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再会
【3】
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「あの後気持ち悪いって言って蹲っちゃってたから、早退してもらったよ」
「え!? そうなんですか?」
「うん。真っ青な顔して休憩室にいてもいいですかなんて言うから……」
「あの人、何しにここに来てるんですかね」
「まあ、仕事だよね……」
大塚さんと顔を見合わせて苦笑する。会話をしている私と大塚さんの間で口を開けて、次の1口を待っている利用者さんには申し訳ない。
「藤野《ふじの》さんが可哀想です」
「それはね……私も千尋ちゃんには申し訳ないことをしたなって思ってるよ」
藤野さんとは千尋ちゃんのことだ。大塚さんにとっては、自分が新人の時に3年目だった先輩にあたる。
「今後も藤野さんがプリセプターなんですよね?」
「今のところは変えるつもりはないよ。でも、栗田さんの評判悪いからね。利用者さんに害があるようなら長期は無理かな……」
「そうですか」
「まあ、詳しい話はまたしよう。ここじゃあね……」
いくら9割りの方が認知症を発症しているとはいえ、利用者さんの前で他の職員のことを悪く言うのはよろしくない。
「はい。お疲れ様です。また彼氏さんとの話も聞かせて下さいね」
「うん。またね」
そう言って、大塚さんに軽く手を挙げる。
奏ちゃんから辛辣な言葉を食らった後、大塚さんから逃げるように仕事をしていた。しかし、さすがにいつまでも逃げ切れるわけはなく、それとなく実家にお邪魔させてもらったことだけは伝えたのだった。
だからといって、奏ちゃんからの言葉を全て伝える気にもなれず、まだ私の両親への顔合わせもしていないからと誤魔化した。
そんな顔合わせも刻一刻と近付いている。遂に今月に突入し、5日後に控えていたのだ。
父親も驚いてはいたものの、頭ごなしに否定はしない筈だ。このままいけば、うちの方は問題ないし、後は奏ちゃんとの距離を縮めるだけのところまできていた。
残っている職員に声をかけ、帰り支度をしてから施設を出た。慣れた道を歩き、職員の駐車場へ向かう。
自分の車に近付くと、人影が見えた。恐らく日勤を終えた職員だろうと気にも止めず、車に乗り込もうと更に近付く。
しかし、その人影はこちらに近付き、斜め後ろから「まどか」と私の名前を呼んだ。
「え!? そうなんですか?」
「うん。真っ青な顔して休憩室にいてもいいですかなんて言うから……」
「あの人、何しにここに来てるんですかね」
「まあ、仕事だよね……」
大塚さんと顔を見合わせて苦笑する。会話をしている私と大塚さんの間で口を開けて、次の1口を待っている利用者さんには申し訳ない。
「藤野《ふじの》さんが可哀想です」
「それはね……私も千尋ちゃんには申し訳ないことをしたなって思ってるよ」
藤野さんとは千尋ちゃんのことだ。大塚さんにとっては、自分が新人の時に3年目だった先輩にあたる。
「今後も藤野さんがプリセプターなんですよね?」
「今のところは変えるつもりはないよ。でも、栗田さんの評判悪いからね。利用者さんに害があるようなら長期は無理かな……」
「そうですか」
「まあ、詳しい話はまたしよう。ここじゃあね……」
いくら9割りの方が認知症を発症しているとはいえ、利用者さんの前で他の職員のことを悪く言うのはよろしくない。
「はい。お疲れ様です。また彼氏さんとの話も聞かせて下さいね」
「うん。またね」
そう言って、大塚さんに軽く手を挙げる。
奏ちゃんから辛辣な言葉を食らった後、大塚さんから逃げるように仕事をしていた。しかし、さすがにいつまでも逃げ切れるわけはなく、それとなく実家にお邪魔させてもらったことだけは伝えたのだった。
だからといって、奏ちゃんからの言葉を全て伝える気にもなれず、まだ私の両親への顔合わせもしていないからと誤魔化した。
そんな顔合わせも刻一刻と近付いている。遂に今月に突入し、5日後に控えていたのだ。
父親も驚いてはいたものの、頭ごなしに否定はしない筈だ。このままいけば、うちの方は問題ないし、後は奏ちゃんとの距離を縮めるだけのところまできていた。
残っている職員に声をかけ、帰り支度をしてから施設を出た。慣れた道を歩き、職員の駐車場へ向かう。
自分の車に近付くと、人影が見えた。恐らく日勤を終えた職員だろうと気にも止めず、車に乗り込もうと更に近付く。
しかし、その人影はこちらに近付き、斜め後ろから「まどか」と私の名前を呼んだ。
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