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前進
【21】
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「あまねくんと会えなくなってから全然やる気が起きなくてさ。寝てばっかりいたら、食欲も湧かなくて、ご飯食べなかったんだぁ……」
「俺と会えなかったからなの?」
「臣くんのこともあって心配だし、不安だし、色んなこと考えて憂鬱になったけど、あまねくんともっと好きな時に会えてたら気分転換にもなったと思うんだ。そうじゃなくても会いたかったし」
「俺もまどかさんに会いたかったよ。でも、逆に家から出られないことで、俺は安心してた」
「え?」
「だって、結城さんの目につかないし。会えないのにまどかさんが仕事に行ってたらその道中が心配だし、俺の家に来るにしてもその途中で何かあったらって考えると不安だったから。でも……会えないのが辛かったのは、俺も同じだよ」
ベッドに座っているがために、高い位置から彼を見下ろす形になる。
会えない間、彼がどんなふうに思っていたか、そんなことはもはやどうでもよかった。
今目の前には彼がいて、ようやく会うことができたのだから。
「無理にでも会いに来ようかなって考えもしたけど、ちゃんと結城さんのことは解決したかったし、まどかさんとも安全に会いたかったから。寂しい思いさせてごめんね」
「ううん。私も、あまねくんに頼りっぱなしで、自分じゃ何もできなかったから。ただ待ってるだけしかできなくて……」
「まどかさん、こっちおいで。ぎゅってしてあげる」
あまねくんは、甘い声でそう言った。私もできたらそうして欲しいとずっと思っていた。玄関で抱き締めてくれた時、このまま離れたくないと強く思った。
吸い寄せられるようにして、彼の胸に飛び込む。千代さんが亡くなった時も、こうやってずっと抱き締めてくれていた。
私が弱っている時は、いつも以上に彼の優しさも増す。
背中を擦る手も、時折髪を撫でる指も全て愛しい。
「あまねくん、大好き」
「俺もまどかさん大好き」
額にキスを落とされる。それを合図にしたかのように、自然と唇も重なった。
久しぶりの感触だ。あまねくんになら、毎日だってこうやってキスして欲しい。
彼が、私だけを好きでいてくれると実感できるから。
「まどかさん、泣いてもいいよ」
「何で……」
まだ何も言っていないのに、そんな言葉が降ってくる。彼の胸に埋めていた顔を上げる。
彼と目が合うと「今日ずっと泣きそうな顔してるから」と彼は言った。
実際に泣きたいくらい辛かった。あまねくんのために、何もできないことも、被害者である私が拘束されていることも、大好きな彼に会うことさえ制限されたことも、精神病だと診断されたことも。
全部彼なら受け止めてくれる。そう思ったら、ぶわっと一気に涙が溢れた。
目が潤むとか、ぽろっと一粒の涙がなんて表現では表せない程ボロボロと、次から次へと頬を伝い、顎を伝い、滴り落ちた。
「俺と会えなかったからなの?」
「臣くんのこともあって心配だし、不安だし、色んなこと考えて憂鬱になったけど、あまねくんともっと好きな時に会えてたら気分転換にもなったと思うんだ。そうじゃなくても会いたかったし」
「俺もまどかさんに会いたかったよ。でも、逆に家から出られないことで、俺は安心してた」
「え?」
「だって、結城さんの目につかないし。会えないのにまどかさんが仕事に行ってたらその道中が心配だし、俺の家に来るにしてもその途中で何かあったらって考えると不安だったから。でも……会えないのが辛かったのは、俺も同じだよ」
ベッドに座っているがために、高い位置から彼を見下ろす形になる。
会えない間、彼がどんなふうに思っていたか、そんなことはもはやどうでもよかった。
今目の前には彼がいて、ようやく会うことができたのだから。
「無理にでも会いに来ようかなって考えもしたけど、ちゃんと結城さんのことは解決したかったし、まどかさんとも安全に会いたかったから。寂しい思いさせてごめんね」
「ううん。私も、あまねくんに頼りっぱなしで、自分じゃ何もできなかったから。ただ待ってるだけしかできなくて……」
「まどかさん、こっちおいで。ぎゅってしてあげる」
あまねくんは、甘い声でそう言った。私もできたらそうして欲しいとずっと思っていた。玄関で抱き締めてくれた時、このまま離れたくないと強く思った。
吸い寄せられるようにして、彼の胸に飛び込む。千代さんが亡くなった時も、こうやってずっと抱き締めてくれていた。
私が弱っている時は、いつも以上に彼の優しさも増す。
背中を擦る手も、時折髪を撫でる指も全て愛しい。
「あまねくん、大好き」
「俺もまどかさん大好き」
額にキスを落とされる。それを合図にしたかのように、自然と唇も重なった。
久しぶりの感触だ。あまねくんになら、毎日だってこうやってキスして欲しい。
彼が、私だけを好きでいてくれると実感できるから。
「まどかさん、泣いてもいいよ」
「何で……」
まだ何も言っていないのに、そんな言葉が降ってくる。彼の胸に埋めていた顔を上げる。
彼と目が合うと「今日ずっと泣きそうな顔してるから」と彼は言った。
実際に泣きたいくらい辛かった。あまねくんのために、何もできないことも、被害者である私が拘束されていることも、大好きな彼に会うことさえ制限されたことも、精神病だと診断されたことも。
全部彼なら受け止めてくれる。そう思ったら、ぶわっと一気に涙が溢れた。
目が潤むとか、ぽろっと一粒の涙がなんて表現では表せない程ボロボロと、次から次へと頬を伝い、顎を伝い、滴り落ちた。
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