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新規のお客様
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「入っていいですか?」
凪が聞けばまた頷く。大抵こんな時は相手も緊張していて、慌てたように勢いよく喋るか、何も喋れなくなるか。中にはコミュニケーション能力に長けていて、自然に接してくる者もいる。
……こんな美女でも緊張すんのかな。男なんていくらでも寄ってくるだろうに。
凪はそう思いながら、彼女の後をついていった。ソファーに並んで座ると、凪の方から「はじめまして。今日は指名して下さってありがとうございます。快です」と自己紹介をする。
それに対してもちひろは軽く頭を下げるだけだった。
彼女もホテルに入ったばかりだったのか、部屋の中はまだ暖まりきれていなかった。エアコンの唸る音だけは響いている。
新規の客は顔も性格も相性もわからない。だから、180分とお泊まりだなんて長い時間は、よほど相性のいい相手なら楽しく過ごせるが、嫌な客にあたれば苦痛でしかない。
予約時間から利用時間開始となるため、新規客は言わば賭けのようなもの。予約時間が長い客は、少しでも施術時間を減らせるために凪の方から駅で待ち合わせすることを提案していた。駅からホテルまでゆっくり歩けば、その分時間が稼げるからだ。
しかし、ちひろは一緒に歩いているところを誰かに見られるのは困るからホテルで待ち合わせにしてほしいと凪に頼んだ。
客がそう望んでいる以上仕方がないかと凪は腹を括ってきたのだが、こんな美女と過ごせるならホテルからでもアリだな、なんてことを考えていた。
12月の夜はシンと冷え、足のつま先は痛みすら感じるほど。だからか、ちひろはまだコートを羽織って首にはマフラーを巻いたままだった。
ふくらはぎまで隠れるロング丈のコートを膝の前まで持ってきてピッタリと合わせている。更にコートの下から出たニットの袖が、指先まで覆っていた。
……萌え袖。圧倒的美人なのに、萌え袖。……可愛いかよ。
凪はキュッと口を結んだ。色んな客を見てきたが、ここまでハイレベルな女性は見たことがない。プライベートでだって当然なかった。
これから施術をするのは自分なのに、金を受け取ってこの素肌に触れてもいいのかという疑問さえ湧いてくる。
凪が聞けばまた頷く。大抵こんな時は相手も緊張していて、慌てたように勢いよく喋るか、何も喋れなくなるか。中にはコミュニケーション能力に長けていて、自然に接してくる者もいる。
……こんな美女でも緊張すんのかな。男なんていくらでも寄ってくるだろうに。
凪はそう思いながら、彼女の後をついていった。ソファーに並んで座ると、凪の方から「はじめまして。今日は指名して下さってありがとうございます。快です」と自己紹介をする。
それに対してもちひろは軽く頭を下げるだけだった。
彼女もホテルに入ったばかりだったのか、部屋の中はまだ暖まりきれていなかった。エアコンの唸る音だけは響いている。
新規の客は顔も性格も相性もわからない。だから、180分とお泊まりだなんて長い時間は、よほど相性のいい相手なら楽しく過ごせるが、嫌な客にあたれば苦痛でしかない。
予約時間から利用時間開始となるため、新規客は言わば賭けのようなもの。予約時間が長い客は、少しでも施術時間を減らせるために凪の方から駅で待ち合わせすることを提案していた。駅からホテルまでゆっくり歩けば、その分時間が稼げるからだ。
しかし、ちひろは一緒に歩いているところを誰かに見られるのは困るからホテルで待ち合わせにしてほしいと凪に頼んだ。
客がそう望んでいる以上仕方がないかと凪は腹を括ってきたのだが、こんな美女と過ごせるならホテルからでもアリだな、なんてことを考えていた。
12月の夜はシンと冷え、足のつま先は痛みすら感じるほど。だからか、ちひろはまだコートを羽織って首にはマフラーを巻いたままだった。
ふくらはぎまで隠れるロング丈のコートを膝の前まで持ってきてピッタリと合わせている。更にコートの下から出たニットの袖が、指先まで覆っていた。
……萌え袖。圧倒的美人なのに、萌え袖。……可愛いかよ。
凪はキュッと口を結んだ。色んな客を見てきたが、ここまでハイレベルな女性は見たことがない。プライベートでだって当然なかった。
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