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諦めること
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「むしろ凪の言う付き合うってなに?」
凪は質問に質問で返されたことに面食らった。ただ、そう言われて初めて付き合うということの意味を考えた。
「よくわかんね。……彼女がいたこともあるけど、デートしてキスしてセックスして。他のヤツは間に入れたらダメで、優先しなきゃいけない。してることはセフレと変わんないのに」
「ふむ。なるほど。でもセフレと違うのは、そこに好きって感情があるかないかかな」
「でも付き合ってるヤツら皆が皆、お互いに同じ熱量で好きなわけじゃない」
「そうだね。一方通行だけどとりあえず付き合ってみるってパターンもあるわけで」
「……俺それだったかも」
凪は、過去に付き合った女性のことを思い出した。人としては好きだったし、触れ合うのもデートも嫌じゃなかったから相手からの告白を受け入れた。
けれど、いざ付き合ったら過度な束縛や嫉妬で癇癪を起こすことも、行動を制限されることも耐えられなくなってすぐに別れた。
あれが付き合うことだというのなら、凪は一生誰とも付き合わなくてもいいと思った。
「かもね。何で凪はその人のことは受け入れたの? 好きじゃなかったのに」
「人としては好きだったから」
「じゃあ、なんで別れたの?」
「束縛されるの無理。してないことで疑いかけられるのも無理。監視されるのも、自由じゃないのも全部無理」
「樹月みたいな」
「ああ……それだ」
「うん。俺も無理だったよ。でも、それが付き合うこととイコールとは違うよ」
千紘は、凪の言葉におかしそうに笑う。まるで小中学生に説明しているような気分になった。
「んー……でもお互いがお互いのモノってことだろ?」
「そうだね。でも、お互いに所有物じゃないし、意見は尊重し合うべきだと思う。お互いがお互いのモノになるのは、お互いがそうしたいからであって強制じゃない」
「もう意味わかんねぇわ」
凪は、んーっと明後日の方向を見ながら千紘の1つ1つの言葉を理解しようと頭を働かせた。けれど、わかるようでわからなかった。
「俺なら凪と付き合うなら、縛り付けたりもしないし変に詮索もしない。凪が会いたい時にだけ会うし、嫌なことはしない」
「今と変わんねぇじゃん……」
「でも付き合うなら、俺が会いたい時も会いたいって言うし、その時が無理なら強制はしない」
「ふーん?」
「でも、キスもセックスもするのは俺だけってこと」
「女はダメってこと」
「当然。てか、女の子じゃイケないんだからする必要なんかないよね」
千紘にニッコリ笑って言われたら、凪はぐっと口を結んで押し黙るしかなかった。
凪は質問に質問で返されたことに面食らった。ただ、そう言われて初めて付き合うということの意味を考えた。
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「そうだね。一方通行だけどとりあえず付き合ってみるってパターンもあるわけで」
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