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友人の悩み
【11】
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「……どうかした?」
私の異変に気付いた彼は、首を傾げてそう尋ねた。
「茉紀と喧嘩した……」
「え?」
意外だったのか、全ての動作を止めて視線だけこちらに向けた。
言わないわけにはいかないか。何でもないと言えばまた余計な心配をかけるし、喧嘩をしたことすら言わなければ、直接茉紀に妊娠について聞きかねない。
それをハイジさん伝てにするとしても、いずれ知られてしまうことだろう。それなら、いっそのこと正直に話してしまった方がいい。
私は、茉紀とのやり取りと律くんに相談したことをあまねくんに説明した。
彼は、着替えもせずにしっかりと私の話を聞いてくれた。
土曜日はあんなに興味なさそうだったのに、茉紀と喧嘩したことでさすがにこのままにしておけないと思ってくれたのかもしれない。
「そっか。そんな状況なら、すぐに茉紀さんと仲直りするのも無理そうだね」
「……うん」
「じゃあ、一緒にハイジさんのところに行ってみようか」
「え!?」
意外な彼の言葉に、思わず身を乗り出した。あんなに放っておけと言ったのに。まさか、あまねくんの方からハイジさんと話をすることを提案してくれるなんて。
「もう気になって仕方ないんでしょ?」
「う、うん……。でも……律くんにもあまねくんと同じ事言われちゃったし……。ちょっとおとなしくしてようかなって……」
「それだよ。何で律に相談なんてするの?」
「え!?」
「俺がまともに話聞かないから、律にしたんでしょ? それに律の言うことなら聞くんだ」
えぇ!? そこ!?
目線をふいっと逸らしてご立腹な様子のあまねくん。
「いや、別にそういうわけじゃ……。何か悩みがあるの? って聞いてくれたから」
「律はいつもそうだよ。まどかさんに甘い。でもね、まどかさんのこと甘やかしていいのは俺だけなんだよ!?」
「え? あ、はい……」
甘やかされたかな? 何か趣旨が変わった気もするけれど……。むくれた彼にそんなことは言えない。
「だから、律に相談するくらいなら、ちゃんと解決するまで俺が付き合うから。もうその話は律にしなくていいよ」
「……わかった」
私を病院に連れていってくれた律くんへの感謝はあるけれど、悩み事を相談するのはダメなのね。
色々覚えておかないと……。
「ねぇ、あまねくん? もう、律くんには相談しないけどさ、やっぱりハイジさんまで巻き込まなくてもいいよ……。茉紀があんなに怒るくらいだからやっぱり聞かれたくなかったんだと思うんだ」
「うん、そうだろうね」
え、冷た!
とても冷ややかな声でそんなことを言うものだから、私だけがなんだか非常識なように思えて切なくなった。
「……だから、あの。ちゃんとおとなしくしてます」
「まどかさんはそれでいいの?」
「うん……。また色々考えすぎてお腹痛くなっても嫌だし……」
「は!? それでお腹痛くなったの!?」
「いや、それが原因かどうかはわかんないんだけど……」
「まどかさん、勘弁してよ……。茉紀さんとハイジさんのことなんて後回しでいいんだよ。とにかく自分の体を大事にして」
「はい……」
結局またあまねくんにも怒られてしまい、私は小さくなって頷いた。
私の異変に気付いた彼は、首を傾げてそう尋ねた。
「茉紀と喧嘩した……」
「え?」
意外だったのか、全ての動作を止めて視線だけこちらに向けた。
言わないわけにはいかないか。何でもないと言えばまた余計な心配をかけるし、喧嘩をしたことすら言わなければ、直接茉紀に妊娠について聞きかねない。
それをハイジさん伝てにするとしても、いずれ知られてしまうことだろう。それなら、いっそのこと正直に話してしまった方がいい。
私は、茉紀とのやり取りと律くんに相談したことをあまねくんに説明した。
彼は、着替えもせずにしっかりと私の話を聞いてくれた。
土曜日はあんなに興味なさそうだったのに、茉紀と喧嘩したことでさすがにこのままにしておけないと思ってくれたのかもしれない。
「そっか。そんな状況なら、すぐに茉紀さんと仲直りするのも無理そうだね」
「……うん」
「じゃあ、一緒にハイジさんのところに行ってみようか」
「え!?」
意外な彼の言葉に、思わず身を乗り出した。あんなに放っておけと言ったのに。まさか、あまねくんの方からハイジさんと話をすることを提案してくれるなんて。
「もう気になって仕方ないんでしょ?」
「う、うん……。でも……律くんにもあまねくんと同じ事言われちゃったし……。ちょっとおとなしくしてようかなって……」
「それだよ。何で律に相談なんてするの?」
「え!?」
「俺がまともに話聞かないから、律にしたんでしょ? それに律の言うことなら聞くんだ」
えぇ!? そこ!?
目線をふいっと逸らしてご立腹な様子のあまねくん。
「いや、別にそういうわけじゃ……。何か悩みがあるの? って聞いてくれたから」
「律はいつもそうだよ。まどかさんに甘い。でもね、まどかさんのこと甘やかしていいのは俺だけなんだよ!?」
「え? あ、はい……」
甘やかされたかな? 何か趣旨が変わった気もするけれど……。むくれた彼にそんなことは言えない。
「だから、律に相談するくらいなら、ちゃんと解決するまで俺が付き合うから。もうその話は律にしなくていいよ」
「……わかった」
私を病院に連れていってくれた律くんへの感謝はあるけれど、悩み事を相談するのはダメなのね。
色々覚えておかないと……。
「ねぇ、あまねくん? もう、律くんには相談しないけどさ、やっぱりハイジさんまで巻き込まなくてもいいよ……。茉紀があんなに怒るくらいだからやっぱり聞かれたくなかったんだと思うんだ」
「うん、そうだろうね」
え、冷た!
とても冷ややかな声でそんなことを言うものだから、私だけがなんだか非常識なように思えて切なくなった。
「……だから、あの。ちゃんとおとなしくしてます」
「まどかさんはそれでいいの?」
「うん……。また色々考えすぎてお腹痛くなっても嫌だし……」
「は!? それでお腹痛くなったの!?」
「いや、それが原因かどうかはわかんないんだけど……」
「まどかさん、勘弁してよ……。茉紀さんとハイジさんのことなんて後回しでいいんだよ。とにかく自分の体を大事にして」
「はい……」
結局またあまねくんにも怒られてしまい、私は小さくなって頷いた。
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