かわいい後輩は

山縣

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 次の日の朝は家の前に坂田が来ていた。
 「おはようございます。昨日ガッカリしてたので来ましたよ。」
 「ガッカリなんかしてねえよ」
 「本当に先輩は素直じゃないですね。その根性をの叩き直してやりたいです」
 「お前なんかに叩き直されても変わらねえよ」
 

 学校では休み時間のたびに昨日と同じように小野先輩ファイトですよと叫んでから走って自分の教室に戻っていった。
 僕も昨日と同じように机に突っ伏した。
 昨日と同じような今日。変わらないであろう明日。
 この休み時間が続くとなると嫌になる。


 放課後すぐに坂田は来て一緒に帰りましょと言った。
 そして、仕方なく一緒に帰る。
 家の前で坂田が明日の朝もきますねと言う。
 僕は塾へ行く。


 次の日もまた次の日も。
 土日の休みを挟んで次の週でも同じような日々が続いた。
 最初は鬱陶しいと思っていた。坂田だけれど
 最近は話すのが楽しくなっている。
 僕も話すようになったのだ。
 会話と言えるかわからないけれど話す。
 今はもうあんな質問ばかりじゃない。
 坂田も今日学校で起きたことを話すし僕も話す。
 カップルみたいだけどそんなんじゃない。
 友達以上恋人未満ってやつかもしれない。
 僕が一方的に親しいと思ってるだけかもしれないけれどそれでもいいと思っている。


 そういえばどうして坂田と関わるようになったんだっけ。
 なんで名前知ってるんだろ。
 勉強ばかりだし部活もやらないで塾だから誰と誰が付き合ってるとかそういう情報にはとことん疎いのに。
 思い出せない。
 坂田ハナは学校ではとても有名なのかもしれない。
 有名だから知っているのだろう。

 そうまとめて、眠りについた。
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