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図られた食事会
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快晴の中、自然を感じるそよ風に吹かれながら瑠衣は顔を引きつらせていた。柏木家で相談してから2週間後となる本日は、成美に誘われてバーベキューに参加した。
昔からよくホームパーティーなどを開いていたが、今回は仲のいい人ばかりを集めてバーベキューをやることにしたと成美が言った。
人見知りする瑠衣は、あまり大勢の集まりは好きではない。けれど、今回はなるべく少人数でやる予定だと言われたものだから、瑠衣も警戒しながら参加したのだった。
その背景には、「そこで新たな出会いもあるかもしれないじゃない」と成美に言われた経緯がある。
今から新たに出会いを探すといっても、マッチングアプリか結婚相談所か紹介のどれかになる。
つばさと付き合っていたことを知る院内の人間が、瑠衣を口説くとは思えないし、仮にそんな人間がいたとしてももう職場恋愛は懲り懲りだと感じていた。
マッチングアプリもいきなり知らない人と2人きりで会うのは嫌だし、結婚相談所も結局は婚活パーティーなどに参加しなければいけないので、大人数は避けられない。
あれも嫌、これも嫌と言っていてはいつまで経っても出会いはない。もう結婚はいいかも……と一度は考えた瑠衣でも、そりゃいい人がいれば希望は持ちたいと思っていたのだ。
たしかに参加人数は最小限だった。柏木夫妻と成美の友人と瑞希の友人が1人ずつ……のはずが、どうやらもう1人瑞希の知り合いとして参加しているようだった。
瑠衣は、その人物の顔を見て悲鳴を上げそうになった。あの日、成美に相談したレストランのシェフ、日下珀がそこにいたからだ。
どうしてこんなところにいるのかと額に汗が滲んだ。
「成美さん……あの、あの人……」
瑠衣がこそっと成美の耳元で話しかける。
「あの人? ああ、昔瑞希が顧問をしてたお店のオーナーさんなんだって」
「え……? なななな成美さん! あの人なんですよ! この前言った患者さん!」
瑠衣は、成美の腕を掴んでグイグイ引っ張りながら言った。成美は当然知っているわけだが、得意の演技力で「あら、そうだったの? シェフだって聞いてたけど、まさかオーナーさんだったとは思わなかったわ」と驚いたふりをしてみせた。
昔からよくホームパーティーなどを開いていたが、今回は仲のいい人ばかりを集めてバーベキューをやることにしたと成美が言った。
人見知りする瑠衣は、あまり大勢の集まりは好きではない。けれど、今回はなるべく少人数でやる予定だと言われたものだから、瑠衣も警戒しながら参加したのだった。
その背景には、「そこで新たな出会いもあるかもしれないじゃない」と成美に言われた経緯がある。
今から新たに出会いを探すといっても、マッチングアプリか結婚相談所か紹介のどれかになる。
つばさと付き合っていたことを知る院内の人間が、瑠衣を口説くとは思えないし、仮にそんな人間がいたとしてももう職場恋愛は懲り懲りだと感じていた。
マッチングアプリもいきなり知らない人と2人きりで会うのは嫌だし、結婚相談所も結局は婚活パーティーなどに参加しなければいけないので、大人数は避けられない。
あれも嫌、これも嫌と言っていてはいつまで経っても出会いはない。もう結婚はいいかも……と一度は考えた瑠衣でも、そりゃいい人がいれば希望は持ちたいと思っていたのだ。
たしかに参加人数は最小限だった。柏木夫妻と成美の友人と瑞希の友人が1人ずつ……のはずが、どうやらもう1人瑞希の知り合いとして参加しているようだった。
瑠衣は、その人物の顔を見て悲鳴を上げそうになった。あの日、成美に相談したレストランのシェフ、日下珀がそこにいたからだ。
どうしてこんなところにいるのかと額に汗が滲んだ。
「成美さん……あの、あの人……」
瑠衣がこそっと成美の耳元で話しかける。
「あの人? ああ、昔瑞希が顧問をしてたお店のオーナーさんなんだって」
「え……? なななな成美さん! あの人なんですよ! この前言った患者さん!」
瑠衣は、成美の腕を掴んでグイグイ引っ張りながら言った。成美は当然知っているわけだが、得意の演技力で「あら、そうだったの? シェフだって聞いてたけど、まさかオーナーさんだったとは思わなかったわ」と驚いたふりをしてみせた。
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