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ファンクラブ
【19】
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溜め息が出そうなのを必死で堪え、奏ちゃんの笑顔に応えた。
「それより、お客さん来てるの? 何かリビング騒がしいけど」
奏ちゃんがそう言ってその場に座る。
「うん。律くんのお友達なんだって」
「え!? りっちゃんの!? 普段なら他人を家に入れることなんてないのに……」
「そうでしょ? 私もビックリしちゃった。付き合うかどうか迷ってるみたい」
「付き合うかどうかって……女の子!?」
「そうそう」
奏ちゃんの反応を見ているだけで面白い。彼女にこんな顔をさせる程、律くんには女性の影がなかったのだろう。
「玄関の靴、まどかちゃんのだと思ってたけど違うんだ」
「一足は私のだよ。でも、もう1つは千愛希さんの」
「千愛希さん? ……聞いたことないなぁ」
「高校の時の同級生みたいよ」
「ふーん」
「……あんまり興味なさそう」
私があまねくんと付き合ってるって言った時には、あんなにも癇癪起こしていたのに。
「ないよ。りっちゃんなら変な女は選ばないだろうし。あっくんとは違うの」
そう言って顔をしかめた。
そうか、なるほど。変な女性ばかりが寄ってくるあまねくんだから、余計に神経質になってたのね。
「あー、そう」
「りっちゃん、女の子相手でも冷たい時は冷たいからね。自分が無理って思ったら絶対寄せ付けないから。あっくんみたいにへらへらして誰彼かまわず優しくして勘違いさせたりしないの」
「あんまりだよ、奏ちゃん……」
正確な言い方だけれど、聞いていて悲しくなる。
「そうでしょ? まどかちゃんもちゃんとあっくんにきつく言っておかないと大変だよ」
「ああ、うん……」
既に陽菜ちゃんとか大変だよ。それはまた奏ちゃんがぎゃんぎゃん言いそうだから黙っておこう。
「それで、そのあっくんは?」
「今、千愛希さんといるよ」
「は? 何で?」
奏ちゃんの表情ががらりと変わる。眼光を鋭く放ち、解せないと言った顔だ。
「それより、お客さん来てるの? 何かリビング騒がしいけど」
奏ちゃんがそう言ってその場に座る。
「うん。律くんのお友達なんだって」
「え!? りっちゃんの!? 普段なら他人を家に入れることなんてないのに……」
「そうでしょ? 私もビックリしちゃった。付き合うかどうか迷ってるみたい」
「付き合うかどうかって……女の子!?」
「そうそう」
奏ちゃんの反応を見ているだけで面白い。彼女にこんな顔をさせる程、律くんには女性の影がなかったのだろう。
「玄関の靴、まどかちゃんのだと思ってたけど違うんだ」
「一足は私のだよ。でも、もう1つは千愛希さんの」
「千愛希さん? ……聞いたことないなぁ」
「高校の時の同級生みたいよ」
「ふーん」
「……あんまり興味なさそう」
私があまねくんと付き合ってるって言った時には、あんなにも癇癪起こしていたのに。
「ないよ。りっちゃんなら変な女は選ばないだろうし。あっくんとは違うの」
そう言って顔をしかめた。
そうか、なるほど。変な女性ばかりが寄ってくるあまねくんだから、余計に神経質になってたのね。
「あー、そう」
「りっちゃん、女の子相手でも冷たい時は冷たいからね。自分が無理って思ったら絶対寄せ付けないから。あっくんみたいにへらへらして誰彼かまわず優しくして勘違いさせたりしないの」
「あんまりだよ、奏ちゃん……」
正確な言い方だけれど、聞いていて悲しくなる。
「そうでしょ? まどかちゃんもちゃんとあっくんにきつく言っておかないと大変だよ」
「ああ、うん……」
既に陽菜ちゃんとか大変だよ。それはまた奏ちゃんがぎゃんぎゃん言いそうだから黙っておこう。
「それで、そのあっくんは?」
「今、千愛希さんといるよ」
「は? 何で?」
奏ちゃんの表情ががらりと変わる。眼光を鋭く放ち、解せないと言った顔だ。
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