【完結】美人過ぎる〇〇はワンコ彼氏に溺愛される

雪村こはる

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愛情

【53】

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「まどかさん!  ほんとにっ……まとがさんが俺の咥えてるって……っ思うだけで出そうだからっ」

 その言葉が聞けて少しだけ嬉しくなる。
 いつもは余裕綽々の彼が、私によって翻弄されることなんて、もうないかもしれない。
 もう1度確認のために彼を見上げれば、「やっば……エロ……はっ、ちょっ、離してっ!  出……る」口腔内で脈打ったと思った瞬間、勢い良く液が流れ込んできた。

 驚いて口を離すと、もう1度どくんと蠢いて、熱い液が顔に飛び散った。

「けほっ……」

 ムセた拍子に口から唾液と一緒にぬるっと液が飛び出てしまった。顎を伝って浴槽の中に沈んでいった。

「あ……」

「うわ……ごめ……やばい。俺、さいてー……」

 太腿に肘をついて、そのまま顔を手で覆う彼。
 項垂れる様子を見て「何で?  あまねくんは、最低じゃないよ?」と言えば、「……最低だよ……こんなまどかさん見て、俺欲情してる」と言った。

「え……?」

「こんなことさせたのに、精液にまみれてるまどかさんがエロ過ぎて……興奮してる。マジ最低、死にたい」

「えぇ!?  大袈裟だよ!  勝手にしたのは私だし……気持ち良くなってくれたなら嬉しいし……」

「もう……どんだけ俺のこと夢中にさせたら気が済むの?  俺の方がもたない気がしてきた……」

 眉をひそめて険しい顔をして目線をわざと外す彼。
 あまねくんがもっと私に夢中になってくれたら嬉しい。彼の言葉が聞けて頑張ってよかったと思えた。
 今更口腔内で粘つく液を感じて「ちょっと苦いね」と照れ隠しに笑って言えば「あー、もう……。本当、困る。とりあえずうがいして」と言いながら彼は頭を掻いた。

 口を濯いで、顔についた液も全てを流した。
 浴槽の中には、先程溢した液が沈んでいる。それを指差して「中、落ちちゃった」と言えば、「いいから。汚いから流すよ」そう言って栓を抜いてしまった。

「まどかさんは、こういうことしなくていいから」

 濡れた髪を撫でながら、申し訳ないといった顔で彼は俯く。

「何で?  嫌なの?」

「嫌じゃないよ……まどかさんが好意でしてくれてるの嬉しい。けど、何か酷いことしてる気分になる」

「酷くないよ?  あまねくんのこと、好きだから……私がしたいの」

「まどかさん……でも、やっぱり俺は、気持ちよくなってるまどかさん見てる方が好きだし……」

 言いながら、私の脇腹を撫でる。

「ひゃっ……」

「お返し……させてね」

 あんなに可愛かったあまねくんは、既に雄の表情をしていて、今から起こりうる展開を想像して、硬直する。
 1回出したのだから、もう終わりだと思っていたのに。
 彼に愛されたい気持ちはいつも以上だけれど、気持ちと体がついていかないような気がして息を飲む。

 風邪をひくと困るからと先に髪を乾かさせてくれたけれど、その後は引きずるようにしてベッドへ連れ込まれ、いつも以上の愛情をいただくことになった。   
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