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12月
234.アナナス
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12月30日 金曜日
今日は朝からとんでもなく忙しい。普通の家でもこうなのかな?兎も角家では朝からママとお手伝いの私はフル回転している。何がって?お節です!まずは煮物から始めるけど、殆ど同時に色々なことをしないとならない。家では田作り、黒豆煮、棒だらの煮付け、にしんの昆布巻き、高野豆腐の含め煮、筑前煮を作るんだ。一緒に漬け置きにしておくものも調理開始。海老の旨煮と数の子の漬け汁を作っている合間に、棒だらの煮付けを平行してママが作ってる。私は数の子の下拵えをして、その後は筑前煮の飾り切りの残りだ。
菊花かぶ、酢れんこん、たたきごぼう、なますも今日作っておくと、しっかりと味が染み渡るからってママがにしんの昆布巻きを作る横で、野菜を延々と切り続けている私。それにしてもすごく手間がかかるんだよね、お節料理って。最近よく買いたくなっちゃうって、スーパーでおばさん達が話してたのも分かる。何故かママは最近ローストビーフの作り方をおぼえたらしくって、今日作って寝かせておくって塊肉を取り出してるけど。何か作った端から熱湯消毒しておいたタッパーに入れて、玄関近くの寒いところに持っていって順番に置くのを繰り返してる。何かこれって冬ごもり前に食料を蓄えている………これ以上、言うのやめよう。せっかく冬休みで、そんなに言われてないのに。しかも、凄く忙しいんだから、一人モモンガでガックリしてる場合じゃない。
「麻希子が手伝ってくれるから、進行が早いわー。」
「毎年やってるし、そんなに変わんなくない?」
「でも、今年は早いわよ。」
そうかなぁ?休憩しながらとはいえ、既に午前中殆どお節に費やしてますが。それにしてもお節を買う人達って今の時間は、何をしてるんだろう。お出掛けとかしてるのかなぁ?もしかして今さら大掃除とか?でも、お仕事してたりしたら大掃除も大変だよねぇ、お節も一人分を作るのは物悲しいしなぁ。一人分なら買っちゃう方が確かにいいんだろうけど、一人でお節つつくのも何か切ないかも。そうなると独り暮らしとかって人はお節は確かに食べないのかもしれないなぁ。
そんなことを考えながら、独り暮らしかぁって考えてしまう。私はまだ独りで暮らしたことがないけど、独りでお家に帰ってって…どんな感じなのかなぁ。そんなことを考えながら何とかお節の準備が落ち着いて、私とママは溜め息で腰を下ろす。
「ねぇ、ママは独り暮らししたことある?」
「少しはね。」
「お節はどうしてたの?」
「仕事納めの後は実家に帰ってたからねぇ。」
あ、そっか。そう言うこともあるのか。そう言えば帰省で新幹線のニュースもやるし、海外に旅行って人達も大勢いるんだもんね。お節を食べないって人も多分一杯いるんだろうなぁ。独り暮らしかぁ。もし、大学生になったりしたら独り暮らしとかするのかな?あんまり考えてなかったけど、来年は受験生だしそう言うことも考えなきゃいけないのか。でも、もし独り暮らしになったら、もっと雪ちゃんと会う時間は増えるのかなぁ。リビングにいるパパの背中を眺めてたら、凄く考えちゃう私。独り暮らしもあるかもしれないけど、雪ちゃんのお家なんて事も有り得たりする?でも、それって同棲っていうのかな?そう言うのはやっぱり結婚するって決まってから?
うーん。考えてるとよく分かんないけど、お泊まりが普通になるんだよね。
一段落したからって階段を上がりながら、私はもう一回リビングのパパと話しているママの声を聞きながら階段から見下ろす。こうしてみるとあんまり今まで、家を出て暮らすって考えたことがなかったな。何かこのままずっとここに暮らしてるような気がしてたけど、考えたら大学生とか社会人になったらここから出て行くこともあるのかも。勿論このまま家から通うって言うのも、可能性としては充分あるんだろうけど。そんなことを考えるとちょっと感傷的な気分。
大人になるのってあっという間だってセンセもいってたけど、本当にそうなのかも。
だって、小学生の時の記憶もまだ鮮やかなのに、気がついたらお家を出ていくかもなんて考えてるんだもん。衛とか智美君の記憶はどんな風に見えるのかな。もっと鮮明に記憶が残っているんだろうけど、私ですらこんなに感じるんだからこんな考えも私よりもっと強く感じちゃうのかもしれない。階段を上がりきって自分の部屋に戻った私は、思わずベットに寝転んで考え込む。小さい時の記憶はあんまりないけど、それを思い出せるとしたらフォークロア・ゲートみたいに旅に出る気になるかな。久々にゲームのことを考えてるけど、どうなのかなって考えてしまう。リリアのように手紙が届いたら旅に出なきゃって思うかもしれないけど、そうでもなければ無理に思い出したいって感じないかも。忘れてて当然って言うのがあるような気がするなんて、都合が良すぎるかな。でも、ここ数ヵ月の事を振り返ると、忘れてもいいことってあるような気がする。大事なことも確かにあるけど、それだけに縛られてしまうのは悲しい事だよ。雪ちゃんもいってたけど幸せな記憶をたくさん作る方がいいんだけど、本当は幸せな記憶を作る方がずっと難しいんじゃないかな。2年生になってあった事を考えると、今さらだけどそんな風に思ってしまう。
今年は色々あったなぁ……。
香苗と木内梓と矢根尾って人と。早紀ちゃんと孝君と、智美君と仁君と鳥飼さんとセンセと。数えたらきりがない位色々有りすぎて、たった一年の間で沢山の事が変わった気がする。でも、一番変わったのは雪ちゃんと私なのかな?
