ
それが
現実

不眠で精神科に通いはじめ
鬱とも言われた
実際は境界性人格障害とかいう
のと
躁鬱病のⅡ型
というところ
ずっと躁状態だったな
そして
人間関係が下手
男女の違いとか付き合い方が
よくわからない
女の子とだって
うまくいかない

スチューデントアパシー
などと言われ
モラトリアム
とも言われ
大学はドロップアウト

結局
それ以降
二度とまともな生活には
届かない人生になった

それで
絵なんだけど
絵なんて好きに描くもの
それも
鬱の時
時間とともに塗りつぶした
スケッチブックとボールペン
未だに同じ気持ちで
暗い気持ちで
描いている
ただ、
仕事になった

絵でもう十年はやって来た
いま
絵を手放すのは怖い
生きてる意味だし
社会生活なのだから

(絵が仕事なんて
素敵ですね)
よく言われることだけど
これでいいのか迷ってる

今更何を
迷う暇があるというんだ

孤独なのも
人に合わせる気がなかったからで
つまりエゴの成れの果て
このまま一人
妥協した仕事の
絵を描いて
息を殺して暮らしてく

それもできなくなる
日は来るだろう
その時は
純粋な障がい者として
生きて
死ぬ
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