280 / 387
勘違いがいっぱい
55
しおりを挟む
不意に重なった唇に、律は驚いて目を見開く。ゆっくり回転し始めた頭で千愛希からのキスを理解すると、心臓がギュッと縮んだ。一気に愛しさが膨れ上がる。昨晩のことも頭に過ぎり、ようやく手にした大事な存在を閉じ込めてしまいたい衝動に駆られた。
手を伸ばして千愛希の頬に触れた。長い髪が律の手の甲を撫でる。ふわりと香る甘い匂い。誘われるようにして引き寄せる。
軽いキスを何度もし、至近距離で視線が合うともう一度どちらからともなくキスをする。
律が千愛希の体に触れると、ふと違和感に気付く。
「……化粧落としたのに裸なんだ?」
ふっと微笑んだ律に、かあっと顔を赤らめる千愛希は「お風呂から出たら暑かったの」と視線を逸らした。
「もう1回する?」
脇腹を這う律の指先。千愛希はきゅっと唇を結んでふるふると首を左右に振った。
「しないの?」
「うん……あのね」
「うん」
「しなくていいからもっとぎゅってして……ほしい……」
素直な気持ちを律にぶつける。今まで決して聞けなかった言葉が聞け、律は心が震えた。
「いいよ。おいで」
手を広げる律の胸に頬を寄せる。素肌が温かく心地よかった。優しく千愛希の髪を撫でる律の手。その感覚が久しぶりで、他人から貰う愛情が心地よかった。
「髪……触られるの気持ちい」
「そう。好き?」
「うん……」
「じゃあ、ずっとこうしててあげる」
「ふふ……ねぇ」
「ん?」
「腕枕も……」
「いいよ」
甘える千愛希に、なんでも言うことを聞いてあげたくなる律。昨晩は無理させたであろうというせめてものお詫びと、単に甘える千愛希が可愛くて仕方がなかった。
「今日はゆっくりしたら、コーヒー飲みに行こうか」
「うん……夜まで一緒にいられる?」
「もちろん。なんなら明日まででもいいよ」
とことん甘い律に、千愛希は顔を綻ばせ暫し甘美な時間を満喫するのだった。
手を伸ばして千愛希の頬に触れた。長い髪が律の手の甲を撫でる。ふわりと香る甘い匂い。誘われるようにして引き寄せる。
軽いキスを何度もし、至近距離で視線が合うともう一度どちらからともなくキスをする。
律が千愛希の体に触れると、ふと違和感に気付く。
「……化粧落としたのに裸なんだ?」
ふっと微笑んだ律に、かあっと顔を赤らめる千愛希は「お風呂から出たら暑かったの」と視線を逸らした。
「もう1回する?」
脇腹を這う律の指先。千愛希はきゅっと唇を結んでふるふると首を左右に振った。
「しないの?」
「うん……あのね」
「うん」
「しなくていいからもっとぎゅってして……ほしい……」
素直な気持ちを律にぶつける。今まで決して聞けなかった言葉が聞け、律は心が震えた。
「いいよ。おいで」
手を広げる律の胸に頬を寄せる。素肌が温かく心地よかった。優しく千愛希の髪を撫でる律の手。その感覚が久しぶりで、他人から貰う愛情が心地よかった。
「髪……触られるの気持ちい」
「そう。好き?」
「うん……」
「じゃあ、ずっとこうしててあげる」
「ふふ……ねぇ」
「ん?」
「腕枕も……」
「いいよ」
甘える千愛希に、なんでも言うことを聞いてあげたくなる律。昨晩は無理させたであろうというせめてものお詫びと、単に甘える千愛希が可愛くて仕方がなかった。
「今日はゆっくりしたら、コーヒー飲みに行こうか」
「うん……夜まで一緒にいられる?」
「もちろん。なんなら明日まででもいいよ」
とことん甘い律に、千愛希は顔を綻ばせ暫し甘美な時間を満喫するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる