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体だけでも
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凪はそろそろと目を逸らした。
「なんなんだよ、そんな目で見んなよ……」
痛いほどの視線をどうしても受け入れられそうになかった。目を合わせてしまったら、許可しているような気がしたのだ。
「だって、凪のためにうがいしてきたのに。さっきちゃんと歯だって磨いて清潔なのに」
「そういう問題じゃ……」
「優しくするってば。無理矢理しないからさぁ……」
わざわざ目を合わせようと、千紘は凪の向いてる方向から顔を覗かせた。千紘の行動によってしっかりと目が合ってしまった。
慌てて逸らそうにも、千紘の視線が追ってくる。
くぅーんという子犬の鳴き声が聞こえた気がした。
「……だから、なんなのお前……」
「キスしたいんだよ……。ねぇ、お願い」
懇願する千紘からは必死さも伝わってくる。キス1つをこんなにも頼まれたのは初めてだった。凪は、金さえ払えばキスなどできるセラピストだ。プライベートだって、凪がタイプの女性であれば自らキスくらいする。
だから、今まで女性にだってここまでキスがしたいとお願いされたことなどなかった。彼女の「ちゅーして」なんていう可愛いおねだりならいくらでもあったが、これはわけが違う。
男からこんなにも求められるのは、きっと一生の内でこの男だけだろうと思えた。キスの何がそんなにいいのか……。凪にはよくわからなかった。ただ、今日初めてのキスがとんでもなく上手かったことだけは覚えていた。
下手な女からキスされるよりかはまあ……上手かったけど。
そう思いながら、眉を寄せた。
「ダメだって言わないってことは、絶対にダメだってわけじゃないってこと?」
痺れを切らした千紘が、期待を含めた瞳で凪を見つめた。
「……もう、勝手にすれば」
拒否したところで、ねぇねぇと何度もしつこくキスの許可を迫られることは目に見えている。凪は、それはそれでもう面倒に感じた。
「なんなんだよ、そんな目で見んなよ……」
痛いほどの視線をどうしても受け入れられそうになかった。目を合わせてしまったら、許可しているような気がしたのだ。
「だって、凪のためにうがいしてきたのに。さっきちゃんと歯だって磨いて清潔なのに」
「そういう問題じゃ……」
「優しくするってば。無理矢理しないからさぁ……」
わざわざ目を合わせようと、千紘は凪の向いてる方向から顔を覗かせた。千紘の行動によってしっかりと目が合ってしまった。
慌てて逸らそうにも、千紘の視線が追ってくる。
くぅーんという子犬の鳴き声が聞こえた気がした。
「……だから、なんなのお前……」
「キスしたいんだよ……。ねぇ、お願い」
懇願する千紘からは必死さも伝わってくる。キス1つをこんなにも頼まれたのは初めてだった。凪は、金さえ払えばキスなどできるセラピストだ。プライベートだって、凪がタイプの女性であれば自らキスくらいする。
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そう思いながら、眉を寄せた。
「ダメだって言わないってことは、絶対にダメだってわけじゃないってこと?」
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