造形美女の険しい恋愛模様

雪村こはる

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年下っていいもんだ

20

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 瑠衣の胸がキュンと小さく音を立てた。もう少し一緒にいたかったとわがままを言ったのは瑠衣の方なのに、仕事中もずっと瑠衣のことを考えていたかのような発言にときめかないはずがなかった。

「わ、私も……会えるの楽しみだった」

 言いながらゆっくり後ろを振り向くと、パチリと目が合う。長いまつ毛が上下に揺れて、珀の瞳に瑠衣の顔が映った。
 店内のオレンジの照明が、2人を包む。流れていた音楽もいつの間にか止まっていて、2人の息をのむ音だけが響いた。

 それから、どちらからともなく唇を重ねた。車内での続きをするかのように。ゆっくり、何度もキスをする。
 あんなに会いたくて、あんなに早く触れたいと思ったのに、今はゆったりと流れるこの時間が心地よかった。

 珀が、瑠衣の頬を両手ではさみこむようにして包み、鼻先同士をくっつける。温かい空気が流れて、お互いにふふっと軽く笑う。
 ほんの少しの照れ隠しだった。

 最後にもう一度だけ珀からキスをする。

「そろそろ作らないとお腹空かせてるよね」

 そう言いながら、珀は瑠衣の背中を軽く撫でた。

「今日、お昼ご飯いっぱい食べたから、ちょうど少し空いてきたくらい」

「はは。俺も。あの店、美味しくてつい食べ過ぎちゃった」

「ね。あんなちゃんとした和食なんて久しぶりに食べたよ」

「今度また行こう」

 珀は瑠衣の指先を軽く握ると、そっと離れた。

「今からそれに負けないくらい美味しいもの作るから」

 料理人として刺激されたのか、珀は一層やる気に満ちていた。今はとにかく瑠衣の喜ぶ顔がたくさん見たかった。
 なんたって、今日は瑠衣が自ら会いたいと言って来てくれた日だから。

 また一緒に星を眺めて、今度はもう少し長くいられるかな……と少し期待した。
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