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12月
212.ナンテン
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12月8日 水曜日
朝目が覚めてから、自分が見ていた夢の事を改めて思い返してみた。夢でみたあれは全部本当の事で、何でこんなにもスッカリ忘れ去っていたのかと思うくらい今は鮮明。人間の記憶ってこうして考えてみると凄く不思議だなって考える。色々子供なりに考えていたんだろうなっては自分でも思うんだけど、こんなにも思い出してしまうとやっぱり私は子供だった。凄く雪ちゃんの事が好きで、大事にしたかったのに子供の理屈で一緒に居られないと知ったら逃げ出すなんて。思わずベットの上で膝を抱えてしまう。それにしても、思い出したら何て言うか、私の中の感情がよく分からない。いや、好きが分からないんじゃなくて、それよりももっと違う感情があるのに気がつく。雪ちゃんを大事にしたいって言うのは、好きよりももっと強くて。一番近いのは愛情なのかもしれないって思うと、膝に埋めた頬が熱い気がする。それこそ私の愛は増すばかりで、雪ちゃんと一緒にいたいって考えてる自分がいて驚いてしまう。
これって、普通の事?
何かずっと重い蓋をしていたのが、蓋が外れて溢れ出したみたい。そんなことを考えていたら、ドアをノックする音がしてママが起きてるならちょっと下に来なさいって声をかけてきた。学校は休校の連絡が来ていたけど、何か新しい連絡でもあったのかな。急いで着替えをして下に顔を出すと、そこには雪ちゃんとママが向かい合って座っている。あれ?衛はって思ったら、そっか、高校は休校だけど小学校は関係なかった。パパももう仕事に出た後みたいで、家の中はここにいる3人だけみたい。
「麻希子、そこに座りなさい。」
ママの何時にない声に私は戸惑いながら雪ちゃんの横に座る。横の雪ちゃんの顔が少し強ばっているのに気がついて、私は不思議に思いながらママを見つめた。
「雪ちゃん、正直に話してもらえるかしら。」
ママの固い声は、以前センセが謝罪に来た時と同じに聞こえる。正直に?何の事って私が雪ちゃんを見上げると、雪ちゃんは強ばった顔でママに向かって口を開いた。
「有希子叔母さん、すみません。俺……、少し前から麻希ちゃんと…お付き合いさせてもらってます…。」
ええ?!雪ちゃん?!言っていいの?!私が驚いている顔にママは厳しい顔で雪ちゃんを見つめる。
「麻希子はまだ高校生よ?あなた、分かってる?」
「………はい。」
「マ、ママ!雪ちゃんに好きって告白したのは私なのっ!」
「麻希子は少し黙ってなさい。」
ピシャッと跳ね退けられて私は、尚更目を丸くしてしまう。だって雪ちゃんが何かした訳じゃないのに、何でママは雪ちゃんを問い詰めるの?私が問い詰められるなら分かるけど、雪ちゃんが悪い訳じゃないのに。
「家の前で抱き合ってるくらいは大目に見るけど、キスマークをつけたり夜中に抱きかかえてキスしたり、大人の男のすることじゃないわよね?雪ちゃん。」
「……仰る通りです。」
え?家の前で抱きあった?そんなことあった?あ、あったかも。でも、あれはあの停電の時の事だから、ママは大目に見てたってこと?って言うかキスマークにも気がついてたの?何で何にも言わないで、今になって言うの?!しかも、昨日の夜中の事見てたの?ママってば!よい家庭の母親にしか見えないママの鋭い視線に雪ちゃんは、青ざめた顔で項垂れる。ちょ、ちょっと待ってよ!何でそんなに詰問状態なの?
「ママ!雪ちゃんばっかり虐めないで!私がいいって思ってるんだよ!」
「麻希子、恋愛は個人の自由だけど、まだ麻希子は子供なの。未成年なんだから、今何かあったら責任は雪ちゃんだけが被ることになるのよ。」
責任?責任って何?だって、好きな人とお付き合いしてるだけなのに、これに何の責任があるの?そう考えているのを読み取ったみたいに、ママは目を細めて私の事を見つめる。
「麻希子、同級生とお付き合いしてるのとは違うの。自分の歳や社会の常識を踏まえてお付き合いしないと、雪ちゃんを傷つけることになるわ。」
「何で?雪ちゃんは大事にしてくれるし、私も雪ちゃんの事を大事に思ってる。」
食い下がった私に雪ちゃんの視線がママの事を真っ直ぐに見つめて、強ばったままの口を開いた。
「叔母さん、すみません。僕の責任の事は、十分理解してます。でも、……麻希ちゃんの事が必要なんです、僕には。」
その言葉に私は目を丸くする。そんな風に言われるなんて思いもしなかったから、何か凄く嬉しいけど恥ずかしい。ママは一瞬黙りこんだけど、やがて深い溜め息をついてテーブルの上で指を組む。
「まあ、遅かれ早かれこうなるような気はしていたけど。」
昔っからあんた達ベッタリだったしと諦め半分の声でママが呟くのに、雪ちゃんは少し困ったような顔で俯く。そう言われるとその通りなんだけど一応離れた期間もあるわけだし、雪ちゃんは結婚もしてるわけで。それでもママが全面反対という風ではないのに気がつく。あの時センセに厳しく詰問したのと同じで、一応ハッキリさせないとって言うことなのかも。
「で、正直なところはどうなの?麻希子。」
「どう?」
「男女として、ってこと。最近雪ちゃんの家に通いつめたり、泊まったりしてるけど、どうなの?」
何?何の事を聞きたいのって顔をした私に、ママは眉を上げて目を細める。その表情にやっと合点がいった私は、ママが言う責任の所在云々って言う話の意味が納得できた。いや、こう言うことって宣言するものじゃないよね?それに、何か?そういうことが先ずありきで会話してたの?
「雪ちゃんにはお嫁さんになるまで駄目ってちゃんと言ってあります。」
そう告げた言葉はママには予想外だったみたいで、目の前のママは私達を眺めて唖然とするように目を丸くしていた。
朝目が覚めてから、自分が見ていた夢の事を改めて思い返してみた。夢でみたあれは全部本当の事で、何でこんなにもスッカリ忘れ去っていたのかと思うくらい今は鮮明。人間の記憶ってこうして考えてみると凄く不思議だなって考える。色々子供なりに考えていたんだろうなっては自分でも思うんだけど、こんなにも思い出してしまうとやっぱり私は子供だった。凄く雪ちゃんの事が好きで、大事にしたかったのに子供の理屈で一緒に居られないと知ったら逃げ出すなんて。思わずベットの上で膝を抱えてしまう。それにしても、思い出したら何て言うか、私の中の感情がよく分からない。いや、好きが分からないんじゃなくて、それよりももっと違う感情があるのに気がつく。雪ちゃんを大事にしたいって言うのは、好きよりももっと強くて。一番近いのは愛情なのかもしれないって思うと、膝に埋めた頬が熱い気がする。それこそ私の愛は増すばかりで、雪ちゃんと一緒にいたいって考えてる自分がいて驚いてしまう。
これって、普通の事?
何かずっと重い蓋をしていたのが、蓋が外れて溢れ出したみたい。そんなことを考えていたら、ドアをノックする音がしてママが起きてるならちょっと下に来なさいって声をかけてきた。学校は休校の連絡が来ていたけど、何か新しい連絡でもあったのかな。急いで着替えをして下に顔を出すと、そこには雪ちゃんとママが向かい合って座っている。あれ?衛はって思ったら、そっか、高校は休校だけど小学校は関係なかった。パパももう仕事に出た後みたいで、家の中はここにいる3人だけみたい。
「麻希子、そこに座りなさい。」
ママの何時にない声に私は戸惑いながら雪ちゃんの横に座る。横の雪ちゃんの顔が少し強ばっているのに気がついて、私は不思議に思いながらママを見つめた。
「雪ちゃん、正直に話してもらえるかしら。」
ママの固い声は、以前センセが謝罪に来た時と同じに聞こえる。正直に?何の事って私が雪ちゃんを見上げると、雪ちゃんは強ばった顔でママに向かって口を開いた。
「有希子叔母さん、すみません。俺……、少し前から麻希ちゃんと…お付き合いさせてもらってます…。」
ええ?!雪ちゃん?!言っていいの?!私が驚いている顔にママは厳しい顔で雪ちゃんを見つめる。
「麻希子はまだ高校生よ?あなた、分かってる?」
「………はい。」
「マ、ママ!雪ちゃんに好きって告白したのは私なのっ!」
「麻希子は少し黙ってなさい。」
ピシャッと跳ね退けられて私は、尚更目を丸くしてしまう。だって雪ちゃんが何かした訳じゃないのに、何でママは雪ちゃんを問い詰めるの?私が問い詰められるなら分かるけど、雪ちゃんが悪い訳じゃないのに。
「家の前で抱き合ってるくらいは大目に見るけど、キスマークをつけたり夜中に抱きかかえてキスしたり、大人の男のすることじゃないわよね?雪ちゃん。」
「……仰る通りです。」
え?家の前で抱きあった?そんなことあった?あ、あったかも。でも、あれはあの停電の時の事だから、ママは大目に見てたってこと?って言うかキスマークにも気がついてたの?何で何にも言わないで、今になって言うの?!しかも、昨日の夜中の事見てたの?ママってば!よい家庭の母親にしか見えないママの鋭い視線に雪ちゃんは、青ざめた顔で項垂れる。ちょ、ちょっと待ってよ!何でそんなに詰問状態なの?
「ママ!雪ちゃんばっかり虐めないで!私がいいって思ってるんだよ!」
「麻希子、恋愛は個人の自由だけど、まだ麻希子は子供なの。未成年なんだから、今何かあったら責任は雪ちゃんだけが被ることになるのよ。」
責任?責任って何?だって、好きな人とお付き合いしてるだけなのに、これに何の責任があるの?そう考えているのを読み取ったみたいに、ママは目を細めて私の事を見つめる。
「麻希子、同級生とお付き合いしてるのとは違うの。自分の歳や社会の常識を踏まえてお付き合いしないと、雪ちゃんを傷つけることになるわ。」
「何で?雪ちゃんは大事にしてくれるし、私も雪ちゃんの事を大事に思ってる。」
食い下がった私に雪ちゃんの視線がママの事を真っ直ぐに見つめて、強ばったままの口を開いた。
「叔母さん、すみません。僕の責任の事は、十分理解してます。でも、……麻希ちゃんの事が必要なんです、僕には。」
その言葉に私は目を丸くする。そんな風に言われるなんて思いもしなかったから、何か凄く嬉しいけど恥ずかしい。ママは一瞬黙りこんだけど、やがて深い溜め息をついてテーブルの上で指を組む。
「まあ、遅かれ早かれこうなるような気はしていたけど。」
昔っからあんた達ベッタリだったしと諦め半分の声でママが呟くのに、雪ちゃんは少し困ったような顔で俯く。そう言われるとその通りなんだけど一応離れた期間もあるわけだし、雪ちゃんは結婚もしてるわけで。それでもママが全面反対という風ではないのに気がつく。あの時センセに厳しく詰問したのと同じで、一応ハッキリさせないとって言うことなのかも。
「で、正直なところはどうなの?麻希子。」
「どう?」
「男女として、ってこと。最近雪ちゃんの家に通いつめたり、泊まったりしてるけど、どうなの?」
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