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効果覿面
【26】
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目的地で降ろされた私達は、どんっと構えられたホテルを見上げる。
てっきりビジネスホテルかなんかを想像していたのだけれど、どうやら違うらしい。
外観からしていかにも高級そうである。
「え? あまねくん、ここって……」
「たまにはいいところに泊まるのもいいでしょ? 新婚旅行もお腹の子がいて連れてってあげられないしさ。少し贅沢しよ?」
「えぇ!?」
「おいで」
戸惑いながらあまねくんに手を引かれ、ついていく。中は高級感溢れるきらびやかな作りである。
廊下も柱もキラキラとしていて、歩くのさえも戸惑う。
「守屋様でいらっしゃいますね。ご案内いたします」
律儀にホテルマンまでついてくる。夜のチェックインにも関わらずここまでしてくれるのかと唖然としていた。
エレベーターに乗り込むとグングン上昇し、最上階で止まった。
「最上階!?」
思わず声が出て、慌てて口を塞ぐ。ホテルマンは聞こえなかったかのように全く反応せず、あまねくんはおかしそうに笑っている。
「こちらがスウィートルームになります。ゆっくりと御寛ぎ下さい」
そう言って頭を下げ、翌日のチェックアウトの時間を説明してホテルマンはその場を去っていった。
中に入って私は言葉を失う。広いどころの騒ぎじゃない。ソファーもいくつもあって、ガラス張りの大きな壁からは、東京の夜景が一望でき、東京タワーが大きく見えた。
「あまねくんっ、す、スウィートルームって……」
「うん。やっぱいいよね。綺麗だし」
何だか感動しているのは私だけのようで恥ずかしくなる。手を引かれて夜景のすぐ傍まで行く。
「スカイツリーより東京タワーの方が好きなんだ。ただそれだけ」
あまねくんはそう言って笑った。
「……綺麗」
「たまには綺麗な景色も見せてあげたくてさ。バスルームからも見えるって。雪が舞ってるのも綺麗だね」
「うん……」
「子供生まれたら中々こういうところに2人きりって無理だから。今の内に、ね?」
そう言って彼に後ろから抱きしめられた。今日は伊織くんに呼ばれてどうなってしまうのかと不安な中、東京にやってきたのに。おみくじ凶だったし、不吉な事が起こったらどうしようって思ってたのに。
そんな不吉な運気なんて、あまねくんの思いやりの前には皆無だと思い知らされた気がした。
てっきりビジネスホテルかなんかを想像していたのだけれど、どうやら違うらしい。
外観からしていかにも高級そうである。
「え? あまねくん、ここって……」
「たまにはいいところに泊まるのもいいでしょ? 新婚旅行もお腹の子がいて連れてってあげられないしさ。少し贅沢しよ?」
「えぇ!?」
「おいで」
戸惑いながらあまねくんに手を引かれ、ついていく。中は高級感溢れるきらびやかな作りである。
廊下も柱もキラキラとしていて、歩くのさえも戸惑う。
「守屋様でいらっしゃいますね。ご案内いたします」
律儀にホテルマンまでついてくる。夜のチェックインにも関わらずここまでしてくれるのかと唖然としていた。
エレベーターに乗り込むとグングン上昇し、最上階で止まった。
「最上階!?」
思わず声が出て、慌てて口を塞ぐ。ホテルマンは聞こえなかったかのように全く反応せず、あまねくんはおかしそうに笑っている。
「こちらがスウィートルームになります。ゆっくりと御寛ぎ下さい」
そう言って頭を下げ、翌日のチェックアウトの時間を説明してホテルマンはその場を去っていった。
中に入って私は言葉を失う。広いどころの騒ぎじゃない。ソファーもいくつもあって、ガラス張りの大きな壁からは、東京の夜景が一望でき、東京タワーが大きく見えた。
「あまねくんっ、す、スウィートルームって……」
「うん。やっぱいいよね。綺麗だし」
何だか感動しているのは私だけのようで恥ずかしくなる。手を引かれて夜景のすぐ傍まで行く。
「スカイツリーより東京タワーの方が好きなんだ。ただそれだけ」
あまねくんはそう言って笑った。
「……綺麗」
「たまには綺麗な景色も見せてあげたくてさ。バスルームからも見えるって。雪が舞ってるのも綺麗だね」
「うん……」
「子供生まれたら中々こういうところに2人きりって無理だから。今の内に、ね?」
そう言って彼に後ろから抱きしめられた。今日は伊織くんに呼ばれてどうなってしまうのかと不安な中、東京にやってきたのに。おみくじ凶だったし、不吉な事が起こったらどうしようって思ってたのに。
そんな不吉な運気なんて、あまねくんの思いやりの前には皆無だと思い知らされた気がした。
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