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友人の悩み
【18】
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「陽菜ちゃん……」
私はポロっと名前を呼ぶ。
「だね。……何しに来たんだろ」
あまねくんは、眉間に皺を寄せて画面を見る。せっかく伊織くんのことも話がまとまったのに、こんなところにきて陽菜ちゃんの姿。
前回彼女が訪ねてきた時には、大学の時に仲が良かっただけの友達だとあまねくんは言っていた。
連絡先も知らないし、もう関わることもないと。
それなのにまた訪ねてくるなんて、どういうことだろうかと、胸の奥がずんと重くなる。
あまねくんは、インターフォンの会話ボタンを押し「はい」と返事をした。
「あ! 周!?」
目をくりっと大きくさせて、画面に顔を寄せる。私と話した時よりも、高く可愛らしい声だった。
「どちら様ですか」
インターフォン越しに姿が見えているのに、そう声をかける彼。その声は、私と話す時よりも、低く他人行儀だ。
「陽菜だよ! この前本届けたんだけどね」
「……聞いたよ。ありがとうね。返してもらったからもういいよ」
あまねくんは、髪をかきあげてはぁっと息をつく。
あ……やっぱり、本当に苦手なのかも……。
壁に手を置いて体重をかける姿は、面倒だと言っているようだった。しかし、そんな姿も絵になるのだから、彼はずるい。
「よくないよ! 長いこと借りちゃったし、お礼にケーキ作って来たんだよ! 周、甘いの好きでしょ?」
嬉しそうに紙袋を掲げる彼女。
「お礼とかいいよ。もう返してもらっただけで十分だし」
「それじゃあ、私の気が済まないよ! ねぇ、ここ開けて」
そう言ってカメラに向かって上目遣いで甘い声を出す。
私はポロっと名前を呼ぶ。
「だね。……何しに来たんだろ」
あまねくんは、眉間に皺を寄せて画面を見る。せっかく伊織くんのことも話がまとまったのに、こんなところにきて陽菜ちゃんの姿。
前回彼女が訪ねてきた時には、大学の時に仲が良かっただけの友達だとあまねくんは言っていた。
連絡先も知らないし、もう関わることもないと。
それなのにまた訪ねてくるなんて、どういうことだろうかと、胸の奥がずんと重くなる。
あまねくんは、インターフォンの会話ボタンを押し「はい」と返事をした。
「あ! 周!?」
目をくりっと大きくさせて、画面に顔を寄せる。私と話した時よりも、高く可愛らしい声だった。
「どちら様ですか」
インターフォン越しに姿が見えているのに、そう声をかける彼。その声は、私と話す時よりも、低く他人行儀だ。
「陽菜だよ! この前本届けたんだけどね」
「……聞いたよ。ありがとうね。返してもらったからもういいよ」
あまねくんは、髪をかきあげてはぁっと息をつく。
あ……やっぱり、本当に苦手なのかも……。
壁に手を置いて体重をかける姿は、面倒だと言っているようだった。しかし、そんな姿も絵になるのだから、彼はずるい。
「よくないよ! 長いこと借りちゃったし、お礼にケーキ作って来たんだよ! 周、甘いの好きでしょ?」
嬉しそうに紙袋を掲げる彼女。
「お礼とかいいよ。もう返してもらっただけで十分だし」
「それじゃあ、私の気が済まないよ! ねぇ、ここ開けて」
そう言ってカメラに向かって上目遣いで甘い声を出す。
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