鮮明な月

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間章 ソノサキの合間の話

(たまにはこんなおまけ。)

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そこはとある鬱蒼とした大きな森の中。その森には

「…………何でこんな格好だ…………。」

見事な肉体美を黒のラバーボンデージで包んだ狼さんが、この森の奥で独り暮らしていました。

「ちょっと待て、勝手に狼扱いするな。しかも何でいきなりボンデージだ。」

いや、結構ネタ的にもこの方が格好良いかなと思いまして、その当時は本編でも着てた設定ですから。さてさて、この狼さんは年頃は二十歳後半といったところ、いやいや獣の年齢なんて詳かいことを追求してはいけません。勿論本編では目が見えないだろなんて正論を追求することをいってもいけません、何しろこれは作者の妄想の産物。普段の本編なんか気にしてません。
それに若い頃の狼さんですからね、あー直に見てみたいですよね、ボンデージイケメン。
そんなことはさておき、そんな狼さんが何気なく森を散策していると

「いや、おい、こら。勝手に話を進めるなって、しかも何で二十歳後半…………?」

森の片隅のお花畑に辿り着いた狼さんの目の前に、赤いフードを被った可愛らしい……

「ベタな展開をするな、おい。」

可愛らしい赤ずきん(言うまでもないですが、了君ですよ?外崎さん、小学生頃合いの!)を発見。おっと、狼さんたら一気に目付きが獣ですよね。ではでは、ここからは物語展開の語り部口調に切り替えたいと思います。

鬱蒼とした森の片隅に僅かに広がる花畑。
木々の合間から射し込む陽射しに、そこだけに鮮やかな草花が集まっていて森の傍の村からワザワザ花を摘みにやって来る者も度々。この森の中には怖い狼がいるとは以前から村人達の話で聞いていたけれど、赤ずきんは意地悪なお母さんにお花を摘んでくるよう命じられてここまでやってきた訳で。そうしてやっと花畑に辿り着いた赤ずきんは、ここまでの遠い道のりに疲れきってしまって、ついお花畑でウトウトと眠り込んでしまっていたのだった。そこにまんまと現れたのは件のこわーい(?)狼さん。

「マジでか…………。」

ソロリと無意識なのだが足音もなく近づき、眠り込んでいた赤ずきんの顔を覗き込んだ狼はキラリと目を光らせて小柄な赤ずきんの事を軽々と抱き上げていた。抱き上げ膝におさめた赤ずきんのフードをソッと外すと、そこには栗色の髪をした可愛らしい少年がスヤスヤと眠っている。黒曜石のような狼の鋭く光る瞳に入るのは、象牙色の滑らかな肌に、長い睫毛、柔らかな栗色の髪。

「んん…………いや、それは……反則だろ。」

狼は腕の中の赤ずきんの顔を眺め独り悶絶している。まぁ何が反則かはさておき、無防備に眠っている赤ずきんは狼には大層なご馳走なわけで。有無を言わさず……というよりも当然のごとく、スヤスヤと眠る赤ずきんのサクランボのような唇を獣は迷わず奪いとっていた。執拗に長い舌で唇をなぞりあげる刺激で微かに開いた赤ずきんの唇の中に、狼はその微細に蠢く長い舌を捩じ込む。柔らかな口腔を蹂躙する卑猥な舌に、眠っている赤ずきんは微かに吐息を上げて眉をしかめていた。

「ん……………んん………ふ……ぅ。」

チュチュと湿った音を立てて舌を絡められ、思わず甘い吐息を溢しながら目を覚ました赤ずきんは、ボンヤリとした視線で目の前の狼の顔を見上げている。

「ふぁ…………こ、ぉた…………ぁ?」

ボンヤリとしたままに狼を見上げていた赤ずきんは目の前のイケメン狼にニヤリと意味ありげに笑いかけられて、自分が狼の腕に囚われていて逃げられないよう抱き上げられているのにやっと気がついた。

「え?なに?これ?」
「可愛いな、…………小学生くらいか?了。」
「いや、なに?宏太、何で?ええ?何で宏太、若いの?って、俺なに?子供になってる?!」
「体は子供なのに、中身は変わんないのか。」

(一応設定は赤ずきんと狼ですからね。あ、でも年齢差は従来と変わらないですよ?素直に体設定はマイナス二十歳だと思っていただくと簡単ですね。ということは了君は七歳くらいで、宏太さんは二十七歳くらい……犯罪ですね?淫行ですよね?でも中身は変わらないからぁ)

「…………ご都合主義だな。まぁいい。」
「いや、ちょっまって!なにそれ?!何がまぁいいなの?!」
「どれ。」

膝に抱えられた赤ずきんが作者のご都合主義の設定に戸惑うのを無視して、狼はナイフのような鋭い爪でプチプチと赤ずきんの服のボタンを意図も容易く弾き飛ばしていた。ボタンが弾けとんでハラリと赤ずきんのベストに続いてシャツの前がはだけられ、下に隠していた幼い象牙色の肌が晒されていく。

「や!ちょっと!!」

赤い頭巾はそのままにスルリとシャツをはだけられ、赤ずきんが慌てて前を隠そうともがく。それを容易くいなしてみせる狼は、赤ずきんの隠しきれない滑らかな象牙の肌に唇を押し当てていた。乱暴な狼の唇が与える鋭く刺すような刺激に、赤ずきんは思わず身を震わせて腕の中で身体をすくませてしまう。

「ひゃっ!」
「敏感だな?ん?」

細い鎖骨に触れた唇が象牙の肌に赤い花弁を刻み込んで、ニヤリと再び意地悪く笑みを敷く。その淫靡な笑みにカァッと頬を染めた赤ずきんに、狼はベロリと熱い舌で赤ずきんの胸の突起をなぞりあげる。

「ひぁん!」

獣の舌に擦られプクリと硬く立ち上がった幼いピンクの乳首を、更に狼の舌が幾度も繰り返して擦りたてていく。

「や、あ!んんっ!ひぁ!」

可愛い声で身悶える赤ずきんの幼い身体に、狼は興奮しきった瞳を向けてスルスルと服を脱がせにかかっている。人気がないとは言え花畑のど真ん中、しかも壁も何もない森の中。何時どこから人が来るか分からない上に、ここは一応村人だって知っている場所。(そう、こんなとこで恥ずかしい事に及ぶのを、世間では『青姦』って言うんです。)

「ちょっ、やだっ!こぉた!!やぁっ!」
「んん、抵抗しても無駄だぞ?ん?」

既に半裸というより着ているものの数の方が圧倒的に脱がされたものより少ない赤ずきんが、フルフル震えながら身悶える様はなおのこと狼の欲情を煽り立ててしまう。最早その幼い身体に纏うのは、赤い頭巾と薄い下着と、編み上げのブーツだけ。

「やだぁ!こぉた、やぁ!」
「ふふ、嫌がるのも可愛いな?」

獣の低い笑い声が耳を擽るように響き、あっという間に下着が引き下ろされてしまう。そこにはまだ成長期を迎える前の幼いピンクの陰茎が震えていて。頬を染めてそこを隠そうとした赤ずきんなのだけれど、なんでか目の前の狼が身体を強張らせたのに気がついた。

「…………こぉ、た?」

なんでだろうか、身体を強張らせた狼の体温が一際グンッと熱くなった気がする。抱き上げ捕獲されていた筈の身体が花畑の中にフワリと下ろされたかと思うと狼の手が腰を掴むのに、赤ずきんはその股間に視線を落としてギョッとしていた。

「や、やだ!無理!!無理だから!こぉた!!」

幼い子供の身体には到底受け止めきれない長大な怒張がラバーボンデージを突き破らんばかりに膨らんでいるのに、それを目にした赤ずきんは怯えた声で訴え頭を振る。大人の身体だってどうかと思う今の自分の手首よりも太い大きさのそれを、この赤ずきんの子供の身体で受け止めろなんて無理難題だ。それなのにギラギラと黒曜石の瞳を煌めかせた狼は、まるで聞こえていない様子でそれをサッと抜き出す。

「やぁ!!無理!!無理ぃ!!!」

そう叫んでも愛撫とキスが止まらないし、ヌリヌリと尖端が子供サイズの尻孔を擦り付けられてくる。興奮に硬い怒張の尖端から溢れる先走りの汁に充分に濡らされ、次第に押し付けられる圧力に負けそうな筋肉に赤ずきんが泣きそうな声をあげ狼を制止しようともがく。

「こぉた!待って!!無理だってばぁ!!」
「了…………。」

ついに限界まで押し付けられたそれに赤ずきんの悲鳴の合間の息継ぎが重なり、幼い身体の筋力が押し付けられる大人の亀頭の圧力に負けていた。

「ひぁ!!!」

グプッと拳のようなモノが、狭く締まった身体を押し開く。それに思わず赤ずきんは顔を跳ね上げて、身体を仰け反らせてしまう。そのまま狼は全身でのしかかりズルリと尖端が体内を押し開いて、容赦なく狼の怒張が赤ずきんの体内に押し込まれてくる。メリメリと体内を裂くように太くて硬くて杭のような怒張が、奥へ奥へと進んできていた。

