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ファンクラブ
【28】
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それでも納得はしていない奏ちゃん。無事に私と会員番号を入れ替えたのだけれど、「なんでかなが一番じゃないの……」とまだ呟いている。
「それにしても、千愛希さんって凄いお仕事してたんだね。何か、感激しちゃったよ」
私がそう言えば「本当ですか!? そんなこと言ってもらえるなら、この仕事続けててよかったです!」と表情を輝かせた。
そして感極まったのか、私の右手を握り「今日出会えたことは一生忘れません。このような機会を与えていただけて、これ以上の幸せなんてありません!」と顔を近付けてくる。
ち、近い……。いくら綺麗な女性とはいえ、こんなに急に近寄られたら私だって何か鬼気迫るものを感じる。
しかし、私がその気迫に押されるように背中を奏ちゃん側にずらした瞬間、左腕がぐっと引っ張られた。
「わっ!」
よろける体を、奏ちゃんが細い両腕で私の腕を挟み込んだことで受け止める。
「かなだって、パリでたくさんコレクション出たんだからね! 大きい仕事だってしてるの!」
私の体を乗り越えるかのように顔を寄せて、千愛希さんに向かって言う奏ちゃん。
「うーん、でも私奏ちゃんの活躍知らないし」
千愛希さんも千愛希さんだ。飄々とした態度でそんなことを言う。
ああっ……、そんな言い方をしたらまた奏ちゃんが機嫌を損ねるじゃないか!
そんな焦りを抱く中、「か、かなはまどかちゃんと部屋で二人きりでガールズトークしたことあるもんね!」と子供のように言い張った。
「なっ……部屋で……二人きり……」
私の手を握ったまま、目を泳がせる千愛希さん。
いや、二人きりって……別にあまねくんの妹だし。
「まどかちゃんの実家にも行ったことあるんだから!」
更に攻撃を仕掛ける奏ちゃん。その攻撃が効いているのか、悲痛な顔を見せる千愛希さん。
「いや、ちょっと具合悪かった時があってね……」
全くフォローにはならないと思いつつも、そう言葉をかける。
「具合悪い時には、病院にも連れてってあげたし!」
その節はどうもお世話になりました。
「それにかな、法律上まどかちゃんの妹だからね!」
追い討ちをかけるように奏ちゃんがそう言えば、すっかり覇気をなくして項垂れる千愛希さん。
「あなたがどんなにまどかちゃんの事が好きでも、かな達は姉妹ですからね!」
何を張り合いたいのかわからないが、あなたも最初はその血縁を拒否しようとしたじゃないか。
「それにしても、千愛希さんって凄いお仕事してたんだね。何か、感激しちゃったよ」
私がそう言えば「本当ですか!? そんなこと言ってもらえるなら、この仕事続けててよかったです!」と表情を輝かせた。
そして感極まったのか、私の右手を握り「今日出会えたことは一生忘れません。このような機会を与えていただけて、これ以上の幸せなんてありません!」と顔を近付けてくる。
ち、近い……。いくら綺麗な女性とはいえ、こんなに急に近寄られたら私だって何か鬼気迫るものを感じる。
しかし、私がその気迫に押されるように背中を奏ちゃん側にずらした瞬間、左腕がぐっと引っ張られた。
「わっ!」
よろける体を、奏ちゃんが細い両腕で私の腕を挟み込んだことで受け止める。
「かなだって、パリでたくさんコレクション出たんだからね! 大きい仕事だってしてるの!」
私の体を乗り越えるかのように顔を寄せて、千愛希さんに向かって言う奏ちゃん。
「うーん、でも私奏ちゃんの活躍知らないし」
千愛希さんも千愛希さんだ。飄々とした態度でそんなことを言う。
ああっ……、そんな言い方をしたらまた奏ちゃんが機嫌を損ねるじゃないか!
そんな焦りを抱く中、「か、かなはまどかちゃんと部屋で二人きりでガールズトークしたことあるもんね!」と子供のように言い張った。
「なっ……部屋で……二人きり……」
私の手を握ったまま、目を泳がせる千愛希さん。
いや、二人きりって……別にあまねくんの妹だし。
「まどかちゃんの実家にも行ったことあるんだから!」
更に攻撃を仕掛ける奏ちゃん。その攻撃が効いているのか、悲痛な顔を見せる千愛希さん。
「いや、ちょっと具合悪かった時があってね……」
全くフォローにはならないと思いつつも、そう言葉をかける。
「具合悪い時には、病院にも連れてってあげたし!」
その節はどうもお世話になりました。
「それにかな、法律上まどかちゃんの妹だからね!」
追い討ちをかけるように奏ちゃんがそう言えば、すっかり覇気をなくして項垂れる千愛希さん。
「あなたがどんなにまどかちゃんの事が好きでも、かな達は姉妹ですからね!」
何を張り合いたいのかわからないが、あなたも最初はその血縁を拒否しようとしたじゃないか。
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