したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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将来の夢

11

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 ゆっくりと湯船に浸かって1日の疲れを取った。自然とリラックスしている時は、子供のこともセックスレスのことも考えずに済んだ。

 水気を取った髪にドライヤーをあてながら、亜純はぼんやりと千景とのやり取りを思い出した。セミロングの黒髪がさらさらと靡く。ブオォォォっと強風を感じる耳の奥で「亜純も来ると思った」と千景の声が響く。

 私、聞いてないよ。同窓会のことなんて。依は千景と連絡を取り合っていて、真白とも同窓会の話をしたの?
 それなのに千景も真白も私にはなんの連絡もなし。依さえも私には言ってくれなかった。
 このまま知らなかったら、私は家で留守番だったの? 依はなんて言って出かけるつもりだったの?

 そんなことを1人でモヤモヤと考えた。
 乾いた髪をブラシでとかし、ヘアゴムで1つに結った。キッチンへ戻れば、既に依がキャベツを刻んでいた。

「あ、とりあえず野菜の準備はしようと思って」

 亜純の気配に気付いた依が、振り返って笑った。こうして先に準備をしておいてくれるところだって、全て亜純任せではなく〝一緒に生活している〟と感じさせてくれる。
 夫のことを「大きい長男がいる」と嘆いている先輩保育士よりもよほど恵まれているはずなのに……と亜純はまだ曇った表情をしていた。

「ありがとう。ねぇ、今日千景と電話したんだけど、同窓会の話聞いてたの?」

 モヤモヤしていても、亜純もそのままにしておく性格ではない。高校時代からの付き合いなのだ。お互いに言いたいことは言い合える仲である。

「え? あ、ああ……。ごめん、言うの忘れてた」

 ピタッと包丁を持つ手を止めて、依は苦笑した。その表情を見て、亜純はわざと言わなかったのかもしれない。と思った。
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