今日は朝からとんでもなく忙しい。普通の家でもこうなのかな?兎も角家では朝からママとお手伝いの私はフル回転している。何がって?お節です!まずは煮物から始めるけど、殆ど同時に色々なことをしないとならない。家では田作り、黒豆煮、棒だらの煮付け、にしんの昆布巻き、高野豆腐の含め煮、筑前煮を作るんだ。一緒に漬け置きにしておくものも調理開始。海老の旨煮と数の子の漬け汁を作っている合間に、棒だらの煮付けを平行してママが作ってる。私は数の子の下拵えをして、その後は筑前煮の飾り切りの残りだ。
菊花かぶ、酢れんこん、たたきごぼう、なますも今日作っておくと、しっかりと味が染み渡るからってママがにしんの昆布巻きを作る横で、野菜を延々と切り続けている私。それにしてもすごく手間がかかるんだよね、お節料理って。最近よく買いたくなっちゃうって、スーパーでおばさん達が話してたのも分かる。何故かママは最近ローストビーフの作り方をおぼえたらしくって、今日作って寝かせておくって塊肉を取り出してるけど。何か作った端から熱湯消毒しておいたタッパーに入れて、玄関近くの寒いところに持っていって順番に置くのを繰り返してる。何かこれって冬ごもり前に食料を蓄えている………これ以上、言うのやめよう。せっかく冬休みで、そんなに言われてないのに。しかも、凄く忙しいんだから、一人モモンガでガックリしてる場合じゃない。
「麻希子が手伝ってくれるから、進行が早いわー。」
「毎年やってるし、そんなに変わんなくない?」
「でも、今年は早いわよ。」
そうかなぁ?休憩しながらとはいえ、既に午前中殆どお節に費やしてますが。それにしてもお節を買う人達って今の時間は、何をしてるんだろう。お出掛けとかしてるのかなぁ?もしかして今さら大掃除とか?でも、お仕事してたりしたら大掃除も大変だよねぇ、お節も一人分を作るのは物悲しいしなぁ。一人分なら買っちゃう方が確かにいいんだろうけど、一人でお節つつくのも何か切ないかも。そうなると独り暮らしとかって人はお節は確かに食べないのかもしれないなぁ。
そんなことを考えながら、独り暮らしかぁって考えてしまう。私はまだ独りで暮らしたことがないけど、独りでお家に帰ってって…どんな感じなのかなぁ。そんなことを考えながら何とかお節の準備が落ち着いて、私とママは溜め息で腰を下ろす。
「ねぇ、ママは独り暮らししたことある?」
「少しはね。」
「お節はどうしてたの?」
「仕事納めの後は実家に帰ってたからねぇ。」
あ、そっか。そう言うこともあるのか。そう言えば帰省で新幹線のニュースもやるし、海外に旅行って人達も大勢いるんだもんね。お節を食べないって人も多分一杯いるんだろうなぁ。独り暮らしかぁ。もし、大学生になったりしたら独り暮らしとかするのかな?あんまり考えてなかったけど、来年は受験生だしそう言うことも考えなきゃいけないのか。でも、もし独り暮らしになったら、もっと雪ちゃんと会う時間は増えるのかなぁ。リビングにいるパパの背中を眺めてたら、凄く考えちゃう私。独り暮らしもあるかもしれないけど、雪ちゃんのお家なんて事も有り得たりする?でも、それって同棲っていうのかな?そう言うのはやっぱり結婚するって決まってから?
うーん。考えてるとよく分かんないけど、お泊まりが普通になるんだよね。
一段落したからって階段を上がりながら、私はもう一回リビングのパパと話しているママの声を聞きながら階段から見下ろす。こうしてみるとあんまり今まで、家を出て暮らすって考えたことがなかったな。何かこのままずっとここに暮らしてるような気がしてたけど、考えたら大学生とか社会人になったらここから出て行くこともあるのかも。勿論このまま家から通うって言うのも、可能性としては充分あるんだろうけど。そんなことを考えるとちょっと感傷的な気分。
大人になるのってあっという間だってセンセもいってたけど、本当にそうなのかも。
だって、小学生の時の記憶もまだ鮮やかなのに、気がついたらお家を出ていくかもなんて考えてるんだもん。衛とか智美君の記憶はどんな風に見えるのかな。もっと鮮明に記憶が残っているんだろうけど、私ですらこんなに感じるんだからこんな考えも私よりもっと強く感じちゃうのかもしれない。階段を上がりきって自分の部屋に戻った私は、思わずベットに寝転んで考え込む。小さい時の記憶はあんまりないけど、それを思い出せるとしたらフォークロア・ゲートみたいに旅に出る気になるかな。久々にゲームのことを考えてるけど、どうなのかなって考えてしまう。リリアのように手紙が届いたら旅に出なきゃって思うかもしれないけど、そうでもなければ無理に思い出したいって感じないかも。忘れてて当然って言うのがあるような気がするなんて、都合が良すぎるかな。でも、ここ数ヵ月の事を振り返ると、忘れてもいいことってあるような気がする。大事なことも確かにあるけど、それだけに縛られてしまうのは悲しい事だよ。雪ちゃんもいってたけど幸せな記憶をたくさん作る方がいいんだけど、本当は幸せな記憶を作る方がずっと難しいんじゃないかな。2年生になってあった事を考えると、今さらだけどそんな風に思ってしまう。
今年は色々あったなぁ……。
香苗と木内梓と矢根尾って人と。早紀ちゃんと孝君と、智美君と仁君と鳥飼さんとセンセと。数えたらきりがない位色々有りすぎて、たった一年の間で沢山の事が変わった気がする。でも、一番変わったのは雪ちゃんと私なのかな?
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