造形美女の険しい恋愛模様

雪村こはる

文字の大きさ
189 / 246
年下っていいもんだ

22

しおりを挟む
 瑠衣は大きく瞼を持ち上げた。

「と、泊まるってこと……?」

「うん。嫌?」

「ううん……あ、でもメイク落としとか持ってない……」

「じゃあ、後でドラッグストア行く?」

 泊まる方向で話が進む。今日は食事だけして帰るつもりだった。まさか泊まるなんて……と思いながらも、瑠衣は静かに頷く。

 い、一応……下着は新しいやつにしてきたし……別に泊まるのは大丈夫……多分。

 瑠衣は、そっと心の中で呟いて少しドキドキしながら珀の反応を待った。

「じゃあ、そんなに遠くないから歩いて行こ」

 珀は嬉しそうだ。こちらも緊張はしているものの、朝まで瑠衣と一緒にいられることの方が嬉しかった。

 歯磨きセットも欲しいし、トラベルセットのようなスキンケア用品もあった方がいいな……と瑠衣は考える。
 一緒に歩いて買い物へ行くなんて、同棲しているみたいでなんとなく背筋がピンとする。

 まだ一緒にいたかった。そう一言言っただけで、こんな展開になるなら、やっぱり素直に気持ちを伝えてみるものだと瑠衣は今の時間を満喫した。

 食事を済ませてから休む間もなく、手を繋いでゆっくりと会話の続きをしながら歩く。夜風は少し冷たい。
 瑠衣は、珀に借りた上着を羽織って、ゆったりと歩みを進めた。

 なんとなく冬の匂いがした。きっとすぐにうんと寒くなって、とても散歩がてら歩いて出かけようなんて気にはならなくなるだろう。
 だけど、四季を珀と一緒に感じられるのはとても嬉しいことだった。

 一緒に寒いと寄り添うこともできるし、来年には暑いと言いながら汗を拭いて日陰を探すことも想像できる。
 今日は初めて珀の部屋に泊まるのだから、キャンプとはまた違った雰囲気になるだろう。

 そして、珀の前の彼女は海外でできた彼女だったと言っていたから、おそらく珀の部屋に泊まる女性は自分が初めてなのだ。
 そう考えると、瑠衣は余計に嬉しかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

ヘンタイ好きシリーズ・女子高校生ミコ

hosimure
恋愛
わたしには友達にも親にも言えない秘密があります…。 それは彼氏のこと。 3年前から付き合っている彼氏は実は、ヘンタイなんです!

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...