12 / 208
友人の悩み
【12】
しおりを挟む
出血は3日程続いたが、その後は何事もなく経過していった。
あれから2週間が経ち、奏ちゃんが実家に帰ってくるということで私は彼女の実家に足を運んだ。
あまねくんは仕事中。久しぶりにダリアさんとおばあちゃんにも会えて、気分は上々だ。
奏ちゃんが帰宅すると、その美貌にうっとりする。ああ、律くんに似てる。でも、綺麗。可愛い……。
私の妹になった奏ちゃんは、パリのコレクションに出演した。全部で8つのショーに出ることができたそうだ。
ダリアさんがパリの友達に頼んでそのショーを動画に収めてくれてあった。色んな国に友達がいるなんて、さすがダリアさん。
ダリアさんの美貌だって健在で、一緒にいるだけで素敵なオーラを分けてもらった気分になる。
おばあちゃんは、時々私の名前がわからなくなるけれど、あまねくんのお嫁さんだよと言うと、喜んでくれる。
お腹を優しくさすってくれ、「元気な赤ちゃんが生まれますように」と願掛けまでしてくれた。
皆で奏ちゃんの動画を見る。普段の奏ちゃんしか知らない私は、彼女のウォーキングを見て感激した。
カッコいいなんて言葉だけじゃ足りない程だった。
「どのモデルさんよりも奏ちゃんが一番カッコいい!」
「前にもそんなこと言ってなかった?」
すぐに照れ隠しをする奏ちゃんは、私と視線を合わせようとはしてくれない。
「ねぇねぇ、この前の雑誌のやつさ、どうなったの?」
「どうって?」
「ページ増える?」
「増えないよ。前回かなり載せてもらったし」
「えー……」
「でも、オファー殺到してるんだ。CMとか」
「CM!?」
奏ちゃんがテレビに出る! そう思ったら、走り回って飛び跳ねて、喜びを表現したいと思った。
彼女には全力で制止された。
「他にもテレビ出る!?」
「うん。予定ぎっしりなんだ」
「えぇ!? じゃあ、全部録画しなきゃ!」
「いいよ、しなくて」
「嫌だよ! 奏ちゃんが出るやつは全部くまなくチェックしなきゃ!」
「……それ、やってることあっくんと一緒だよ?」
そう言われてはっとする。
あれから2週間が経ち、奏ちゃんが実家に帰ってくるということで私は彼女の実家に足を運んだ。
あまねくんは仕事中。久しぶりにダリアさんとおばあちゃんにも会えて、気分は上々だ。
奏ちゃんが帰宅すると、その美貌にうっとりする。ああ、律くんに似てる。でも、綺麗。可愛い……。
私の妹になった奏ちゃんは、パリのコレクションに出演した。全部で8つのショーに出ることができたそうだ。
ダリアさんがパリの友達に頼んでそのショーを動画に収めてくれてあった。色んな国に友達がいるなんて、さすがダリアさん。
ダリアさんの美貌だって健在で、一緒にいるだけで素敵なオーラを分けてもらった気分になる。
おばあちゃんは、時々私の名前がわからなくなるけれど、あまねくんのお嫁さんだよと言うと、喜んでくれる。
お腹を優しくさすってくれ、「元気な赤ちゃんが生まれますように」と願掛けまでしてくれた。
皆で奏ちゃんの動画を見る。普段の奏ちゃんしか知らない私は、彼女のウォーキングを見て感激した。
カッコいいなんて言葉だけじゃ足りない程だった。
「どのモデルさんよりも奏ちゃんが一番カッコいい!」
「前にもそんなこと言ってなかった?」
すぐに照れ隠しをする奏ちゃんは、私と視線を合わせようとはしてくれない。
「ねぇねぇ、この前の雑誌のやつさ、どうなったの?」
「どうって?」
「ページ増える?」
「増えないよ。前回かなり載せてもらったし」
「えー……」
「でも、オファー殺到してるんだ。CMとか」
「CM!?」
奏ちゃんがテレビに出る! そう思ったら、走り回って飛び跳ねて、喜びを表現したいと思った。
彼女には全力で制止された。
「他にもテレビ出る!?」
「うん。予定ぎっしりなんだ」
「えぇ!? じゃあ、全部録画しなきゃ!」
「いいよ、しなくて」
「嫌だよ! 奏ちゃんが出るやつは全部くまなくチェックしなきゃ!」
「……それ、やってることあっくんと一緒だよ?」
そう言われてはっとする。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
専属秘書は極上CEOに囚われる
有允ひろみ
恋愛
手痛い失恋をきっかけに勤めていた会社を辞めた佳乃。彼女は、すべてをリセットするために訪れた南国の島で、名も知らぬ相手と熱く濃密な一夜を経験する。しかし、どれほど強く惹かれ合っていても、行きずりの恋に未来などない――。佳乃は翌朝、黙って彼の前から姿を消した。それから五年、新たな会社で社長秘書として働く佳乃の前に、代表取締役CEOとしてあの夜の彼・敦彦が現れて!? 「今度こそ、絶対に逃さない」戸惑い距離を取ろうとする佳乃を色気たっぷりに追い詰め、彼は忘れたはずの恋心を強引に暴き出し……。執着系イケメンと生真面目OLの、過去からはじまる怒涛の溺愛ラブストーリー!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる