58 / 387
異性の友情は存在する
14
しおりを挟む
周とまどかが新居に移ってからは、更に律の心情も変わっていった。毎日当たり前になりつつあったまどかの声も笑顔も家から姿を消した。
周がいて騒がしかったリビングも、仕事が遅い父と、早く就寝する祖母と母のせいかしんと静まり返った。
まるで風化してしまったかのような空間を撫でるようにして、そっとリビングのソファーに触れた。
ここに座っていればまどかがコーヒーを入れてくれた。
「休みの日も仕事なの?」
そう言って隣に座ったりもした。けれど、今はそれもない。代わりに千愛希と会う時間が増えた気がした。
せっかくの休みは1人で過ごしたかったはずなのに、どうにも1人でいるとまどかのことを思い出す。かといって男友達と出かける気にもなれず、結局は千愛希と一緒にいるのが楽だと思った。
時にはくだらない話をして、時には政治・経済について熱く語る。知能指数が同じレベルの千愛希は、律の友人の中でも特に話していて気が楽だった。
言葉を要約する必要もないし、思ったことをそのまま口にしてもあくまで律の考えとして千愛希は受け止めてくれた。
千愛希もまた、今まで出会ったことのない種類の異性だった。まどかとは少し違う、一緒にいて安心できる相手。まどかのように胸が苦しくなったり、鼓動が速くなったりすることはないが、素をさらけ出せるような、落ち着く空間をくれる不思議な相手。
女性として、異性としてどうこうという感情はないが、千愛希といることで自分自身が変われる気がした。同時にまどかへの気持ちも切り替えられる気がした。
律は決して千愛希をまどかの代わりだと思ったわけではない。千愛希を利用してまどかのことを忘れようとしたわけじゃない。
本能的に、千愛希の側にいることを求めた。
周がいて騒がしかったリビングも、仕事が遅い父と、早く就寝する祖母と母のせいかしんと静まり返った。
まるで風化してしまったかのような空間を撫でるようにして、そっとリビングのソファーに触れた。
ここに座っていればまどかがコーヒーを入れてくれた。
「休みの日も仕事なの?」
そう言って隣に座ったりもした。けれど、今はそれもない。代わりに千愛希と会う時間が増えた気がした。
せっかくの休みは1人で過ごしたかったはずなのに、どうにも1人でいるとまどかのことを思い出す。かといって男友達と出かける気にもなれず、結局は千愛希と一緒にいるのが楽だと思った。
時にはくだらない話をして、時には政治・経済について熱く語る。知能指数が同じレベルの千愛希は、律の友人の中でも特に話していて気が楽だった。
言葉を要約する必要もないし、思ったことをそのまま口にしてもあくまで律の考えとして千愛希は受け止めてくれた。
千愛希もまた、今まで出会ったことのない種類の異性だった。まどかとは少し違う、一緒にいて安心できる相手。まどかのように胸が苦しくなったり、鼓動が速くなったりすることはないが、素をさらけ出せるような、落ち着く空間をくれる不思議な相手。
女性として、異性としてどうこうという感情はないが、千愛希といることで自分自身が変われる気がした。同時にまどかへの気持ちも切り替えられる気がした。
律は決して千愛希をまどかの代わりだと思ったわけではない。千愛希を利用してまどかのことを忘れようとしたわけじゃない。
本能的に、千愛希の側にいることを求めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる