デブターベイト

山縣

文字の大きさ
6 / 7

しおりを挟む
 山へ入ってからどれくらい時間が経ったのだろうか。あたりはもう真っ暗で懐中電灯がないと見えないくらいだけれど懐中電灯を使うと真っ暗な中目立ってどこにいるかぎバレてしまうから使わないようにしている。
 時計を持ってくるべきだった。
 一応スマホとモバイルバッテリーも持ってきたけれど、時間を確認するたびにスマホを起動するのはめんどくさい。
 かなり上の方へ登ってきたはずだ。
 もう今日はここら辺で寝ようか。
 お母さんを殺すのとここまで歩いてくるので相当疲れた。
 ヘトヘトになりながら歩いていると山小屋を見つけた。
 よかった。明かりも付いていないから誰もいないだろう。今夜はぐっすり眠れそうだ。

 朝起きて、昨日は夕飯を食べていなくてお腹がとても空いていたから持ってきた非常食を食べることにした。
 流石非常食あまり美味しいとは言えない変な味をしている。しかし非常食に文句を垂れている暇はない。
 急いで書かなくては。
 その日から食事も睡眠もしっかり取りながら小説のことだけを考えて書き続けた。
 もう何日経ったかわからないくらいが過ぎた頃完成した。

 そして、出版社へ持って行こうとしたとき考えた。
 私は何日間か山の中に居て社会とは隔離されていて全く情報が入ってこなかった。
 家を出るときにお金を持ってきたけどあんまり使わなかった。でもとったおかげで家に入ってきた強盗と鉢合わせて顔を見られてしまった犯人が母を殺害。娘を誘拐した。ということになっていないだろうか。なっていてほしい。
 荷物は小屋へ置いてきた。
 今はバスと電車代と飲み物とか買うくらいはできるようにすこしのお金と原稿用紙の入っている茶封筒しか持っていない。逆に怪しまれるだろうか。
 でもビクビクしている方がむしろ怪しい。
 堂々として行こう。
 警察に止められたりしたらその時はその時だ。
 出版社に行くことだけを考えて、向かった。周りの目なんて気にしていたらダメだと思った。
 気づいたら着いていた。無事とは言えないがここまで来れたのだ。
 担当者に読んでもらった。
 「すごいリアルでいいね。」
 
 やっと褒めてもらえた。
 もう疲れたな。
 もうデビューするとかしないとかじゃなくて自分で満足するものが書けたから良かった。
 小屋へ戻って今日はもう寝よう。
 すごく疲れたからきっとぐっすり寝れるだろう。
 もう起きなくてもいいかな。
 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

清掃員と僕の密やかな情状

MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。 青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。 肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。 44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

処理中です...