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図られた食事会
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「悪い気は……しないかもですね」
そう言った瑠衣の頭の中には、先程エビの殻まで剥いてくれた珀の姿があった。
あの時も、別に悪い気はしなかった。
苦手な人からの一方的な愛情は重い、気持ち悪い。なんて一瞬頭を過ったが、ハッキリとそういった嫌悪を感じたかと聞かれればそういうわけでもなかった。
それに、一方通行の愛情が気持ち悪いと思われてしまう側の経験はあるのだ。高校時代の片想いを思い出せば未だに胸が苦しくなる。
あんな酷いこと、私は絶対にしない。そんなふうにあの時には思ったのに、珀に同じようなことをしようとしていたのかもしれないと考えたら、自分に対して嫌な気持ちになった。
自分がされて嫌なことはしないって決めてたのになぁ……。私のこと、何も知らないくせに外見だけで決めつけて否定しないでよって何度も泣いたのに。
私は、日下さんの容姿が苦手だからって、話も聞かずに突っぱねちゃった……。
成美さんが話してみないとわからないって言ってくれたのに、二度と会うことなんかないから大丈夫だって言っちゃったし。
ちゃんと会話したら、過去に会ったことある人だって知れたし、あのまま会わなかったら知ることはなかった。
そう考えると、今日再会してよかったのかなぁ……。
瑠衣はそんなふうに考えながら、焼けた野菜を配る珀に目を向けた。その視線を追った成美は、もう少し2人だけの時間が必要かと思った。
そんな成美に気付いたかのように、瑞希が成美と瑠衣の近くに寄ってきて「お腹がいっぱいになったらゲームをしよう」と白い歯を見せて言った。
「ゲーム?」
瑞希から何も聞かされていない成美は、目を丸くさせて尋ねた。
瑞希は大きく頷くと「2人組になって、ゴールを目指すんだ。大人になってから子供みたいにはしゃぐことなんかないでしょ?」と何かを企んでいるようだった。
そう言った瑠衣の頭の中には、先程エビの殻まで剥いてくれた珀の姿があった。
あの時も、別に悪い気はしなかった。
苦手な人からの一方的な愛情は重い、気持ち悪い。なんて一瞬頭を過ったが、ハッキリとそういった嫌悪を感じたかと聞かれればそういうわけでもなかった。
それに、一方通行の愛情が気持ち悪いと思われてしまう側の経験はあるのだ。高校時代の片想いを思い出せば未だに胸が苦しくなる。
あんな酷いこと、私は絶対にしない。そんなふうにあの時には思ったのに、珀に同じようなことをしようとしていたのかもしれないと考えたら、自分に対して嫌な気持ちになった。
自分がされて嫌なことはしないって決めてたのになぁ……。私のこと、何も知らないくせに外見だけで決めつけて否定しないでよって何度も泣いたのに。
私は、日下さんの容姿が苦手だからって、話も聞かずに突っぱねちゃった……。
成美さんが話してみないとわからないって言ってくれたのに、二度と会うことなんかないから大丈夫だって言っちゃったし。
ちゃんと会話したら、過去に会ったことある人だって知れたし、あのまま会わなかったら知ることはなかった。
そう考えると、今日再会してよかったのかなぁ……。
瑠衣はそんなふうに考えながら、焼けた野菜を配る珀に目を向けた。その視線を追った成美は、もう少し2人だけの時間が必要かと思った。
そんな成美に気付いたかのように、瑞希が成美と瑠衣の近くに寄ってきて「お腹がいっぱいになったらゲームをしよう」と白い歯を見せて言った。
「ゲーム?」
瑞希から何も聞かされていない成美は、目を丸くさせて尋ねた。
瑞希は大きく頷くと「2人組になって、ゴールを目指すんだ。大人になってから子供みたいにはしゃぐことなんかないでしょ?」と何かを企んでいるようだった。
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