「ひ、あ、あぁ!!」
「あぁ……熱い…………キツい……な。」
「ひぐ、ぅ!ううっ!!」

圧迫の一言では済まない圧力が容赦なく身体に襲いかかるのに、赤ずきんは思わず涙を滲ませビクンと身体を痙攣させていた。ミッチリとそれが根本まで嵌め込まれるまで、狼は丹念にそこら中に口付け愛撫を繰り返してくる。けれど、それでも一向に苦痛は緩和されない。される筈もない。腹が裂けてしまいそうな苦痛に、赤ずきんの瞳から大粒の涙が溢れ落ちていく。

「く、ふぅ…………。」

怒張を嵌め込まれて串刺しにされた気分の赤ずきんが、ホロホロと苦痛の涙を溢している。それなのに、狼は未だに瞳を煌めかせたままベロリと頬を伝う涙を舐めたくらいにして、グイグイと更に腰を推し進めていた。

「あぁ……凄いな………これは…………。」

ミッチリと嵌め込み狭い腸に刺激される途轍もない快感に、思わず狼が感嘆の吐息を洩らす。幼い身体の腸の熱さと狭さに狼がブルリと腰を震わせると、赤ずきんの口からは甲高い悲鳴が溢れ落ちていた。

「い、たぃ…………よぉ……、やだ、こぉ、たぁ………。」

震えながら涙を溢す赤ずきんの潤んだ瞳、ホンノリ染まった薔薇色の頬、喘ぐように吐息を放つために開かれたサクランボのような唇。縋り付くように胸元に触れる子供の体温を伝える指先。華奢でホッソリとして抱き込まれてしまう肢体に、狼の身体に割られて大きく開かされた脚。

ゾクゾクするほど可愛くて淫らで愛おしい

花畑に押し付けられ、自分のものにされている赤ずきんの可愛らしい姿。泣きながら身悶える赤ずきんの制止を求める声すら、どうしようもなく可愛くて堪らない。ズルリと腰を前後に揺らめかせれば、更に甲高く甘い悲鳴が上がる。

「やぁ!!あぁ!こぉ、た!やだぁ!いた、い、くるし…………ぃ!」

泣きながら身をくねらせる赤ずきんの頬に、瞼に、唇に何度も舌を這わせ口付け、狼は緩やかにズイズイと腰を前後に振り立てていく。ズプリグポリと淫らな粘着性のある音を立て始めた後孔に、思わず腰の動きが更に乱暴に激しく変わった。

「ひぃ!いた、く、ぅ!!くるし、い。」

やがて大きさに馴染み始めた体内が更に深く狼の尖端を飲み込んだ瞬間、赤ずきんの身体が一際大きく震えていた。

「あぁう!あ、ひぃ!!」

結腸の奥深くまで深々と巨大な怒張に犯されて痙攣しながら悲鳴をあげている赤ずきんに、狼は口の端を上げて低く甘い声で囁く。

「あぁ、子供の身体なのに、全部俺のものにされてるな……。」
「ふ、くぅ!!うう、はぁう!」
「子供マンコ……チンポで埋められて、子宮まで嵌められて…………イヤらしくて気持ちいいな?ん?」

男には子宮なんかないし、そこはマンコじゃないからと言いたい。それなのに狼に掠れた低く甘い声で卑猥な言葉を耳元に囁かれ、抱き締められながら尖端がクポクポと音を立てて身体の奥底を執拗に引っ掻く。その直腸の奥を掻きむしってくるような硬い杭のせいで、幼い全身に激しく電流が流れ甘い刺激が駆け巡っていた。

「あ、はぅ、あ!や、あ!あぁ!かはっ!」

酩酊してしまう赤ずきんの混乱を分かっていて、狼は赤ずきんの頭を包み込み、宝物のように抱き込むようにして更に腰を突き動かす。包み込まれ覆い被さられて与えられる歓喜に、赤ずきんの口から絶え間ない喘ぎを含む悲鳴が溢れてしまう。

「ひぁ!や、ふぁ!あぁっ!」
「あぁ、子供のお前も俺のモノだ…………、タップリ注いでやる。」
「や、ぁ、あぁ!あぁ!んふぅうう!!」

口付け貪るように舌を絡めながら腰を突き動かす狼の言葉に、録な抵抗も出来ずに赤ずきんはひたすらに喘ぎ続ける。

「ふふ、…………タップリ子宮に直に注いでやるからな?ちゃんと孕めよ?ん?」
「ひぁぁ!!あはぁあぁ!!」

容赦なく奥に尖端を嵌め込まれたままに、最初の射精が始まる。ドプドプと勢いよく熱いマグマのような精液を注ぎ込まれ、赤ずきんはそれに感電したように全身を強張らせていた。しかも一度射精して萎えるかと思った怒張は全く萎えることもなくガチガチに硬いままで、その上更に質量を増してきて狼の視線もまるで変かを見せない。

「こ、ぉ…た…………や、ぁ。」
「ふふ、ふ。」

泣きじゃくりながらフルフルと弱く頭を振り懇願の声を溢した赤ずきんの顔を、ギラギラとした瞳が真っ直ぐに見下ろしてきて、赤ずきんはそこで初めて狼が何時もと違っているのに気がついていた。獣としか言えない欲情しきった視線で赤ずきんを見据えて、狼は妖艶としか言い様のない色気を全身から放ちながら唇を舐め掠れた笑いを溢す。

…………まさか…………こぉた…………キレてる……?

その思考を肯定するように泣いている頬に口付けた狼が、赤ずきんの腰を逃げないように確りと捕らえていた。そうして押し込んだままの怒張を抜くこともない狼はニィと口角を上げて、興奮しきった欲情の瞳で赤ずきんを見つめている。

「…………まだまだだぞ?……こっからだからな………?」

そう低く甘い声で狼は囁くとユラリと再び腰を前後に動かし始め、赤ずきんはその動きにあわせて再び甲高い悲鳴をあげ始めていた。ズルリズルリと体内を擦られ、グポグポと激しく音を立てて出し入れされていく。

「ひぃん!!や、やぁあ!!」

奥底に精液を注ぎ込まれる前に、不意に身体を更に押し拡げられる刺激が身体を軋ませる。驚きに震えながら視線を向けると、欲情しきっていつになく薔薇色に上気した顔をした狼が再び舌舐りして自分を見下ろしていた。

「イヌ科の動物ってのは、本来亀頭がねぇんだよなぁ…………。妄想だから亀頭はちゃんとあるみたいだが、イヌ科の特徴も出てるみたいだ。」
「は……ぅ?ひぁ?!ひぐっ!!」

ムクムクと何かが赤ずきんの直腸を更に押し開くのが分かって、赤ずきんは仰け反りながら何とか苦痛から逃れようともがく。イヌ科の陰茎の根元にある、瘤のように丸く膨らむ部位を『亀頭球』と呼ぶ。名称に亀頭とついているのは、イヌ科の陰茎は亀頭球から先端までが人間の亀頭に相当する組織であるためであるそうだ。そのためイヌ科の陰茎は勃起すると根元の亀頭球から太い管のような本体までが全て露出する。(因みに人間の陰茎は全く形状が異なるため、人間の男性のような亀頭は存在しない。)
射精中は膨らんだままになり雌の外陰部から陰茎が抜けないようにする役割を持ち、射精が終わるまでは抜けなくなるため、これにより雌の受精率が上がり射精は10分~30分ほど続くと言われる。

「ふふ、タップリ注いでやるからな?ん?」

何度も何度も周囲の花弁を身体で撒き散らしながら、激しい絶頂に押し上げられ失禁までさせられる赤ずきんに狼は箍が外れたままに腰を振り立てていた。

「ひぁあ!!くぅ!あぁああぁ!!」

容赦のない注挿。まだ幼すぎて精通すらしていない身体は、絶頂に達しても射精も出来ないから潮のように失禁してしまう。今はこっちは子供の身体なんだから少しくらいは容赦しろよと赤ずきんがどんなに叫びたくても、狼の激しすぎる律動にもう赤ずきんには悲鳴しか口から押し出せない。

「あぁ、可愛い……なんなんだ、くそ、可愛すぎるだろ、…………こんな小さい可愛い孔で俺の、全部咥え込んで、了……可愛い…………、可愛すぎる……あぁ。」

しかも狼の方は我を忘れて赤ずきんの身体を貪り続けていて、譫言みたいに『可愛い』と繰り返しながら正に大量の溺れる程の精液を腹の中に注ぎ続ける。

「あはぁあ!!く、るしぃ!い、やぁ!あぁ!」
「あぁ可愛いな……、こんなにズッポリ、突っ込まれて、こんなに……子供マンコ……、チンポで拡げられて……可愛い声で泣いて……注ぎ込まれて………よがってる可愛い、俺の、了。」

ドチュドチュと音を立てている激しい腰振りにどんなに悲鳴をあげても、それすら可愛いと甘い声で囁かれ更に深く捩じ込まれてしまう。しかも卑猥な言葉であからさまに示されるように、捩じ込まれ注ぎ続けられるのは苦痛ではあるのに確かにそれは快感でもある。何しろ狼に腹の奥底に注ぎ込まれる大量の熱さは、正直言えば狂うほどに気持ちが良い。

「さとる、愛してる…………俺の可愛い……了。」
「はぅうんんっ!!」

ズプリと奥深くに嵌められたまま耳元を甘い声で犯されて、何度目なのか分からない失禁をしながら絶頂に達して赤ずきんは遂に意識を失っていたのだった。
そして赤ずきんが目が覚めるとソコは花畑ではなく、建物の中の豪奢なベッドルーム。身体は気を失っている間に狼がしたのか綺麗に清められてるようで、どこにも不快感はどこにもない。それでも辺りを見回して、身体を起こそうとした赤ずきんは思わず苦痛の呻き声を上げていた。全身がギシギシと軋んで録に動けない赤ずきんに、同じベットに寝転んでいた様子の狼が布団の中から手を伸ばして抱き上げてくる。

「…………こぉた……?」
「ん?」
「ここ…………どこ?」
「俺のウチ。」

花畑で快感に失神してしまった赤ずきんを、狼が有無を言わさずここに連れ込んでしまったのだ。ここでいったい何をするつもりなのかと不安そうに問いかける赤ずきんに、狼は赤ずきんが気にいって家に連れ帰ってきたのだと抱きかかえたまま平然と答えていた。

「もう、お前はここから出さない。」
「は?」
「お前は俺のモノだから。嫁だ。」

賑やかに微笑みながらそんなことを言う狼の膝に抱かれて、赤ずきんは思わず頬を染めて目を丸くしていた。そうして頬を染める赤ずきんに狼は、大事にすると愛し子にするように口付ける。
そうして狼に愛でられ囚われることになった赤ずきんは、2度と意地悪なお母さんに苛められていたオウチに戻ることはなかった。そう赤ずきんは森の奥で自分を溺愛する狼と幸せに暮らしましたとさ。



※※※



夢現に目を覚ますと夜の闇の中で何でか独り頭を抱えている外崎宏太がいて、外崎了は不思議そうに瞬きしながらソロソロと手を伸ばす。肩に了の手が触れたのに、宏太がピクンと身体を震わせる。闇の中とはいえボンヤリと傷跡の浮いて見える顔を手で覆っていた宏太が、自分に向けて顔を向けたのを了は気だるげに見上げた。

「…………こぉた?どした……ぁ?」

嫌な夢でも見て独りで苦悩していたのかと思ったけれど、そんな訳でもなさそう。そんな風に宏太の顔色を判断しながら了が手で引き寄せると素直に従ってきて、了の腕の中に宏太の頭が降りてくる。そしてポスンッと身体を横たえた宏太に了は、おや?と言いたげに問いかけた。

「どした…………?」
「…………なんでも……ない……。」

いや流石にそれは何でもなくないだろと思うが、確かにそれほどあからさまには苦悩の様子でもない。そう気がついたけれど宏太が闇の中で独りで頭を抱えていたのは事実なので、了は抱き寄せた宏太の頭を子供にするみたいに撫でつつどうしたのかと再び問いかける。

「…………嫌な夢でも、見たのかよ?なぁ…………。」
「いや………………。」

ヨシヨシと了に撫でられるのは心地良いらしくて、宏太はされるままになっている。そんな宏太に、なら何で独りで頭抱えてたんだよと了が眠たげな声でヒソリと囁く。宏太は問いかけにほんの少し頬を染めて、嫌じゃないが実に変な夢を見たと腕の中で苦い声で小さく呟いていた。

「変な夢ぇ?どんな…………怖い夢か?」
「…………いや…………。」

珍しく歯切れが悪い宏太に言いたくない夢なのかと了は不思議そうに瞬きする。それでもやがて抱き寄せている暖かさで再び睡魔が襲ってくるのに負けて、2人は穏やかに互いに眠りに落ちるのに任せるのだった。










※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

お久しぶり更新DEATH、あ違った、更新です(笑)

たまにはこんな妄想もしてみたいということで。。。今回は全く本編とは関係ありません、一応は夢落ちには落ち着かせましたが。しかも作者的には滅多に表に出さないタイプの世にも珍しい『おまけ』です。え?突然どうしたのかって?いやぁ少しずつですが元気になった証拠です。妄想万歳!ハラショー!もう少ししたら通常更新に戻れると思われます。暫しお許しを。

本当は更に続けて赤ずきん了君に『獣!!』と言わせたかった。。。そして当然のように獣になっている宏太さんか書きたい自分がいました(笑)




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