150 / 289
再会
【50】
しおりを挟む
「ほうほう、なるほど。久しぶりのお休みどうなの?」
「満喫してますよ」
「昼夜問わず睡眠とれてるわけか」
「それが、朝になると父親が起こしにくるものですから、なんとも……」
そこまで言ってはっとする。しまった……。
気付いた時には既に遅く、彼はにやりと笑って「まどかちゃん、一人暮らしだったよね」と言った。
「そうなんですけど、長期休暇がとれたならたまには帰ってきなさいって言われて、今は実家にいるんです」
「ふーん、いつまで?」
「えーっと……とりあえず1週間お休みもらってあるので、あと2、3日はいるかと……」
「じゃあ、そこからまた元の生活に戻るんだ」
「はい」
「嘘だね」
「何で!」
誤魔化せたはず! 絶対に動揺は隠せていたはず! なのに一体全体どうしてだ。どこに引っ掛かったんだろう。
「まどかちゃん、俺を騙すなら周りの言動も気にかけないと。茉紀ちゃんは急に下向くし、あまねくんはスマホ弄り始めるし。明らかに不審でしょ? 君だけ頑張ってもダメなのよ。秘密を隠し通すなら、その設定を完璧にしてこないとね」
私と会話していたはずなのに、しっかり茉紀とあまねくんにも目がいっていて驚く。彼は、色んな意味で視野が広い。
私は、あまねくんの方に顔を向け、口パクで「助けて」と呟いた。
彼は一瞬私から目を逸らしたが、すぐにふうっと息をついて「ハイジさんは、何だと思う?」と視線をハイジさんに移動させて言った。
「んー、どうだろうな。茉紀ちゃんとあまねくんも不審だと言うことは、3人が共通している話題な訳でしょ」
名探偵ハイジの推理が始まりました。こんな状況で、彼は冷静に楽しんでいる。そもそもが、この人に隠し事なんて無理だったのかもしれない。
「休みが1週間なのに、そんなに何日も実家に戻るのもおかしいと思うんだ。だって、まどかちゃんち実家ってアパートからすぐでしょ? 長期休暇じゃないと帰れない距離じゃないのに、ここぞとばかりに帰るのはおかしいよね。
俺がまどかちゃんなら、せっかくの有給だし、あまねくんの仕事が落ち着いたところで一緒に有給を合わせてもらって旅行にでも行くよ」
彼の発言を聞いて確かに! と心の中で叫んだ。長期休暇だからこそ、わざわざ実家に帰る必要なんてないのだ。一般的に考えたら、長期休暇でしかできないことをするべきなのだから。
「満喫してますよ」
「昼夜問わず睡眠とれてるわけか」
「それが、朝になると父親が起こしにくるものですから、なんとも……」
そこまで言ってはっとする。しまった……。
気付いた時には既に遅く、彼はにやりと笑って「まどかちゃん、一人暮らしだったよね」と言った。
「そうなんですけど、長期休暇がとれたならたまには帰ってきなさいって言われて、今は実家にいるんです」
「ふーん、いつまで?」
「えーっと……とりあえず1週間お休みもらってあるので、あと2、3日はいるかと……」
「じゃあ、そこからまた元の生活に戻るんだ」
「はい」
「嘘だね」
「何で!」
誤魔化せたはず! 絶対に動揺は隠せていたはず! なのに一体全体どうしてだ。どこに引っ掛かったんだろう。
「まどかちゃん、俺を騙すなら周りの言動も気にかけないと。茉紀ちゃんは急に下向くし、あまねくんはスマホ弄り始めるし。明らかに不審でしょ? 君だけ頑張ってもダメなのよ。秘密を隠し通すなら、その設定を完璧にしてこないとね」
私と会話していたはずなのに、しっかり茉紀とあまねくんにも目がいっていて驚く。彼は、色んな意味で視野が広い。
私は、あまねくんの方に顔を向け、口パクで「助けて」と呟いた。
彼は一瞬私から目を逸らしたが、すぐにふうっと息をついて「ハイジさんは、何だと思う?」と視線をハイジさんに移動させて言った。
「んー、どうだろうな。茉紀ちゃんとあまねくんも不審だと言うことは、3人が共通している話題な訳でしょ」
名探偵ハイジの推理が始まりました。こんな状況で、彼は冷静に楽しんでいる。そもそもが、この人に隠し事なんて無理だったのかもしれない。
「休みが1週間なのに、そんなに何日も実家に戻るのもおかしいと思うんだ。だって、まどかちゃんち実家ってアパートからすぐでしょ? 長期休暇じゃないと帰れない距離じゃないのに、ここぞとばかりに帰るのはおかしいよね。
俺がまどかちゃんなら、せっかくの有給だし、あまねくんの仕事が落ち着いたところで一緒に有給を合わせてもらって旅行にでも行くよ」
彼の発言を聞いて確かに! と心の中で叫んだ。長期休暇だからこそ、わざわざ実家に帰る必要なんてないのだ。一般的に考えたら、長期休暇でしかできないことをするべきなのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる