32 / 289
愛情
【31】
しおりを挟む家に帰ったら電話をしよう。もう眠ってしまっているかもしれないけれど。
明日は休みだし、彼の好物のグラタンでも作ってあげよう。それから、この靴を履いてデートの計画を立てよう。
1人で抱えるのが辛いものは、いつもあまねくんが半分背負ってくれた。今は同じ悩みを抱えているのだから、共有して、半分こすればいい。
「じゃ、まどかの方はそれで解決でいいね」
「うん。大丈夫。うちに帰ったら連絡してみる」
「よし。それじゃ、うちらの話に入るけど……」
そう言って間をとる姉。いよいよ、結婚するのね。お姉ちゃん、おめでとう。そう思っていたら「子供ができたの」と言葉を続けた。
「は!? 入籍の話じゃなくて?」
「うん。入籍、するよ」
「そりゃ……するよね」
てっきりそろそろちゃんと入籍しますから話が入ると思っていたため、茉紀に続き姉までもかと驚きを通り越して呆れた。
「順番変わっちゃってごめんね、まどかちゃん」
「いえ……まあ、おめでたいことには変わりないですから。お姉ちゃん、おめでとう」
父と母は、だからさっさと籍入れればよかったじゃないかと言うことだろう。しかし、同棲生活ももう4年だ。ほとんど事実婚状態だったのだから、いつできてもおかしくはなかった。
結婚したからといってすぐに子供ができるとは限らないし、それなら授かってくれてよかったというものだ。
あんなに孫の顔を見たがっていた両親のことだから、案外すんなり受け入れてくれるかもしれない。
「まどか、ありがとう。それでね、同棲する時に、各々の家族に挨拶は行ってるし、そのまま両家顔合わせをしようと思うの」
「そうだよね。いつ?」
「あんたの仕事の都合もあると思うから、来月の土日のどこかで予定してる。それでシフト組める?」
「うん。じゃあ、およその日取りが決まったら教えて」
こうして驚きはあったものの、おめでたいニュースを聞き、私も前向きに自分のことを考えていかなきゃダメだなと背筋を伸ばすのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる