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風雲児
【36】
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「あ、あまねくん……ごめん……」
咄嗟にお腹の赤ちゃんを庇って、あまねくんを避けてしまった。恐らく肩をフローリングに強打した彼。それでもすやすやと眠っている。
「う、うそでしょ……。これで起きないとか……おーい……」
お酒がきいているのか、いつも以上に目覚めが悪い。いや、目覚めが悪いというか、なんとかいうか……。
私は呆れながらもせめて横になって寝てもらおうと、あまねくんの両脇を持ってリビングまで引きずっていった。
あまねくんの体を横にゴロゴロと転がして体の下に毛布を敷いた。体の上からブランケットをかけてとりあえず一段落。
「ふう……仕方のないパパだね」
お腹をさすって言うが、赤ちゃんも眠っているのか動かない。
まったく……皆揃って。無駄に早起きをしてしまった私は、もう少し眠ろうとベッドに戻った。
戸塚さんには逆に気を遣わせてしまったかもしれない。目が覚めた時、申し訳なく思っただろうななんて考えるが、眠ってしまう程楽しんでもらえたのなら今回の食事会は成功と言えよう。
私は、口角を上げて二度寝した。
次に目覚めると、私のすぐ隣にあまねくんがいてびくりと体を震わせた。
「っ……びっくりした」
あまねくんのことだからまだリビングで眠っていると思ってたのに。ベッドに戻ってきたことにも気付かなかった。こりゃ、あまねくんのこと言えないなぁと、彼の髪をそっと撫でた。
すると瞼をピクピクと動かしてうっすら目を開ける彼。
あ……起きた。
「おはよう……まどかさん」
「おはよう。二日酔い大丈夫?」
「うん。それは大丈夫。でも、何か体中がすげぇ痛い……」
ぎくり。それはきっと私が椅子から落としたから……。
「て、テーブルで伏せって寝てたからね……」
「うん。でも気付いたらリビングで寝てた。もしかして戸塚さんかなぁ?」
「私だよ……」
「え!? まどかさん!? え……どうやって……」
「引きずって……」
「えぇ!? 何してんの……重かったでしょ? こんなに体格差あるのに」
「うん、まあ……。でも、いつまでもテーブルの上で寝てちゃ体が大変だと思って」
「ごめん。全然気付かなかった。赤ちゃん大丈夫だった? 心配かけちゃったね」
「大丈夫だよ。私も引きずっちゃったし」
私がそう言えば、あまねくんはクスクスと笑って「それはいいよ。それより戸塚さん、帰っちゃったんだね」と言った。
咄嗟にお腹の赤ちゃんを庇って、あまねくんを避けてしまった。恐らく肩をフローリングに強打した彼。それでもすやすやと眠っている。
「う、うそでしょ……。これで起きないとか……おーい……」
お酒がきいているのか、いつも以上に目覚めが悪い。いや、目覚めが悪いというか、なんとかいうか……。
私は呆れながらもせめて横になって寝てもらおうと、あまねくんの両脇を持ってリビングまで引きずっていった。
あまねくんの体を横にゴロゴロと転がして体の下に毛布を敷いた。体の上からブランケットをかけてとりあえず一段落。
「ふう……仕方のないパパだね」
お腹をさすって言うが、赤ちゃんも眠っているのか動かない。
まったく……皆揃って。無駄に早起きをしてしまった私は、もう少し眠ろうとベッドに戻った。
戸塚さんには逆に気を遣わせてしまったかもしれない。目が覚めた時、申し訳なく思っただろうななんて考えるが、眠ってしまう程楽しんでもらえたのなら今回の食事会は成功と言えよう。
私は、口角を上げて二度寝した。
次に目覚めると、私のすぐ隣にあまねくんがいてびくりと体を震わせた。
「っ……びっくりした」
あまねくんのことだからまだリビングで眠っていると思ってたのに。ベッドに戻ってきたことにも気付かなかった。こりゃ、あまねくんのこと言えないなぁと、彼の髪をそっと撫でた。
すると瞼をピクピクと動かしてうっすら目を開ける彼。
あ……起きた。
「おはよう……まどかさん」
「おはよう。二日酔い大丈夫?」
「うん。それは大丈夫。でも、何か体中がすげぇ痛い……」
ぎくり。それはきっと私が椅子から落としたから……。
「て、テーブルで伏せって寝てたからね……」
「うん。でも気付いたらリビングで寝てた。もしかして戸塚さんかなぁ?」
「私だよ……」
「え!? まどかさん!? え……どうやって……」
「引きずって……」
「えぇ!? 何してんの……重かったでしょ? こんなに体格差あるのに」
「うん、まあ……。でも、いつまでもテーブルの上で寝てちゃ体が大変だと思って」
「ごめん。全然気付かなかった。赤ちゃん大丈夫だった? 心配かけちゃったね」
「大丈夫だよ。私も引きずっちゃったし」
私がそう言えば、あまねくんはクスクスと笑って「それはいいよ。それより戸塚さん、帰っちゃったんだね」と言った。
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