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前進
【38】
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頬を手で覆われて、そのまままたキスをされる。今度は、もっと深く。体温の高いあまねくんの熱が暑くて、溶けそうだった。
彼の舌が動く中で、彼の手は私の体を這っていく。
「まっ、ダメ……」
唇が離れた瞬間、そう言って身を捩れば、色っぽい吐息混じりに「何で? もう1ヶ月近くもしてない」と呟く。
「皆、いるから……」
「うん。だから、声、我慢して」
彼は、いとも簡単に私を仰向けにし、その上から覆い被さる。実家に帰ったのをきっかけに、夜の営みもストップしていた。
多い時には、1日に何度も私を求めたあまねくんのことだ。相当我慢していたのだろう。そんなことも、普段は感じさせない程の紳士ぶりだものだから、時々こうして熱っぽい表情をされるとこちらまで体の底から何かが煽られるような気持ちになる。
彼が私の首筋に顔を埋めると、湿った感覚がぞくぞくと這っていく。
「んっ……、ね、あまねくん……やっぱり」
「いい加減、触りたい。俺、もうまどかさん不足」
「で、でもっ」
するっと軽やかに彼の手が服の中に侵入してくる。肌をなぞる感覚が久しぶり過ぎて、下半身がぎゅうっと締め付けられる。
下の階には、あまねくんの家族一同が揃っている。彼の父も、兄も私のために仕事と平行して別件まで調べてくれているのに。そんな彼達が一緒にいる環境で、ふしだらなことをしようとしている私達。
いけないとわかっているのに、この背徳感が妙に興奮するのは、あまねくんがそうさせるからに決まっている。
下着越しに触れるあまねくんの手がじれったくも感じ、私自身も彼を求めているのだと気づかされる。
どんなに強く抱き締めてくれても、キスをくれても、結局は離れてしまう。繋がっている時だけは、1番近くで1つになれるから。そのままずっと繋がっていたいと時々思うほどに、彼からの愛情を受け取ることができるから。
「ね、まどかさん、いい?」
「だ、め……」
ダメだといいながら、下着が湿ってきていることくらい、自分でもわかる。まだ嫁いでもないのに、彼の実家でこんなことをしようとしているなんて、私は欲にまみれた人間だと認識させられそうになる。
「まっ……」
私が抵抗できないと知ってか、彼の指は私の足の間を縫って入り込んでくる。
「まだ、何もしてないのに溢れてるよ?」
「ちがっ……」
「いけないことしてるの見られるかもって思うと興奮するの?」
意地悪な質問に、首を横に振る。決してそんなつもりじゃない。ただ、体は自分の意思とは反して熱く、疼き、彼の指が動いてくれるのを求めている。
「声、気を付けて」
そう耳ともで言われ、そのまま耳を甘噛みされる。
「あっ……」
「だーめ。静かに」
私の体を弄る指とは反対の手で、口を塞がれる。しっかりと固定されてしまい、喉の奥で少し声帯が震えて止まる。代わりに鼻から息が抜ける。
息苦しさを感じつつ、彼の指は私が求めたように動き出す。
体がしなり、久しぶりの快感に溺れそうになった。
「ふっ……っ……ん」
「声出せないまどかさんって、いやらしいね。悪いことしてるみたいで興奮する……」
彼が言葉で煽るから、私の感度も増す気がする。どんどん加速していく彼の指に、体の力が入る。足がガクガクと震えて、ひたすら快感に耐える。
静寂の中に響く水音が騒音のように聞こえて、羞恥心も増していく。
そんな中、突然ドアをノックする音が聞こえて飛び上がる。
「周? ちょっと見て欲しいものがあるから下に来れる?」
律くんの声だ。あまねくんだってそう認識した筈なのに、彼の指は動きを止めない。
「見て欲しいもの? すぐに行くよ」
あまねくんは、何事もなかったかのように少し大きな声で言う。
ドアを開けられたら終わりだ。わかっているのに、押し寄せる快感に、自分から逃れる気にはなれなかった。
必死に声を押し殺し、律くんが離れていくのを待つ。
「じゃあ、下にいるから。まどかさんも来れそう?」
不意に名前を呼ばれ、それに反応するかのように腰が浮く。
「まどかさんと一緒に行くから大丈夫。今ちょっとうとうとしてるから」
「そう。眠いなら、無理しなくていいけど」
思ったよりも会話が長引くから、気が気じゃない。それよりも、更に加速した指が私を攻め立てて、もう、無理かも。そう思った瞬間、中で小刻みに震えて、体が何度も跳ね上がった。
「今起きたところだから大丈夫。すぐ行くね」
「わかった」
律くんの気配が遠ざかる中、私はまだ余韻で小さく何度か震える。
「律の前でイクなんて、そんなによかったの?」
絶頂を迎えたことで、頭は少し冷静になり、あまねくんのその言葉に恥ずかし過ぎて泣きそうになる。
「そんな顔しないで。ごめんね、ちょっといじめ過ぎちゃった。律は、急にドアを開けるような非常識なことはしないから大丈夫」
そう言いながら、指を引き抜くと、「中途半端だと、後から疼いて切ないからいいタイミングでイケてよかったね」そう満面の笑みを浮かべた。
