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今夜は同窓会

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 その後すぐに救急車と警察がやってきて、近所は騒がしくなった。真白は涙を流しながら警察と一緒に病院へ向かった。
 父親からの暴力に耐えることに比べたら、笑いが込み上げてしまいそうなのを必死に堪えて涙を流す方が簡単だった。

「お母さんが怒ってお父さんを殴ったんです。私が妊娠して、お父さんに流産させられたのを知ったから」

 真白はそう語った。小学5年生の頃から性的虐待に耐えてきたことも、今も尚続き妊娠と流産をしたことも。
 医師も警察も血相を変えた。

「父はいつも避妊をしなかったから、私の中にまだ父の精子が残ってるかもしれません」

 真白がそう言ったことから検査まで行われた。妊娠した形跡も残っていたし、流産後に適切な処理がされていなかったことから真白の胎内に絨毛が残されてしまっていた。
 感染症も危惧して真白は数日間入院することになった。また、真白の両親も同様に数週間の入院を強いられた。

 両親は性的虐待を否定したが、真白がこっそりと録音していたことから、父の行為と母が真実を知っていて黙認していたことがわかる音声も残っていた。
 さらに真白の体は全身アザだらけで、古傷もあったことから日常的に暴力を振るわれていたことも明らかだった。

 グリップに付いた母の指紋により、父を殴ったのは母で間違いないだろうとされ、また母に暴行したのも父であろうとされた。

 警察は真白の手に殴ったような傷があることも、母の傷跡が女性によるものである可能性が高いであろうことにも気付いたが、取り乱して無意識に抵抗してしまったのだろうと彼女を庇った。
 あまりにも真白の状態が酷かったからだ。

 真白にはいくつか今後の生活について提案されたが、今まで通り学校に通いたいと希望した。両親がいない自宅へと帰され、真白はようやく平穏を手に入れた。

 学校には全て話したが、真白から絶対に生徒たちには知られないよう徹底してほしいと念を押した。学校側も、評判が落ちることを懸念して黙秘を貫いた。
 近所でも大騒ぎになったことから、一部好奇の目を向けた生徒もいたが「壮絶な夫婦喧嘩だったのよ」と真白が冷たい目を向けたからそれ以上誰も首を突っ込みたがらなかった。
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