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効果覿面
【7】
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千愛希さんが帰った後、リビングのソファに座っているあまねくんがこちらをじっと見ていた。
「どうしたの?」
コーヒーカップを片付けながら声をかける。
「まどかさん、ここ来て」
そう言って彼は自分の腿をぽんぽんと叩いた。
「え? そこ?」
私が笑いながら近付くと「ここ。早く座って」そう言いながら腕をくいくいっと引っ張る。
あーあ、甘えん坊モードだ。
仕方なく言われた通り、腿の上に座る。あまねくんの足の間から、私の両足を下げ、横向きに体をあまねくんに預けた。
「本当は嫌なんだよ? まどかさんがあの人と連絡取ってるの」
彼はそう言いながら、ポニーテールにしていた私の髪を一束掬う。触られている感覚がくすぐったくて、思わず身を捩る。
「わかってるよ。一緒に来てくれるの嬉しいよ」
「うん。だってね、まどかさんが安心できるように俺がいるんだよ」
そう言って鼻先で私の側頭部をつつく。甘えん坊の彼は、すりすりと顔を寄せ、私の首筋に顔を埋めた。
彼の右手は、私の脇腹を通ってお腹に回されている。
高い体温のあまねくんの熱がぽかぽかと伝わってきて、同時に彼の鼓動の音も聞こえる。少し、速い。
「あまねくんと一緒にいると、いつも安心するよ」
「俺も。俺ね、まどかさんと結婚するために凄く頑張ったんだよ」
「知ってるよ。律くんとハイジさんからたくさん聞いたよ」
「うん。だからね、楽して近付こうとする人は許せないの。だって、まどかさんもお腹の子も俺のだもん」
「そうだね。あまねくんは、私のでしょ?」
「うん。まどかさん好き」
「私もあまねくん大好きだよ」
彼の頭をそっと撫でる。いつの間にか胸に顔を埋めているあまねくん。
赤ちゃんみたい……。
思わず笑みが溢れて、彼の髪にそっとキスをした。
「ずっとこうやってたい」
「いいよ。明日は騒がしくなるからね」
「去年のお正月、楽しかったね。まどかさん仕事ばっかりだったけど」
「でも、大晦日が休みなんて貴重だったんだよ? いつもは夜勤だったんだから」
「うん。だからね、きっと神様が一緒にいた方がいいよって言ったんだと思うんだ」
そんなことを言うあまねくんが可愛くて仕方がない。
「1年が終わる時と始まる時に一緒にいられるって嬉しいよね」
「まどかさんもそう思ってくれる?」
「もちろん」
「俺ね、毎年まどかさんとこうやって1年楽しかったなぁって思いたいんだ。だからね、仕事始めたとしてもお正月休みあるところがいいなぁ……」
「お正月休みかぁ……。デイサービスならあるかなぁ」
「本当?」
「多くはないけど元旦は休みだと思うよ」
「うーん……ずっと働かないのなし?」
あまねくんは、ようやく顔を上げて上目遣いで私の目を見つめる。完全に子犬ちゃんのあまねくんは、うるうると瞳を揺らす。
さっきまでの逞しいあまねくんはどこへやら。
「どうしたの?」
コーヒーカップを片付けながら声をかける。
「まどかさん、ここ来て」
そう言って彼は自分の腿をぽんぽんと叩いた。
「え? そこ?」
私が笑いながら近付くと「ここ。早く座って」そう言いながら腕をくいくいっと引っ張る。
あーあ、甘えん坊モードだ。
仕方なく言われた通り、腿の上に座る。あまねくんの足の間から、私の両足を下げ、横向きに体をあまねくんに預けた。
「本当は嫌なんだよ? まどかさんがあの人と連絡取ってるの」
彼はそう言いながら、ポニーテールにしていた私の髪を一束掬う。触られている感覚がくすぐったくて、思わず身を捩る。
「わかってるよ。一緒に来てくれるの嬉しいよ」
「うん。だってね、まどかさんが安心できるように俺がいるんだよ」
そう言って鼻先で私の側頭部をつつく。甘えん坊の彼は、すりすりと顔を寄せ、私の首筋に顔を埋めた。
彼の右手は、私の脇腹を通ってお腹に回されている。
高い体温のあまねくんの熱がぽかぽかと伝わってきて、同時に彼の鼓動の音も聞こえる。少し、速い。
「あまねくんと一緒にいると、いつも安心するよ」
「俺も。俺ね、まどかさんと結婚するために凄く頑張ったんだよ」
「知ってるよ。律くんとハイジさんからたくさん聞いたよ」
「うん。だからね、楽して近付こうとする人は許せないの。だって、まどかさんもお腹の子も俺のだもん」
「そうだね。あまねくんは、私のでしょ?」
「うん。まどかさん好き」
「私もあまねくん大好きだよ」
彼の頭をそっと撫でる。いつの間にか胸に顔を埋めているあまねくん。
赤ちゃんみたい……。
思わず笑みが溢れて、彼の髪にそっとキスをした。
「ずっとこうやってたい」
「いいよ。明日は騒がしくなるからね」
「去年のお正月、楽しかったね。まどかさん仕事ばっかりだったけど」
「でも、大晦日が休みなんて貴重だったんだよ? いつもは夜勤だったんだから」
「うん。だからね、きっと神様が一緒にいた方がいいよって言ったんだと思うんだ」
そんなことを言うあまねくんが可愛くて仕方がない。
「1年が終わる時と始まる時に一緒にいられるって嬉しいよね」
「まどかさんもそう思ってくれる?」
「もちろん」
「俺ね、毎年まどかさんとこうやって1年楽しかったなぁって思いたいんだ。だからね、仕事始めたとしてもお正月休みあるところがいいなぁ……」
「お正月休みかぁ……。デイサービスならあるかなぁ」
「本当?」
「多くはないけど元旦は休みだと思うよ」
「うーん……ずっと働かないのなし?」
あまねくんは、ようやく顔を上げて上目遣いで私の目を見つめる。完全に子犬ちゃんのあまねくんは、うるうると瞳を揺らす。
さっきまでの逞しいあまねくんはどこへやら。
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