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俺様外科医なんか嫌いだ
皆同じ
「わかったよ。わかったから……。ちょっと落ち着け。もうアイツらもいないから」
そう言いつつ、久我先生は私を抱きしめていた腕を緩めた。私は、だらんと力なく腕を降ろした。もう疲れてしまった。抵抗するのも、暴れるのも。
「……久我先生は何するつもりですか?」
「は? 何言って」
「気を失っている間に何かしたんですか……」
「するわけねぇだろ! 誰がっ……」
「じゃぁ、今から何かしますか……」
頭が働かない。どんなに酷いことをされるのかと恐怖でしかない。
「しねぇよ……なんで、そうなるんだよ」
彼は頭をガシガシと掻きながら、呆れたようにため息をついた。
「だって先生、私のこと嫌いじゃないですか……」
「それはっ」
「先生がなんのメリットもないのに私を助けてくれるはずがありません……」
「あのなぁ。お前、俺のことなんだと思ってんだよ。俺にだって良心くらいあるわ」
心外だとでも言うように鼻を鳴らす。けれど、そんなこと誰が信用するものか。私が言っても川崎先生が言っても噂の方を信じたくせに。
アバズレ女呼ばわりして、キスまでしたくせに。
「……もう帰ります。助けて下さったことは……ありがとうございました」
「あ、ああ。って、だから診察っ」
「けっこうですどこも痛くありません。それよりもご自分の腕の方を心配して下さい。怪我させてすみませんでした」
「いや……別にこれくらい」
「では……」
とりあえずお礼は言った。この男の目的がなんなのか見当もつかないが、言うべきことは言ったのだからもう用はないはずだ。
「おい。送ってく」
「大丈夫です。車で来てますから」
「じゃあ、車まで送ってく」
「いいです。本当に帰れますから」
「じゃなくて、他にもいたらどうする気だ? アイツらの仲間」
そこまで言われてゾワッと鳥肌が立つ。また恐怖が蘇る。まだ他にもいるかもしれない未知なる恐怖が広がる。
「ほら。だから送ってく。せっかく助けたのにまた襲われたりしたら俺が迷惑だ」
「……先生も仲間なんじゃないですか?」
「は?」
「別の場所に誘導して仕切り直しとか……」
「そんなわけねぇだろ。だったら助けたり」
「気を抜くタイミングを見計らってるかもしれないじゃないですか……」
「何をそんなに疑ってるんだよ……お前に手ぇだすわけねぇだろ」
「キスしたじゃないですか!」
声を上げれば「あ……」とたじろぐ。そうだ、あの事実は消えない。あの時、からかったことを根に持っていたとしたら、このまま別のところに連れて行かれるかもしれない。
「久我先生もあの人達と同じじゃないですか……」
「は!?」
「噂を信じて私にキスした……」
「だから、それはっ」
「あなたのことも大嫌いです……男なんか、大嫌いです!」
私、頭側のカゴに置いてあった荷物をひっ掴むと、診察室を飛び出した。私の名前を呼ぶ彼の声が響いたが、私は全力疾走で車へと向かった。
そう言いつつ、久我先生は私を抱きしめていた腕を緩めた。私は、だらんと力なく腕を降ろした。もう疲れてしまった。抵抗するのも、暴れるのも。
「……久我先生は何するつもりですか?」
「は? 何言って」
「気を失っている間に何かしたんですか……」
「するわけねぇだろ! 誰がっ……」
「じゃぁ、今から何かしますか……」
頭が働かない。どんなに酷いことをされるのかと恐怖でしかない。
「しねぇよ……なんで、そうなるんだよ」
彼は頭をガシガシと掻きながら、呆れたようにため息をついた。
「だって先生、私のこと嫌いじゃないですか……」
「それはっ」
「先生がなんのメリットもないのに私を助けてくれるはずがありません……」
「あのなぁ。お前、俺のことなんだと思ってんだよ。俺にだって良心くらいあるわ」
心外だとでも言うように鼻を鳴らす。けれど、そんなこと誰が信用するものか。私が言っても川崎先生が言っても噂の方を信じたくせに。
アバズレ女呼ばわりして、キスまでしたくせに。
「……もう帰ります。助けて下さったことは……ありがとうございました」
「あ、ああ。って、だから診察っ」
「けっこうですどこも痛くありません。それよりもご自分の腕の方を心配して下さい。怪我させてすみませんでした」
「いや……別にこれくらい」
「では……」
とりあえずお礼は言った。この男の目的がなんなのか見当もつかないが、言うべきことは言ったのだからもう用はないはずだ。
「おい。送ってく」
「大丈夫です。車で来てますから」
「じゃあ、車まで送ってく」
「いいです。本当に帰れますから」
「じゃなくて、他にもいたらどうする気だ? アイツらの仲間」
そこまで言われてゾワッと鳥肌が立つ。また恐怖が蘇る。まだ他にもいるかもしれない未知なる恐怖が広がる。
「ほら。だから送ってく。せっかく助けたのにまた襲われたりしたら俺が迷惑だ」
「……先生も仲間なんじゃないですか?」
「は?」
「別の場所に誘導して仕切り直しとか……」
「そんなわけねぇだろ。だったら助けたり」
「気を抜くタイミングを見計らってるかもしれないじゃないですか……」
「何をそんなに疑ってるんだよ……お前に手ぇだすわけねぇだろ」
「キスしたじゃないですか!」
声を上げれば「あ……」とたじろぐ。そうだ、あの事実は消えない。あの時、からかったことを根に持っていたとしたら、このまま別のところに連れて行かれるかもしれない。
「久我先生もあの人達と同じじゃないですか……」
「は!?」
「噂を信じて私にキスした……」
「だから、それはっ」
「あなたのことも大嫌いです……男なんか、大嫌いです!」
私、頭側のカゴに置いてあった荷物をひっ掴むと、診察室を飛び出した。私の名前を呼ぶ彼の声が響いたが、私は全力疾走で車へと向かった。
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