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11月
181.タンジー
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11月7日、日曜日の朝1番この間貰った合鍵を使って、ルンルンしながら雪ちゃんのお家の鍵を開けた私。いや、シフォンケーキを届けに来たときも使ってはいるんだけど、雪ちゃんはいなかったから。それでイソイソお家に足を踏み入れた私は、自分の部屋から出てきた衛と一緒にリビングのドアを開いて思わず凍りつく。
「お酒くさっ!」
「昨日ね、雪、お仕事の人とお付き合いだったんだよ。」
えー?衛の夜昨日一人だったの?!思わず目を丸くすると、衛は偉いでしょって顔で私を見上げてる。いや、偉いよ!?偉いけどそれとこれとは話が別じゃない?衛の一人お留守番はとっても偉いけど、普通に帰ってくるなら兎も角このお酒臭さってどう言うこと?!何かこう言うのって宜しくない感じ。
「衛、お留守番は偉いけどお夕飯はどうしたの?」
「雪、お仕事の人連れてきたの、お留守番はしてないよ。」
あ、なんだ。そうなのか、それならまだいいけどってだけどこの臭い!私は臭いを払うみたいに抵抗しながら、窓にかけよって窓を開ける。衛も呆れたみたいにリビングの臭いを嗅いでて、私は呆れた顔でソファーの雪ちゃんを見下ろす。しかも、ソファーで寝てるってどうなのかなぁ?せめてベットで寝たらいいのにって思いながら、テーブルの上のビールやらワインやらの空いた缶とビンを取り上げる。
「もー。」
「雪お仕事一区切りで、お祝いだけど、僕がいるからお家でって。」
「仕方ないけど、だらしないなぁ。」
「うん、だらしないね。」
衛に迄散々言われている雪ちゃんに苦笑しながら、換気しつつ朝御飯の支度に取りかかる。この状態だと雪ちゃん起こしても起きないかなぁなんて思いながら、衛に顔洗ってきてーと声をかけた。婦人の美徳って訳じゃないけど、こうやって毎週お料理してるせいか少しずつ料理自体好きなんだなって自分でも思う。勿論お菓子を作るのは楽しいけど、普通のお料理も結構楽しい。
「あら、あなた宇野くんの知り合い?」
そんな真っ最中、背後からの聞いたことのない声に私は凍りついた。思わず振り返るとあの時街の中で雪ちゃんと仲良さそうに話していた女の人が、シワになったブラウスを整えながら欠伸混じりに立っている。
何で?どうして?
私は凍りついたみたいにその女の人の事を見つめて、立ち尽くしていた。いや、頭の中ではこの女の人は雪ちゃんのお仕事の関係の人って分かってるけど、雪ちゃんの家に泊まってたってことだよね。しかも、雪ちゃんがソファーにいたのは、多分この女の人が雪ちゃんのベットに寝てたってこと?混乱して凍りついてる私に気が付いた彼女は、私の事を頭から爪先まで眺め回すように見るとニッコリと微笑む。
「私、竜胆貴理子といいます、あなたは?」
「宮井…麻希子です。」
丁寧に自己紹介されて思わず答えちゃったけど、何?このあなたとの戦いを宣言するみたいな雰囲気。これって一体どう言うこと?そんな風に混乱している私に彼女はスタスタと歩み寄ると、私の横からコンロに手を伸ばした。
「ふいてる、お出汁がとんじゃうわよ?麻希子ちゃん。」
お鍋がふいてるのにも気がつかなかった私に、彼女は再びニッコリと笑いかける。どう反応していいのか分からない私に、顔を洗って戻ってきた衛が目を丸くてしてるのが見えた。衛もこの人が家に泊まってたの知らなかったんだ。って言うか私はこれをどう反応して何て言ったらいいの?彼女は大人の女の人の微笑みで、驚かせてごめんなさいと言う。
「ごめんなさい、長居しちゃったわね。宇野君が起きたら私は帰ったって伝えてくれるかしら?麻希子ちゃん。」
「は、はい。」
ありがとうと微笑みかけられたけど、私の顔は凍りついたみたいに戸惑いのままだ。背後で衛が慌てて雪ちゃんを揺り起こそうとしてるけど、寝坊助な雪ちゃんはお酒のせいもあるのか起きる気配もない。呆然と見送る私の事を残して、彼女は颯爽とバックを肩にかけて去っていった。玄関にヒールの靴があったのに、どうして入る時に気がつかなかったのかな。多分ある筈ないからって、全然気にしてなかったのかもしれない。伝えてって言われてはいって答えたけど、正直自分でもこの状況をどう考えていいのか分からないでいる。お仕事の人とお祝いをするのに、衛がいるからお家で飲んだだけ。だけだろうけど、普通泊まるもの?大人じゃないから分かんないだけ?私も大人になってお酒が飲めるようになったら、同じ事があるの?グルグルする頭の中で、さっきの人の鮮やかな微笑みが私には棘みたいに感じてる。これってどう反応していいのかわかんない。そう思ったら無性に悲しくなって、唐突に涙が溢れ落ちた。
「まーちゃん…。」
衛が困った顔で私に駆け寄ってきて、その姿に余計に涙が溢れてくる。何でだろう、こんな風に泣きたい訳じゃないのに、雪ちゃんのこと叩き起こして何があったのってお説教するべきなのに。
