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風雲児
【35】
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散々飲んで騒いだ後、2人はうとうととテーブルに伏せってしまった。
あーあ、だから飲み過ぎだって言ったのに……。まあ、戸塚さんも明日休みだって言ってたからいいか。
その内に寝息を立て始めたため、私はテーブルの上を片付け、暖房はそのままにして2人の背中にブランケットをかけた。
体勢がきつくなれば自然と目を覚ますだろう。私1人ではどう頑張ってもソファーかベッドには運べない。2人仲良くテーブルで寝てもらおう。
客人を招いておいてこれでいいのか不明だけれど、起きないものは仕方がない。私はこっそりシャワーを浴びさせてもらい、1人ゆっくりとベッドで眠った。
翌朝、戸塚さんが起きる前には起きて化粧をしようと4時に目覚ましを合わせておいた。しかしダイニングへ行くと、テーブルに伏せって眠っているのはあまねくんだけ。
うわ……一晩中テーブルの上で寝てるんだ……。腕とか痺れてそう。
戸塚さんの姿はなく、椅子の上には綺麗に畳まれたブランケット。そして、テーブルの上に手帳を破ったであろうメモ用紙。
〔眠ってしまったようで申し訳ありません。ご迷惑をおかけしました。
とても楽しく過ごさせていただきました。ありがとうございます。これ以上の長居は更なるご迷惑となりますので帰らせていただきます。
また改めて、お詫びとお礼に伺います。
戸塚政宗〕
……律儀な人だな。それより戸塚さん、名前政宗って言うんだ……強そう。
そんなことを思いながら、あまねくんの肩を持って揺さぶる。
「あまねくん、起きて。こんなところでいつまでも寝てたら体痛くなるよ」
「……ん……」
微かに声を漏らすだけで、起きる様子はない。一度寝たら起きないのはいつものこと。だからといってさすがにこれ以上テーブルで寝かせておくわけにはいかない。
腕の上に乗せられている頭を掴んで上に上げてみる。
お、重い……。人の頭ってボーリングの球くらいの重さがあるっていうしな……。
それでもなんとか後ろに引くと、体ごと背もたれにドサッと倒れこんで首が後屈する。グラッと頭が落ちてきて、私はひぃっと小さく声を漏らした。
まるでホラーだ。それでも彼は起きずに口を半開きにして眠っている。
今攻撃されたら簡単にやられてしまうな。
そんな考えさえも過る。更に揺するが、全く起きない。あまねくんの腕を引っ張ってみると、バランスを崩してドタンッと大きな音を立てて椅子から落っこちた。
あーあ、だから飲み過ぎだって言ったのに……。まあ、戸塚さんも明日休みだって言ってたからいいか。
その内に寝息を立て始めたため、私はテーブルの上を片付け、暖房はそのままにして2人の背中にブランケットをかけた。
体勢がきつくなれば自然と目を覚ますだろう。私1人ではどう頑張ってもソファーかベッドには運べない。2人仲良くテーブルで寝てもらおう。
客人を招いておいてこれでいいのか不明だけれど、起きないものは仕方がない。私はこっそりシャワーを浴びさせてもらい、1人ゆっくりとベッドで眠った。
翌朝、戸塚さんが起きる前には起きて化粧をしようと4時に目覚ましを合わせておいた。しかしダイニングへ行くと、テーブルに伏せって眠っているのはあまねくんだけ。
うわ……一晩中テーブルの上で寝てるんだ……。腕とか痺れてそう。
戸塚さんの姿はなく、椅子の上には綺麗に畳まれたブランケット。そして、テーブルの上に手帳を破ったであろうメモ用紙。
〔眠ってしまったようで申し訳ありません。ご迷惑をおかけしました。
とても楽しく過ごさせていただきました。ありがとうございます。これ以上の長居は更なるご迷惑となりますので帰らせていただきます。
また改めて、お詫びとお礼に伺います。
戸塚政宗〕
……律儀な人だな。それより戸塚さん、名前政宗って言うんだ……強そう。
そんなことを思いながら、あまねくんの肩を持って揺さぶる。
「あまねくん、起きて。こんなところでいつまでも寝てたら体痛くなるよ」
「……ん……」
微かに声を漏らすだけで、起きる様子はない。一度寝たら起きないのはいつものこと。だからといってさすがにこれ以上テーブルで寝かせておくわけにはいかない。
腕の上に乗せられている頭を掴んで上に上げてみる。
お、重い……。人の頭ってボーリングの球くらいの重さがあるっていうしな……。
それでもなんとか後ろに引くと、体ごと背もたれにドサッと倒れこんで首が後屈する。グラッと頭が落ちてきて、私はひぃっと小さく声を漏らした。
まるでホラーだ。それでも彼は起きずに口を半開きにして眠っている。
今攻撃されたら簡単にやられてしまうな。
そんな考えさえも過る。更に揺するが、全く起きない。あまねくんの腕を引っ張ってみると、バランスを崩してドタンッと大きな音を立てて椅子から落っこちた。
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