憂い視線のその先に

雪村こはる

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糖度150%、スパイス多め

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「俺はどこにもいかないし、今後も千愛希だけだよ。仕事を制限しろなんて言わないし、結婚を優先させろなんて言わない。でも……生涯一緒にいたいとは思ってるよ」

 子猫のように顔を擦り寄せる律に、千愛希は大きく瞳を揺らした。美しい、形のいい目が大きく開かれ、正面のベッドを凝視する。視界には、未だに千愛希の太腿に置かれた律の手が微かに存在している。
 筋張った大きな手。指はどこまでも長く、まるでピアニストのように芸術的な美しさ。その1本1本が、内腿を撫で、更に奥に侵入した。

「やっ……」

「いや? 千愛希はどうなの? 結婚考えてなくても……まあいいや。ずっと俺といるでしょ?」

「……うん。いる」

 妙に自信あり気な律に思うところはあるが、今更律を手放す気など千愛希にだってない。同居や結婚なんて言われてもいまいちピンとこないが、一生を添い遂げるのは律がいいと思うのは同じだった。

「だから別にいつでもいいと思ってる。結婚してもしなくても千愛希は俺のだし。俺は千愛希のだよ? わかってる?」

 腹に回されていた腕が、千愛希の後頭部を掴み、持ち上げた。半ば無理やり律の方を向けられ、後ろから覗き込む律と目が合った。
 妖艶なその視線に、千愛希の呼吸は止まりそうだった。こんな顔は、まどかにだって向けたことがない。千愛希だって、自宅で初めて目にしたのだ。

 こんな顔をする時には、決まって律は止まらない。愛しさが溢れて、それが満たされるまで千愛希を離さなかった。
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