「まーちゃん、あの人雪のお仕事の人だよ?」
「うん、分かってる。分かってるよ、まー。」
そう言うのに涙が止まらなくて、私は衛にごめんねって謝るしかない。お料理も放置したままだけど、こんな状態じゃご飯なんか作れないよ。私はもう一回ごめんねって、衛に謝って一緒に衛にご飯食べに行こうって衛を連れ出した。良くないとは思うけど、ファーストフードで朝御飯を衛と一緒に食べてマンションの前で衛と別れて歩き出す。衛は凄く心配そうだったけど、凄く今は一人になりたかったんだ。
「お酒くさっ!」
「昨日ね、雪、お仕事の人とお付き合いだったんだよ。」
えー?衛の夜昨日一人だったの?!思わず目を丸くすると、衛は偉いでしょって顔で私を見上げてる。いや、偉いよ!?偉いけどそれとこれとは話が別じゃない?衛の一人お留守番はとっても偉いけど、普通に帰ってくるなら兎も角このお酒臭さってどう言うこと?!何かこう言うのって宜しくない感じ。
「衛、お留守番は偉いけどお夕飯はどうしたの?」
「雪、お仕事の人連れてきたの、お留守番はしてないよ。」
あ、なんだ。そうなのか、それならまだいいけどってだけどこの臭い!私は臭いを払うみたいに抵抗しながら、窓にかけよって窓を開ける。衛も呆れたみたいにリビングの臭いを嗅いでて、私は呆れた顔でソファーの雪ちゃんを見下ろす。しかも、ソファーで寝てるってどうなのかなぁ?せめてベットで寝たらいいのにって思いながら、テーブルの上のビールやらワインやらの空いた缶とビンを取り上げる。
「もー。」
「雪お仕事一区切りで、お祝いだけど、僕がいるからお家でって。」
「仕方ないけど、だらしないなぁ。」
「うん、だらしないね。」
衛に迄散々言われている雪ちゃんに苦笑しながら、換気しつつ朝御飯の支度に取りかかる。この状態だと雪ちゃん起こしても起きないかなぁなんて思いながら、衛に顔洗ってきてーと声をかけた。婦人の美徳って訳じゃないけど、こうやって毎週お料理してるせいか少しずつ料理自体好きなんだなって自分でも思う。勿論お菓子を作るのは楽しいけど、普通のお料理も結構楽しい。
「あら、あなた宇野くんの知り合い?」
そんな真っ最中、背後からの聞いたことのない声に私は凍りついた。思わず振り返るとあの時街の中で雪ちゃんと仲良さそうに話していた女の人が、シワになったブラウスを整えながら欠伸混じりに立っている。
何で?どうして?
私は凍りついたみたいにその女の人の事を見つめて、立ち尽くしていた。いや、頭の中ではこの女の人は雪ちゃんのお仕事の関係の人って分かってるけど、雪ちゃんの家に泊まってたってことだよね。しかも、雪ちゃんがソファーにいたのは、多分この女の人が雪ちゃんのベットに寝てたってこと?混乱して凍りついてる私に気が付いた彼女は、私の事を頭から爪先まで眺め回すように見るとニッコリと微笑む。
「私、竜胆貴理子といいます、あなたは?」
「宮井…麻希子です。」
丁寧に自己紹介されて思わず答えちゃったけど、何?このあなたとの戦いを宣言するみたいな雰囲気。これって一体どう言うこと?そんな風に混乱している私に彼女はスタスタと歩み寄ると、私の横からコンロに手を伸ばした。
「ふいてる、お出汁がとんじゃうわよ?麻希子ちゃん。」
お鍋がふいてるのにも気がつかなかった私に、彼女は再びニッコリと笑いかける。どう反応していいのか分からない私に、顔を洗って戻ってきた衛が目を丸くてしてるのが見えた。衛もこの人が家に泊まってたの知らなかったんだ。って言うか私はこれをどう反応して何て言ったらいいの?彼女は大人の女の人の微笑みで、驚かせてごめんなさいと言う。
「ごめんなさい、長居しちゃったわね。宇野君が起きたら私は帰ったって伝えてくれるかしら?麻希子ちゃん。」
「は、はい。」
ありがとうと微笑みかけられたけど、私の顔は凍りついたみたいに戸惑いのままだ。背後で衛が慌てて雪ちゃんを揺り起こそうとしてるけど、寝坊助な雪ちゃんはお酒のせいもあるのか起きる気配もない。呆然と見送る私の事を残して、彼女は颯爽とバックを肩にかけて去っていった。玄関にヒールの靴があったのに、どうして入る時に気がつかなかったのかな。多分ある筈ないからって、全然気にしてなかったのかもしれない。伝えてって言われてはいって答えたけど、正直自分でもこの状況をどう考えていいのか分からないでいる。お仕事の人とお祝いをするのに、衛がいるからお家で飲んだだけ。だけだろうけど、普通泊まるもの?大人じゃないから分かんないだけ?私も大人になってお酒が飲めるようになったら、同じ事があるの?グルグルする頭の中で、さっきの人の鮮やかな微笑みが私には棘みたいに感じてる。これってどう反応していいのかわかんない。そう思ったら無性に悲しくなって、唐突に涙が溢れ落ちた。
「まーちゃん…。」
衛が困った顔で私に駆け寄ってきて、その姿に余計に涙が溢れてくる。何でだろう、こんな風に泣きたい訳じゃないのに、雪ちゃんのこと叩き起こして何があったのってお説教するべきなのに。
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