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ラポール形成
【16】
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あまねくんの実家に遊びにいかせていただいてから1週間が経った。
世間は大型連休の真っ最中。27日の土曜日から5月6日の日曜日までのゴールデンウィーク。
暦通りの勤務っていいですねなんて不平不満を心の中で溢しつつ、当然ゴールデンウィークとは無縁の私は本日も出勤する。
あまねくんも10連休だと言っていたし、もしかしたら暇をもて余しているかもしれない。しかし、いつもとなんら変わらず仕事に行く私にとっては、10日間の内に休みは2日だけ。
その休みの1つは、あらかじめ希望でとっておいた5月3日のあまねくんの誕生日。お祝いをしてほしいと彼が言ったから、私も張り切って何か作ろうと今から目論んでいる。
誕生日プレゼントはもう買ってある。
色々悩んでネクタイや名刺入れなんかも考えたけれど、好みが別れそうなものはやめておいた。
彼の職業を考慮して、少しいいボールペンをあげようと購入したのだった。
そんな最中、その彼からメッセージが届く。
〔奏がまどかさんと直接話がしたいって言ってるんだけど、連絡先って教えても大丈夫?〕
というもの。
正直、胸はざわつく。きっとあの彼女が納得して仲直りの連絡を入れようと思っているわけではないだろうと想像がついたから。
それでも話をしないことには前に進めないと、私はそれを了承した。こちらが大人にならなければ。何せ一回り近く年上なのだから。
日勤を終え、自宅で食事を済ませた頃にかかってきた電話。
アプリのIDを教えておいたから、昼間の内に双方の登録は済んでいた。深く、深く呼吸を繰り返し、意を決して電話に出た。
「はい」
「奏です」
「こんばんわ」
「あなた、兄に何言ったんですか?」
「え?」
「突然連絡が来たかと思ったら、あなたとの結婚についてだらだら説明されて、挙げ句の果てに私の態度は人としてどうかと思うとお説教です」
あまねくん、妹さんにそこまで言ってくれたんだと心なしか嬉しくなってしまった。
「兄は、いつも優しくてあんなに怒るような人じゃなかった。それなのに、兄は変わってしまった。あんなに優しかった兄をたぶらかして嫌な女!」
最後は嫌悪感をたっぷり孕んだ声でそう言った。
なんだろう、前回は彼女にあれだけ否定されてとても悲しい気持ちになったのに、今では何の感情も湧かなかった。ただ、元気だなぁと冷静に思うのだった。
「奏ちゃんさ」
「気安く呼ばないでください!」
「うん、もうちょっと声のトーン落とせないかな? 耳痛くなるから」
「なっ……」
「あまねくんは、変わらず優しくて、きっと変わってなんかいないよ。もっとちゃんと話をしたかったんじゃないかな」
「何であなたにそんなこと言われなきゃならないんですか!?」
「奏ちゃんが、私があまねくんよりも年上だってことが気に入らないのはわかったけど、理由ってそれだけ?」
年齢が上なことについてはどうしようもないけれど、他にも理由があるのなら、彼女の不満を少しずつ減らせるかもしれないと考えた。
世間は大型連休の真っ最中。27日の土曜日から5月6日の日曜日までのゴールデンウィーク。
暦通りの勤務っていいですねなんて不平不満を心の中で溢しつつ、当然ゴールデンウィークとは無縁の私は本日も出勤する。
あまねくんも10連休だと言っていたし、もしかしたら暇をもて余しているかもしれない。しかし、いつもとなんら変わらず仕事に行く私にとっては、10日間の内に休みは2日だけ。
その休みの1つは、あらかじめ希望でとっておいた5月3日のあまねくんの誕生日。お祝いをしてほしいと彼が言ったから、私も張り切って何か作ろうと今から目論んでいる。
誕生日プレゼントはもう買ってある。
色々悩んでネクタイや名刺入れなんかも考えたけれど、好みが別れそうなものはやめておいた。
彼の職業を考慮して、少しいいボールペンをあげようと購入したのだった。
そんな最中、その彼からメッセージが届く。
〔奏がまどかさんと直接話がしたいって言ってるんだけど、連絡先って教えても大丈夫?〕
というもの。
正直、胸はざわつく。きっとあの彼女が納得して仲直りの連絡を入れようと思っているわけではないだろうと想像がついたから。
それでも話をしないことには前に進めないと、私はそれを了承した。こちらが大人にならなければ。何せ一回り近く年上なのだから。
日勤を終え、自宅で食事を済ませた頃にかかってきた電話。
アプリのIDを教えておいたから、昼間の内に双方の登録は済んでいた。深く、深く呼吸を繰り返し、意を決して電話に出た。
「はい」
「奏です」
「こんばんわ」
「あなた、兄に何言ったんですか?」
「え?」
「突然連絡が来たかと思ったら、あなたとの結婚についてだらだら説明されて、挙げ句の果てに私の態度は人としてどうかと思うとお説教です」
あまねくん、妹さんにそこまで言ってくれたんだと心なしか嬉しくなってしまった。
「兄は、いつも優しくてあんなに怒るような人じゃなかった。それなのに、兄は変わってしまった。あんなに優しかった兄をたぶらかして嫌な女!」
最後は嫌悪感をたっぷり孕んだ声でそう言った。
なんだろう、前回は彼女にあれだけ否定されてとても悲しい気持ちになったのに、今では何の感情も湧かなかった。ただ、元気だなぁと冷静に思うのだった。
「奏ちゃんさ」
「気安く呼ばないでください!」
「うん、もうちょっと声のトーン落とせないかな? 耳痛くなるから」
「なっ……」
「あまねくんは、変わらず優しくて、きっと変わってなんかいないよ。もっとちゃんと話をしたかったんじゃないかな」
「何であなたにそんなこと言われなきゃならないんですか!?」
「奏ちゃんが、私があまねくんよりも年上だってことが気に入らないのはわかったけど、理由ってそれだけ?」
年齢が上なことについてはどうしようもないけれど、他にも理由があるのなら、彼女の不満を少しずつ減らせるかもしれないと考えた。
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