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変化の理由
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律の話では、最近詩には好きな人ができて付き合うか付き合わないかそんな甘酸っぱい時期だと聞いた。それがどうしてこんなに切ない表情を浮かべているのかと話を聞けば、律が彼と別れるよう詩を呼びつけあーでもない、こーでもないと彼の過去について散々な文句を言ってのけたとのことだった。
「そりゃ酷いな」
話だけ聞けば確かに酷い。詩はあれから彼と付き合うまでに至ったのだが、ようやく結ばれたところでその彼にはあまり褒められたような話ではない過去があった。
詩さえも知らなかった彼の過去を律から聞かされ、一方的に彼のことを悪く言われたそうだ。挙句、その彼との外出中におそらくその彼の過去を知る女性と遭遇し、彼と口論になったそうだった。
更に「俺達、もう終わりだな」と別れを示唆させる言葉を投げ付けられ、家を追い出されたとのこと。
一概に律だけが悪いとも言えない状況だが、詩にとっては律が事の発端だと思えてならないのは千愛希にも想像がつく。
しかし、千愛希にはどうしても信じられなかった。あの時、律は確かに嬉しそうだったのだ。詩に初めて好きな人ができ、これから付き合うかもしれない。弟のためにただ義務で働いている詩にもっと人生を楽しんでもらいたいと言った律の顔が。
「過保護なんですよ……」
詩はそう言ってむくれるが、千愛希には律が過干渉するほど人に興味があるようには思えなかった。それに、律が詩は弟離れができないと言っていたことも思い出した。
「そりゃ酷いな」
話だけ聞けば確かに酷い。詩はあれから彼と付き合うまでに至ったのだが、ようやく結ばれたところでその彼にはあまり褒められたような話ではない過去があった。
詩さえも知らなかった彼の過去を律から聞かされ、一方的に彼のことを悪く言われたそうだ。挙句、その彼との外出中におそらくその彼の過去を知る女性と遭遇し、彼と口論になったそうだった。
更に「俺達、もう終わりだな」と別れを示唆させる言葉を投げ付けられ、家を追い出されたとのこと。
一概に律だけが悪いとも言えない状況だが、詩にとっては律が事の発端だと思えてならないのは千愛希にも想像がつく。
しかし、千愛希にはどうしても信じられなかった。あの時、律は確かに嬉しそうだったのだ。詩に初めて好きな人ができ、これから付き合うかもしれない。弟のためにただ義務で働いている詩にもっと人生を楽しんでもらいたいと言った律の顔が。
「過保護なんですよ……」
詩はそう言ってむくれるが、千愛希には律が過干渉するほど人に興味があるようには思えなかった。それに、律が詩は弟離れができないと言っていたことも思い出した。
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