128 / 246
約束の日
35
しおりを挟む
珀はふっと息を止めた。自分の腕に瑠衣の手の感触がある。素肌ではないにしろ、重力は感じるのだ。
まさか瑠衣が腕を組んでくれるとは思わなかった。嫌われたらどうしようかと思っていたのに、自然と2人寄り添う形になりウォーターバルーンの中にいた時と同じくらいの距離感にいる。
「あのっ……お腹空きませんか? 座って食べられる方が足の感覚も戻りやすいかも」
珀は瑠衣にそう尋ねた。せっかく瑠衣が腕を組んでくれているのだから、できたらこのままずっと園内を歩きたかった。
けれど、珀の心臓の方がもたなそうだったのだ。
脈がドクドクと激しくなっているのが瑠衣に伝わってしまいそうだった。それに、ちょっと期待してしまう。
嫌われても諦めるつもりはなかったが、勝手に期待して突っ走ったら失敗してしまうかもしれない。
珀のことをよく知らないから苦手だというなら、知ってもらって今回のように克服してくれることもあるだろう。
しかし、よく知った上で嫌いと断定されたら、そこから好きになることは限りなく不可能に近い。
珀は、絶対にそれだけは避けなければと思った。
だから、適度な距離感が必要なのだ。瑠衣から腕を組んでくれたからといって、それを好意と捉えてはならない。
あくまでも瑠衣が不快にならないよう配慮しなければと思った。
「お腹空きました。レストランありましたよね? 食べ歩きでもいいですけど」
「俺も食べ歩き好きですけど、それだと足を休められないから。ちゃんと座れるところにしましょうか」
珀がそういうと、瑠衣は微笑んで頷いた。珀の優しさをずっと側に感じていた。気遣いも嬉しかった。大切にしてもらっている気がした。
腕を組んだのも、この人ならいいと思えたからだ。本当はもう少しこのままでもよかったのにな……。瑠衣はそう思ったが、レストランに行くことにした。
まさか瑠衣が腕を組んでくれるとは思わなかった。嫌われたらどうしようかと思っていたのに、自然と2人寄り添う形になりウォーターバルーンの中にいた時と同じくらいの距離感にいる。
「あのっ……お腹空きませんか? 座って食べられる方が足の感覚も戻りやすいかも」
珀は瑠衣にそう尋ねた。せっかく瑠衣が腕を組んでくれているのだから、できたらこのままずっと園内を歩きたかった。
けれど、珀の心臓の方がもたなそうだったのだ。
脈がドクドクと激しくなっているのが瑠衣に伝わってしまいそうだった。それに、ちょっと期待してしまう。
嫌われても諦めるつもりはなかったが、勝手に期待して突っ走ったら失敗してしまうかもしれない。
珀のことをよく知らないから苦手だというなら、知ってもらって今回のように克服してくれることもあるだろう。
しかし、よく知った上で嫌いと断定されたら、そこから好きになることは限りなく不可能に近い。
珀は、絶対にそれだけは避けなければと思った。
だから、適度な距離感が必要なのだ。瑠衣から腕を組んでくれたからといって、それを好意と捉えてはならない。
あくまでも瑠衣が不快にならないよう配慮しなければと思った。
「お腹空きました。レストランありましたよね? 食べ歩きでもいいですけど」
「俺も食べ歩き好きですけど、それだと足を休められないから。ちゃんと座れるところにしましょうか」
珀がそういうと、瑠衣は微笑んで頷いた。珀の優しさをずっと側に感じていた。気遣いも嬉しかった。大切にしてもらっている気がした。
腕を組んだのも、この人ならいいと思えたからだ。本当はもう少しこのままでもよかったのにな……。瑠衣はそう思ったが、レストランに行くことにした。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる