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10月
151.ホップ
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ここ最近はすっかりお昼に参加できないでいた孝君が、とんでもなく不機嫌な顔で久々に階段を上がってきた。ちょうど今日は登校してる智美君も一緒のお昼タイムで早紀ちゃんのお弁当を囲み始めたところだ。早紀ちゃんはどうやら前日に明日は来るの?何食べるのって智美君にLINEをしてるって話になって、お母さんじゃんって香苗に突っ込まれていた。孝君は不公平だと言いたげな顔で上がってきて、真正面にいた私と目が合う。
「なんかあったの?」
思わず問いかける私に皆が彼の顔を見上げて目を丸くするのに、孝君は不満満載の顔で早紀ちゃんの隣に座った。孝君は訳が分からないと呟きながら、事の次第を話してくれる。孝君は昨日欲しい本があって駅前の書店までいったらしいんだけど、その帰り道にうちの学校の女の子とぶつかっちゃってスマホを落としちゃったんだって。スマホの液晶が割れちゃったから次の休みに携帯会社迄一緒に行く約束をしたんだけど、連絡先を知らないと困るから電話番号を交換したみたい。そうしたらそこから延々と何時間もLINEが来て、明け方近く迄振り回されたんだって。途中でスルーしない辺りが孝君らしいけど。恐らく誰か知らないけど、孝君の事を好きな子とかだったんだろうなぁと私は薄々考える。皆も同じように考えたみたいで、孝君の話に苦笑いだ。
「訳が分からないよ、一晩中ホームの写真の夏椿の話とか。もう寝るのとか、もう少し話したいとか。」
あーあ、それは確かにキツイ。多分LINE出来るのが、嬉しくて有頂天になっちゃったんだろうなぁ。私も雪ちゃんとLINEする時は気を付けないと、雪ちゃんにウンザリされたら困る。希望としてはじっくり話したいけど、LINEが繋がった初日にそれは流石にひかれてもしょうがないかな。それに振り回されて寝不足の孝君は不機嫌な朝なのに、更に追い討ちを彼女はかけたらしい。朝登校途中に一緒に行こうと声をかけられた孝君は、かなり驚いたらしいけど。確かに昔から住んでる孝君だから、学区の子は何となく覚えていて彼女は違う学区のはずなんだって。
「えっ、こわっ!」
香苗が正直な感想を口にしたら、孝君は僕の方が怖いと言う。確かに家まで来て待ってたんだって考えると、正直怖いと思うんだけど。早紀ちゃんが何とも言えない表情なのは、家の近く迄来て一緒に学校行こうと告げた彼女の気持ちが分かるからなのか、彼女の行動にひいているのかは分からない。良く言えば天真爛漫で考えないで家まで来たんだろうけど、待たれるのは流石にちょっと私も嫌だなぁ。しかも、休み時間毎に教室の扉の辺りから見ていて、孝君は気分が悪くて仕方がないらしい。
「こわぁ、ガチのストーカーじゃん。真見塚。」
「ストーカーって自覚ないっていうけどね、がんばれ孝。」
他人事みたいに言う香苗と智美君に、孝君は不機嫌な顔で溜め息をつく。スマホの液晶は割れちゃってるのは事実だから明日は、一緒に携帯会社に行かなきゃならないのが苦痛でしょうがないらしいのは分かる気がする。これで2人っきりで携帯会社迄行ったら、相手は違う意味でとりそうだよねと思わず口にした私に孝君は驚いたみたいに目を丸くした。
「違う意味ッてなんだ?!宮井!」
「決まってるじゃん、デートだって思うってことだよ、ね?麻希子。」
「うーん、何かそう考えそうな気配だよね。」
孝君の顔がハッキリと青ざめるのに、何だか可哀想になってしまう。相手の女の子もある意味可哀想なんだけど相手の子は知らないわけで、どうしたって私達は孝君の方に肩入れしてしまう。
「誰かもう一人男の子と一緒にいけばいいんじゃない?」
何気なくいう智美君に、孝君は名案って顔をした。確かに男の子なら角もたたないし、相手も流石にデートだとは思えない。おまけに携帯を変えるのには付き合える。まあ、新しい携帯に電話番号を移されると、電話番号が残っちゃうって問題はあるんだけど。そこはしょうがないかな。少なくとも彼女のデートだと信じる心が、ちょっと早合点だとは伝わるような気はする。関係ない顔でサンドイッチを食べている智美君の肩にポンと孝君が手を置いたのに、智美君が仕方がないなぁって顔をした。
「いいけど、喫茶店で奢って貰うよ?」
あ、智美君が『茶樹』に行く気になってる気がする。でも、智美君が一緒に行くのってインパクト強そうだなぁ。女の子バリの美人なんだもんなぁって呑気に考えてしまう。視界の中の早紀ちゃんの表情は変わらず、何だか悲しげにも見えるのに気がついて私はちょっと考え込んでしまう。早紀ちゃんはどんな風に感じながら、この話を聞いているんだろう。孝君は告白されまくってる訳だけど、早紀ちゃんはまだ孝君に告白した気配はない。香苗も同じこと考えたみたいで少し心配そうに早紀ちゃんの事を見ている。この間聞いた好きな子って誰なんだろうって考えてみても、孝君が誰かを見ているなんて気がつかないでいたから想像も出来ないんだ。孝君に聞いてみたい気はするけど、聞いてしまったら後戻り出来ないことでもある。恋って本当に難しい。
