造形美女の険しい恋愛模様

雪村こはる

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図られた食事会

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「意外ですか?」

「はい。なんか、勝手に体力なさそうだと思ってました」

 瑠衣がさらりと言うと、珀はまた素直な瑠衣におかしそうに笑う。肩を揺らしながら「これでも一応ジムには通ってるんですよ」と言った。

「え!? そうなんですか? お店忙しいのにジムにまで……」

「堀江さんも運動してそうですけど」

「あ、はい。私もジムに行きます。夜勤明けの夜とか休みの日とか早番の後なので、週2、3が限度ですけどね」

「十分ですよ。俺も行けない時ありますし」

 そう言われてみれば、ケロリとした表情で山道を登っていくし、肩幅はしっかりしているように見える。

 見た目から、どうせチャラチャラしたオーナーとは名ばかりの男だと思い込んでいたが、実際にジムに通うことの大変さをわかっている瑠衣は、なんだか感心してしまった。
 それに、以前は太っていたところから痩せて今までそれをキープしているのだ。
 継続力も責任感もある人なのだろうと思えた。

 想像って怖い……。人が全然違って見えるんだもん。つばさがいい人に見えたのも、きっと私の想像の中で美化されて、フィルターがかかっていたのね。
 こうやってちゃんと話してみたら、付き合う前に見抜けたのかもしれなかったのに……。

 瑠衣はそう思いながら、成美のところに相談に行ってよかったと感じた。もしもあの時行かなければ、キャンプに誘われることはなかっただろうし、苦手意識に囚われていた珀と話すことは二度となかった。
 そしたら、自分の先入観に気付けなかったかもしれない。

 この出会いが少しずつ自分を成長させてくれている気がした。

「日下さんはあのお店の近くのジムに行くんですか?」

「そうですね。あまり時間もないので。でも24時間営業してるので、夜中誰もいない時に行くのも快適です」

「あー、わかります。中々人がいる時って使いたい機械が使えなかったり、使い方がわからなくてアタフタしてるのを見られるのが嫌だったりすんですよねぇ」

「堀江さんも夜中に?」

「私は夜型人間なので、早起きよりも夜起きてる方が性に合ってるんですけど、さすがに夜中のジムは人気がなさすぎて怖くていけないですね」

 瑠衣が苦笑する。中には話しかけてくる男性もいたりして、瑠衣が不快に思うこともあった。それが大勢いる中ならまだやんわり断って帰れるが、夜中に知らない男と2人きりになったりしたら人見知りでなくても恐怖するのは当然だ。
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