そんな天使のような笑顔を見せられても、私の罪悪感と羞恥心が消えることは絶対にない。
彼の舌が動く中で、彼の手は私の体を這っていく。
「まっ、ダメ……」
唇が離れた瞬間、そう言って身を捩れば、色っぽい吐息混じりに「何で? もう1ヶ月近くもしてない」と呟く。
「皆、いるから……」
「うん。だから、声、我慢して」
彼は、いとも簡単に私を仰向けにし、その上から覆い被さる。実家に帰ったのをきっかけに、夜の営みもストップしていた。
多い時には、1日に何度も私を求めたあまねくんのことだ。相当我慢していたのだろう。そんなことも、普段は感じさせない程の紳士ぶりだものだから、時々こうして熱っぽい表情をされるとこちらまで体の底から何かが煽られるような気持ちになる。
彼が私の首筋に顔を埋めると、湿った感覚がぞくぞくと這っていく。
「んっ……、ね、あまねくん……やっぱり」
「いい加減、触りたい。俺、もうまどかさん不足」
「で、でもっ」
するっと軽やかに彼の手が服の中に侵入してくる。肌をなぞる感覚が久しぶり過ぎて、下半身がぎゅうっと締め付けられる。
下の階には、あまねくんの家族一同が揃っている。彼の父も、兄も私のために仕事と平行して別件まで調べてくれているのに。そんな彼達が一緒にいる環境で、ふしだらなことをしようとしている私達。
いけないとわかっているのに、この背徳感が妙に興奮するのは、あまねくんがそうさせるからに決まっている。
下着越しに触れるあまねくんの手がじれったくも感じ、私自身も彼を求めているのだと気づかされる。
どんなに強く抱き締めてくれても、キスをくれても、結局は離れてしまう。繋がっている時だけは、1番近くで1つになれるから。そのままずっと繋がっていたいと時々思うほどに、彼からの愛情を受け取ることができるから。
「ね、まどかさん、いい?」
「だ、め……」
ダメだといいながら、下着が湿ってきていることくらい、自分でもわかる。まだ嫁いでもないのに、彼の実家でこんなことをしようとしているなんて、私は欲にまみれた人間だと認識させられそうになる。
「まっ……」
私が抵抗できないと知ってか、彼の指は私の足の間を縫って入り込んでくる。
「まだ、何もしてないのに溢れてるよ?」
「ちがっ……」
「いけないことしてるの見られるかもって思うと興奮するの?」
意地悪な質問に、首を横に振る。決してそんなつもりじゃない。ただ、体は自分の意思とは反して熱く、疼き、彼の指が動いてくれるのを求めている。
「声、気を付けて」
そう耳ともで言われ、そのまま耳を甘噛みされる。
「あっ……」
「だーめ。静かに」
私の体を弄る指とは反対の手で、口を塞がれる。しっかりと固定されてしまい、喉の奥で少し声帯が震えて止まる。代わりに鼻から息が抜ける。
息苦しさを感じつつ、彼の指は私が求めたように動き出す。
体がしなり、久しぶりの快感に溺れそうになった。
「ふっ……っ……ん」
「声出せないまどかさんって、いやらしいね。悪いことしてるみたいで興奮する……」
彼が言葉で煽るから、私の感度も増す気がする。どんどん加速していく彼の指に、体の力が入る。足がガクガクと震えて、ひたすら快感に耐える。
静寂の中に響く水音が騒音のように聞こえて、羞恥心も増していく。
そんな中、突然ドアをノックする音が聞こえて飛び上がる。
「周? ちょっと見て欲しいものがあるから下に来れる?」
律くんの声だ。あまねくんだってそう認識した筈なのに、彼の指は動きを止めない。
「見て欲しいもの? すぐに行くよ」
あまねくんは、何事もなかったかのように少し大きな声で言う。
ドアを開けられたら終わりだ。わかっているのに、押し寄せる快感に、自分から逃れる気にはなれなかった。
必死に声を押し殺し、律くんが離れていくのを待つ。
「じゃあ、下にいるから。まどかさんも来れそう?」
不意に名前を呼ばれ、それに反応するかのように腰が浮く。
「まどかさんと一緒に行くから大丈夫。今ちょっとうとうとしてるから」
「そう。眠いなら、無理しなくていいけど」
思ったよりも会話が長引くから、気が気じゃない。それよりも、更に加速した指が私を攻め立てて、もう、無理かも。そう思った瞬間、中で小刻みに震えて、体が何度も跳ね上がった。
「今起きたところだから大丈夫。すぐ行くね」
「わかった」
律くんの気配が遠ざかる中、私はまだ余韻で小さく何度か震える。
「律の前でイクなんて、そんなによかったの?」
絶頂を迎えたことで、頭は少し冷静になり、あまねくんのその言葉に恥ずかし過ぎて泣きそうになる。
「そんな顔しないで。ごめんね、ちょっといじめ過ぎちゃった。律は、急にドアを開けるような非常識なことはしないから大丈夫」
そう言いながら、指を引き抜くと、「中途半端だと、後から疼いて切ないからいいタイミングでイケてよかったね」そう満面の笑みを浮かべた。
そんな天使のような笑顔を見せられても、私の罪悪感と羞恥心が消えることは絶対にない。
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