天性の天才と天性の努力家

瑳来

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2話

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「ーーおーい。アラン。今から講堂っすよ!」

 俺が外を眺めながらぼーっとしているとオレンジ髪の茶色い瞳の男が教室の中を覗きながら言ってきた。
 彼の名前はレオン・フォーレ。
 剣士であり、去年のS1の男だ。俺の幼なじみでもある。

「ねぇ、二人共早く行こうよーっ」
 レオンに続き、青髪ボブで水色の瞳の女も顔を覗かせた。
 彼女の名前はソフィア・クロウド。
 弓士であり、去年のS1の女だ。彼女はこの学園に入ってからの友達である。
 類は友を呼ぶという言葉がある通り、俺の周りはなぜか各役職の三本指に入るような奴しか寄ってこない。これもまた才能のひとつなのかな?
 

「あぁ。わかった。今行く」
 俺は立ち上がり、パイプ椅子をしっかり机の下に収めると彼らの方へと向かい、一緒に講堂へと歩き出した。
 講堂でやる時は毎回事前に言われるのだが、それも無いため、俺達の会話を聞いて教室にいた人達も移動を始めていた。





「ところで、なんで講堂なんだ?」

 歩きながら二人に聞くとソフィアとレオンはお互い顔を見合わせ小首を傾げた。
 こいつらも知らないのか。

「私は先生から講堂に来てとだけ言われたの」
「俺は教室に居たらソフィアから呼ばれたっす」
「ふーん」
 講堂に集まるのは各役職全てに共通する知らせがある時だけだ。
 となると、能力試験に関することくらいしか思い浮かばないが、トーナメントももう出てるし、試験までもう五日しかない。今更変更というのもおかしい。

 俺とこの二人や周りの人達は隠しきれない緊張感を抱えながら講堂へと向かった。





 講堂に着くと、もうかなりの人数の生徒達は来ていて、役職ごと三列に並んでいる。
 これも、去年の能力試験の成績順のため、俺達三人は遅く来たが三列に並んでいる一番先頭に立つ。

「ソフィアさんとアランさんとレオンさんだ」
「すげぇ……オーラある」
「さすがS1だね」

 俺達が生徒達の横を通ると俺達を尊敬するような声が聞こえ、とても気分がいい。
 だけど、ソフィア達はこういうの苦手らしい。堂々としてるように見えて内心ビクビクしてるのだろう。

 俺達が姿勢を正すとステージの上にいる眼鏡をかけ白い顎髭を立派に蓄えた校長が全体を見渡した。

「本日は講堂に集まってくれてありがとう。それでは、転校生を紹介する」

 転校生? この時期に?
 確かに転校生が入ったら全役職講堂に集まるという暗黙の了解があるのだが、いつもなら事前の知らせがあるし流石に時期が悪すぎる。
 みんな誰が出てくるのか期待と不安の目で見ている。かく言うこの俺もだ。 
 もう、能力(アビリティ)試験(テスト)は今週だ。
 この学園に入った以上どんな状態でもランク分けされるため強制的に出されるだろう。
 剣士なら、形だけならなんとかならなくもない気はするが、他は形だけでも1ヶ月はかかるしな。
 俺が悶々とした気持ちでステージを見ているが、なかなか出てこない。

 なにやってんだ……?

 と思ってたら、ステージの端からダラけた足取りで銀髪の赤目の長身男が面倒くさそうに首をかきながら出てきた。

ステージの真ん中まで行くとそいつは気をつけをしたが、どこかやる気は無さそうだ。

「どーもー。俺はリアム・ルーセルでーす。今日からこの学園の四年部に入りまーす」

 なんだ……あいつ……?
 俺は隣にいるレオンに話しかけようと横をむくとレオンはギョッとした面持ちで俺を見た。

「ん? どうした?」
「え、あ、なんでもないっす!」
 手をワタつかせながらなんでもない事を訴えてるが絶対何か隠してるだろ。
 ま、別にいいや。
 俺はもう一度前を向くと、銀髪の男と目が合った。
 銀髪の男は俺と目が合うなり口端を釣り上げ不敵な笑みを浮かべてステージから飛び降り、俺の前に立つ。

「ちなみにー、俺は術士希望なんで、そこんとこ宜しくな」
 
 なんでわざわざ俺に言うんだ?
 俺は戸惑いながらも「よ、よろしく」とだけ言っといた。

「それと、アラン。後で学園の案内頼むわ」
 銀髪の男は両手を合わせ拝むように頼んでくる。
 なんで俺の名前知ってんの? こいつ? あ、有名だからか。

 てか、なんで俺なんだよ!?

 俺は感情的になるのを必死に抑え、重たい首をなんとか頷かせた。
 教師の前だから下手に断れねぇんだよ! こちとら、評判がかかってんだよ!!
 銀髪の男は満足そうな笑顔をうかべ、術士の一番後ろに並んだ。

 まじ、なんなんだよあいつは。
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