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こんにちは赤ちゃん
【16】
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「……ストーカーですか? 警察呼びますよ」
「……すげぇ怒ってんじゃん」
ハイジさんは顔をひきつらせてこちらを見る。顔をしかめたいのはこちらである。
「当たり前じゃないですか! もうあなたと話すことなんてありません!」
私はそう言って先に進む。ずんずん進むが、同然手ぶらのハイジさんの方が速いわけで、すぐに横に並ばれる。私はそれも無視して歩き続けた。
爪先がコツっと何かに当たり、あっと思った瞬間、つんのめる。
両手が塞がっているが為に、そのまま体が地面目掛けて前のめりに倒れていった。
「お、おいっ!」
体が60度の斜面に達したくらいで、ハイジさんの腕に受け止められた。
「ちょっ、まどかちゃん妊婦でしょ!? 転んで何かあったらっ」
こんな時にハイジさんに助けられたことで気恥ずかしくもあり、更に体を気遣われたことも不快だった。その手を振り払って、右手に持っていたエコバッグを彼に投げ付けた。
ドンッと鈍い音が響いた後、ぐしゃっと地面に叩きつけられた。
もしかしたら、卵が入っていた方かもしれない。そう思ったら余計に泣きそうになった。
「いって……」
「流産したらハイジさんのせいだから!」
「へ?」
「この子が死んだらハイジさんのこともぶっ殺してやるからね!」
私は左手に持ったエコバッグをぎゅっと握りしめてそう怒鳴った。
「ぶ、物騒だね……」
私が騒いでいるものだから、スーパーの前に出入りする客は通り様にこちらを振り返る。
「もうあなたの顔なんか見たくありません! 茉紀のことだってもう知りません! 2人で勝手にすればいいですよ! 茉紀の旦那さんは、茉紀とハイジさんの不倫を疑ってます! 責める気はないって言ってたんで、離婚するつもりなんじゃないですか!?」
私はそれだけ言って、投げ付けたエコバッグをそのままに、家までの帰路を急いだ。
「え? ちょ、まどかちゃんこれ……」
私の後ろでガサッと音がし、足音が聞こえる。投げ付けたエコバッグを持ってついてきているのだろう。
エコバッグが1つになったことで、私の歩くスピードも上がる。
「そんなスピードで歩いたら、子供に負担かかるでしょ」
そう言って右腕を掴まれた。
「もう放っといて下さい! 私の子供のことなんて何とも思ってないくせに心配してるような顔しないで! どうせ茉紀の旦那さんとのことにしか興味ないだら!? そんな奴にこれ以上何も教えてやらんでね!」
そこまで声を張り、ぜぇぜぇと息を切らす私。こんなに他人に怒鳴ったのっていつぶりだろう。小さい頃、お姉ちゃんと口論になった時以来かもしれない。
「……すげぇ怒ってんじゃん」
ハイジさんは顔をひきつらせてこちらを見る。顔をしかめたいのはこちらである。
「当たり前じゃないですか! もうあなたと話すことなんてありません!」
私はそう言って先に進む。ずんずん進むが、同然手ぶらのハイジさんの方が速いわけで、すぐに横に並ばれる。私はそれも無視して歩き続けた。
爪先がコツっと何かに当たり、あっと思った瞬間、つんのめる。
両手が塞がっているが為に、そのまま体が地面目掛けて前のめりに倒れていった。
「お、おいっ!」
体が60度の斜面に達したくらいで、ハイジさんの腕に受け止められた。
「ちょっ、まどかちゃん妊婦でしょ!? 転んで何かあったらっ」
こんな時にハイジさんに助けられたことで気恥ずかしくもあり、更に体を気遣われたことも不快だった。その手を振り払って、右手に持っていたエコバッグを彼に投げ付けた。
ドンッと鈍い音が響いた後、ぐしゃっと地面に叩きつけられた。
もしかしたら、卵が入っていた方かもしれない。そう思ったら余計に泣きそうになった。
「いって……」
「流産したらハイジさんのせいだから!」
「へ?」
「この子が死んだらハイジさんのこともぶっ殺してやるからね!」
私は左手に持ったエコバッグをぎゅっと握りしめてそう怒鳴った。
「ぶ、物騒だね……」
私が騒いでいるものだから、スーパーの前に出入りする客は通り様にこちらを振り返る。
「もうあなたの顔なんか見たくありません! 茉紀のことだってもう知りません! 2人で勝手にすればいいですよ! 茉紀の旦那さんは、茉紀とハイジさんの不倫を疑ってます! 責める気はないって言ってたんで、離婚するつもりなんじゃないですか!?」
私はそれだけ言って、投げ付けたエコバッグをそのままに、家までの帰路を急いだ。
「え? ちょ、まどかちゃんこれ……」
私の後ろでガサッと音がし、足音が聞こえる。投げ付けたエコバッグを持ってついてきているのだろう。
エコバッグが1つになったことで、私の歩くスピードも上がる。
「そんなスピードで歩いたら、子供に負担かかるでしょ」
そう言って右腕を掴まれた。
「もう放っといて下さい! 私の子供のことなんて何とも思ってないくせに心配してるような顔しないで! どうせ茉紀の旦那さんとのことにしか興味ないだら!? そんな奴にこれ以上何も教えてやらんでね!」
そこまで声を張り、ぜぇぜぇと息を切らす私。こんなに他人に怒鳴ったのっていつぶりだろう。小さい頃、お姉ちゃんと口論になった時以来かもしれない。
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