「なんかあったの?」
思わず問いかける私に皆が彼の顔を見上げて目を丸くするのに、孝君は不満満載の顔で早紀ちゃんの隣に座った。孝君は訳が分からないと呟きながら、事の次第を話してくれる。孝君は昨日欲しい本があって駅前の書店までいったらしいんだけど、その帰り道にうちの学校の女の子とぶつかっちゃってスマホを落としちゃったんだって。スマホの液晶が割れちゃったから次の休みに携帯会社迄一緒に行く約束をしたんだけど、連絡先を知らないと困るから電話番号を交換したみたい。そうしたらそこから延々と何時間もLINEが来て、明け方近く迄振り回されたんだって。途中でスルーしない辺りが孝君らしいけど。恐らく誰か知らないけど、孝君の事を好きな子とかだったんだろうなぁと私は薄々考える。皆も同じように考えたみたいで、孝君の話に苦笑いだ。
「訳が分からないよ、一晩中ホームの写真の夏椿の話とか。もう寝るのとか、もう少し話したいとか。」
あーあ、それは確かにキツイ。多分LINE出来るのが、嬉しくて有頂天になっちゃったんだろうなぁ。私も雪ちゃんとLINEする時は気を付けないと、雪ちゃんにウンザリされたら困る。希望としてはじっくり話したいけど、LINEが繋がった初日にそれは流石にひかれてもしょうがないかな。それに振り回されて寝不足の孝君は不機嫌な朝なのに、更に追い討ちを彼女はかけたらしい。朝登校途中に一緒に行こうと声をかけられた孝君は、かなり驚いたらしいけど。確かに昔から住んでる孝君だから、学区の子は何となく覚えていて彼女は違う学区のはずなんだって。
「えっ、こわっ!」
香苗が正直な感想を口にしたら、孝君は僕の方が怖いと言う。確かに家まで来て待ってたんだって考えると、正直怖いと思うんだけど。早紀ちゃんが何とも言えない表情なのは、家の近く迄来て一緒に学校行こうと告げた彼女の気持ちが分かるからなのか、彼女の行動にひいているのかは分からない。良く言えば天真爛漫で考えないで家まで来たんだろうけど、待たれるのは流石にちょっと私も嫌だなぁ。しかも、休み時間毎に教室の扉の辺りから見ていて、孝君は気分が悪くて仕方がないらしい。
「こわぁ、ガチのストーカーじゃん。真見塚。」
「ストーカーって自覚ないっていうけどね、がんばれ孝。」
他人事みたいに言う香苗と智美君に、孝君は不機嫌な顔で溜め息をつく。スマホの液晶は割れちゃってるのは事実だから明日は、一緒に携帯会社に行かなきゃならないのが苦痛でしょうがないらしいのは分かる気がする。これで2人っきりで携帯会社迄行ったら、相手は違う意味でとりそうだよねと思わず口にした私に孝君は驚いたみたいに目を丸くした。
「違う意味ッてなんだ?!宮井!」
「決まってるじゃん、デートだって思うってことだよ、ね?麻希子。」
「うーん、何かそう考えそうな気配だよね。」
孝君の顔がハッキリと青ざめるのに、何だか可哀想になってしまう。相手の女の子もある意味可哀想なんだけど相手の子は知らないわけで、どうしたって私達は孝君の方に肩入れしてしまう。
「誰かもう一人男の子と一緒にいけばいいんじゃない?」
何気なくいう智美君に、孝君は名案って顔をした。確かに男の子なら角もたたないし、相手も流石にデートだとは思えない。おまけに携帯を変えるのには付き合える。まあ、新しい携帯に電話番号を移されると、電話番号が残っちゃうって問題はあるんだけど。そこはしょうがないかな。少なくとも彼女のデートだと信じる心が、ちょっと早合点だとは伝わるような気はする。関係ない顔でサンドイッチを食べている智美君の肩にポンと孝君が手を置いたのに、智美君が仕方がないなぁって顔をした。
「いいけど、喫茶店で奢って貰うよ?」
あ、智美君が『茶樹』に行く気になってる気がする。でも、智美君が一緒に行くのってインパクト強そうだなぁ。女の子バリの美人なんだもんなぁって呑気に考えてしまう。視界の中の早紀ちゃんの表情は変わらず、何だか悲しげにも見えるのに気がついて私はちょっと考え込んでしまう。早紀ちゃんはどんな風に感じながら、この話を聞いているんだろう。孝君は告白されまくってる訳だけど、早紀ちゃんはまだ孝君に告白した気配はない。香苗も同じこと考えたみたいで少し心配そうに早紀ちゃんの事を見ている。この間聞いた好きな子って誰なんだろうって考えてみても、孝君が誰かを見ているなんて気がつかないでいたから想像も出来ないんだ。孝君に聞いてみたい気はするけど、聞いてしまったら後戻り出来ないことでもある。恋って本当に難しい。
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