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年下っていいもんだ
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「なんか、井上さんと日下くんってタイプが似てますよね?」
「んー……彼が僕に似てきたのかもしれませんね」
玲音は言いながら、椿の隣で歩き始めた。椿もそれに倣うようにして足を進める。どうやらカフェに向かっているようだった。
「え? それってどういう……」
「僕たち、出会ったのは2年前なんですけど」
「日下くんのお父さんがお亡くなりになってすぐだって言ってましたもんね」
「そうです。でもその頃の日下くんって、今みたいに凄く明るいタイプじゃなかったんです」
「ああ、はい。前に瑠衣ちゃんと話してる時にちょっと聞こえちゃったんだけど、体型も違ったって……」
椿は、あのバーベキューの時のことを思い出した。盗み聞きをするつもりはなかったが、瑠衣と珀の距離を近付けるためだと目的が決まっていたから、会話の内容も気になっていた。
2人が知り合いだということは聞いていたが、そのもっと前に出会っていたのは初耳だったから驚いたことを覚えている。
椿も容姿を気にするタイプではないが、今の珀の姿を見ていれば自信がつくのもわかる気がした。
「そうです、そうです。あんまり人と関わるのが好きなタイプじゃなかったんですけど、僕がグイグイ外に連れ出したんでちょっとずつ慣れてくれたというか」
「それじゃあ、井上さんもビックリしたんじゃないですか? 日下くんの変化に」
「うーん、歳が近いし最初から話も合ったから、そんなにですかね。急にある日突然変わったわけじゃないし」
玲音はそう言って笑う。椿もそりゃ、ある日突然すっかり人が変わってしまうことなんてあまりないかと頬を緩めた。
「僕はわりと素直だって昔から言われるんです。そのせいで上手くいかないこともあるけど、思ってることはその時言っといたほうがいいと思って」
「後悔するから?」
「そう、人って急にいなくなったりするでしょ? だから、また今度言えばいいやってことは、なるべくその時に言っておいた方がいい」
優しいけれど、どこか寂しそうな表情の玲音。椿は、それをちらりと見て、きっと玲音にも大切な人を亡くした過去があるのではないかと感じた。
それが、玲音と珀を繋ぐ絆のように思えた。
「んー……彼が僕に似てきたのかもしれませんね」
玲音は言いながら、椿の隣で歩き始めた。椿もそれに倣うようにして足を進める。どうやらカフェに向かっているようだった。
「え? それってどういう……」
「僕たち、出会ったのは2年前なんですけど」
「日下くんのお父さんがお亡くなりになってすぐだって言ってましたもんね」
「そうです。でもその頃の日下くんって、今みたいに凄く明るいタイプじゃなかったんです」
「ああ、はい。前に瑠衣ちゃんと話してる時にちょっと聞こえちゃったんだけど、体型も違ったって……」
椿は、あのバーベキューの時のことを思い出した。盗み聞きをするつもりはなかったが、瑠衣と珀の距離を近付けるためだと目的が決まっていたから、会話の内容も気になっていた。
2人が知り合いだということは聞いていたが、そのもっと前に出会っていたのは初耳だったから驚いたことを覚えている。
椿も容姿を気にするタイプではないが、今の珀の姿を見ていれば自信がつくのもわかる気がした。
「そうです、そうです。あんまり人と関わるのが好きなタイプじゃなかったんですけど、僕がグイグイ外に連れ出したんでちょっとずつ慣れてくれたというか」
「それじゃあ、井上さんもビックリしたんじゃないですか? 日下くんの変化に」
「うーん、歳が近いし最初から話も合ったから、そんなにですかね。急にある日突然変わったわけじゃないし」
玲音はそう言って笑う。椿もそりゃ、ある日突然すっかり人が変わってしまうことなんてあまりないかと頬を緩めた。
「僕はわりと素直だって昔から言われるんです。そのせいで上手くいかないこともあるけど、思ってることはその時言っといたほうがいいと思って」
「後悔するから?」
「そう、人って急にいなくなったりするでしょ? だから、また今度言えばいいやってことは、なるべくその時に言っておいた方がいい」
優しいけれど、どこか寂しそうな表情の玲音。椿は、それをちらりと見て、きっと玲音にも大切な人を亡くした過去があるのではないかと感じた。
それが、玲音と珀を繋ぐ絆のように思えた。
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