【完結】美人過ぎる〇〇はワンコ彼氏に溺愛される

雪村こはる

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再会

【49】

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「こんなに店に来ないなんて、どうしちゃったのさ。まさか毎日が楽しすぎて、俺の存在なんて忘れちゃったわけではあるまいね」

「ちょっと忙しかったりもしたものですから。すみません……」

 そう答えたけれど、ハイジさんが言っていることも間違ってはいなかった。あまねくんと付き合い始めたことで、毎日が楽しくて次はいつ会えるのだろうかとわくわくした。
 できるだけ2人で会いたくて、平日はお互いの家で過ごし、土日に私の休みが合えばテーマパークやちょっとした日帰り旅行に出掛けた。
 彼と一緒に行きたいところが多過ぎて、わざわざハイジさんのところへ行くという意見は出なかった。こんなことを彼に言ったら悲しませてしまうだろう。

「忙しいってなに? あまねくん、繁忙期はとっくに過ぎてるけど」

「色々やることあるの。年度変わったら一気に暇になるわけじゃないんだから」

「えー。ほんとー? あまねくん結構さらっと嘘つくからなー」

 疑いの目を向けるハイジさんに、あまねくんは、ふいっと顔を反らす。
 普段はなつっこくて犬のようなあまねくん。けれど、ハイジさんとのやりとりは、かまって欲しくてたまらない飼い主と、興味を示さない猫みたいで可愛い。

「茉紀ちゃんは時々来てくれるのにねー」

「ねー。私、ハイジさん大好きだもん」

「俺も茉紀ちゃん大好き」

 茉紀は、両手で頬杖をついて満面の笑みを浮かべている。ハイジさんもカウンターの向こう側から身を乗り出して、彼女へ笑顔を向ける。
 実際に交際している私達よりも、親密な様子が窺える。いや、私達は人前でイチャイチャとするような性格ではないだけだ。
 茉紀にしたって、本当に2児の母なのかと疑ってしまう。

 ここへ向かう前に、茉紀には雅臣の件を伏せておくよう釘を刺しておいた。ハイジさんだけならまだしも、店内となれば誰が聞いているかわからない。
 私も実際の検察官や弁護士とのやり取りの詳細は、判決が出るまで口外できない。
 それに、申し訳ないけれど、ハイジさんが黙っていられるようにも思えなかった。

「まどかちゃんの方は、仕事順調?」

「はい。ぼちぼちです」

 もう辞めますとは言えない。そこから詮索される可能性があるから。

「ふーん。ぼちぼちって割りに疲れてる? うーん、でもその割りに肌艶はいいよね。ちゃんと寝れてるみたい」

 そうだった、この人は口を滑らせなくたって詮索するのが得意だったんだ。
 そんなにじっと見られたら動揺しそうで「実は、有給中です。いっぱい余ってたんで、順番で取らせてもらえることになりまして」と誤魔化した。
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