296 / 591
1月
239.ヒヤシンス 白
しおりを挟む
1月4日 水曜日
三が日の喧騒が収まり、少し穏やかな新年4日目の朝。何故か昨日の夜二人で飲んでた雪ちゃんとパパは二日酔いらしくて起きてこないし、ママは衛と一緒にお出かけ。私は目下ボンヤリ考え事してたんだけど。それにしても今年の冬休みは始まり自体が遅かったのもあったし、あとホンの少しだけで本当にあっという間に3学期が来ちゃう。噂で東北の方では冬休みが1月の半ばまであるんだって聞いていいなぁって思ったら、そのかわり夏休みが関東とは違って8月中に終わっちゃうんだって。
どっちがいいかって言われると……どっちが良いのかなぁ?
暑い時期に学校に行くのもやだけど、冬休みの短さも正直やだ。うーん、どっちも長いのが一番なんだけどなあ。なんて勝手なことを考えつつ。
因みに昨日の智美君との話で出たシマエナガは帰ってから調べました。ググってみたらコロンとした小鳥が出てきて、しかも小首を傾げてて確かに可愛いけど。可愛いんだけどね。控えめな愛らしさ抜群なんだけど……エゾモモンガとかシマエナガとかハムスターとかって皆して酷すぎる。私のイメージは皆プチサイズってことなんだろうか。どれもこれも小動物ばかりで、なんか正直なぁって思うんだけど。何かこんなことばっかり考えてると、少しきが滅入ってしまうので少しお散歩に。
冬のヒンヤリした空気の中テクテク歩いているだけだけど、お正月のせいなのか少し街の中は静かな気がする。考えてみたら私達は3学期が始まるだけだけど、源川先輩や坂本先輩達、部活の先輩達もあと少しで卒業なんだなぁ。部活の先輩の中には美術大に進む人もいるし、これから受験っていう先輩もいる。そう言えば、センター試験だってこれからだったし。
「よく会うなぁ、モモ。」
うえ?!何で?って振り返ると、源川先輩がスポーツバッグを肩にかけて不思議そうに目を丸くしている。確かに凄く出会っている気がするんですが、何ででしょうか。そう問いかけたいのは私の方で。
「モモの家ってここら辺なのか?」
「いえ、知り合いの家がこっちで、家から歩くとここら辺通るんです。」
「知り合いの家ってあの溺愛彼氏?」
えええ?!溺愛彼氏ってそんなに雪ちゃんあからさま?!そんな風に見えるの?思わず私が目を丸くすると、源川先輩はおかしそうに笑う。
「そんなに表に出てますか?」
心静かな愛だとは言いがたいけど、私自身にはあんまりそんな感じがないからよく分からない。先輩は私の言葉に少しあれという風に目を細めた。
「モモの頭撫でてたら手払われただろ?あん時それ以上触ったら闇討ちされそうな目で睨まれた。」
ふふと可笑しそうにいうけど、そ、そんな目で見られたんですか?と考えてしまう。だけど先輩そんな暢気に言ってて、いいんものなんでしょうか。謝った方が良いのかなぁ?これって。
「まあ、俺もそんな気分になることあるから、モモの彼氏の気持ちがわかるのかもな。」
「そうなんですか?」
そう言えば源川先輩は、最近真剣なお付き合いしてるって噂になってる。まあ、尾ひれがついて男の人と付き合ってるとか、色々不思議な噂になってもいるけど。確か前に私と雪ちゃんが一緒にいるのを、その恋人さんと一緒の先輩がみてて。お互いに気を付けないとなって話していたんだった。つまりは先輩の恋人さんも年上とか、少し大っぴらには出来ない人ってことなんだよね。………まさか、学校の先生とかっては言わないよね。それは確かに絶対バレたら困る気がする。何か何気なく雪ちゃんのお家に向かって、先輩と並んで歩いてるけど先輩は一体何処に行くんだろう。
「先輩は何処かにいくんですか?」
「ん?家帰るとこ。」
「部活…じゃないですよね?」
スポーツバッグに視線を向けた私に、源川先輩は気がついたように笑う。それほど中身が入ってそうではないけど、どうみても空っぽとは思えない。
「ああ、これ?前の家に残ってた荷物はこんでんの。」
「あ、大学生になるから独り暮らしなんですか。」
成る程と納得したものの、歩いて荷物が運べるならお家から通ってもいいんじゃなかろうか。というか、先輩はもう合格してるんだなぁって感心する。先輩は私の言葉に目を丸くしてから、少し可笑しそうに笑う。
「宮井って本当素直っていうか純真だよな。……そっか、それいいな、今度聞かれたらそう答える。」
え?ってことは今の私の返答は的はずれってことでしょうか?大学生が的はずれ?専門学校とか?っていうか宮井って言うんならモモを止めてください。
「先輩って将来何になりたいんですか?」
「建築士。」
「ええ?!そうなんだ!」
何で今驚いたよ?と先輩が笑う。いや、何か絶対先輩ってそういうお堅い職業じゃなくて、芸能人とかモデルとか華々しいモノになりそう。素直にそう言うと、まあ前のイメージがあるもんなと笑う。こうして話してみたら分かるけど、正直前の源川先輩のイメージって格好いいけどホストっていうか、あんまりいいイメージじゃなかった。出来れば関わらないでいた方がいいかなって、感じだったんだけど。こうして話すようになったら優しいし気配りもしてくれるし、女の子にモテるのは当然だろうなって思うこともある。そうなると大学ですかって聞いたら、そう工学部ねと先輩は言う。工学部って……頭良さそう。
「あ、俺こっちだから、一人でフラフラ飛び回るなよ?明るい内に帰るんだぞ?道分かるな?」
「だーから、モモンガでもないし、小さい子供でも無いんですが。」
先輩は朗らかに笑って大きなマンションに入る道を曲がって手を振ってくれた。何か、たった1つしか年が違わないのに、あんなに普通に自分の将来を先輩が考えてるってこと自体に少し驚く。私ももう少し考えておかないとダメなんだろうなぁ…
それにしても先輩は前の家から、何で徒歩圏内にお引っ越ししてるんだろうか……
三が日の喧騒が収まり、少し穏やかな新年4日目の朝。何故か昨日の夜二人で飲んでた雪ちゃんとパパは二日酔いらしくて起きてこないし、ママは衛と一緒にお出かけ。私は目下ボンヤリ考え事してたんだけど。それにしても今年の冬休みは始まり自体が遅かったのもあったし、あとホンの少しだけで本当にあっという間に3学期が来ちゃう。噂で東北の方では冬休みが1月の半ばまであるんだって聞いていいなぁって思ったら、そのかわり夏休みが関東とは違って8月中に終わっちゃうんだって。
どっちがいいかって言われると……どっちが良いのかなぁ?
暑い時期に学校に行くのもやだけど、冬休みの短さも正直やだ。うーん、どっちも長いのが一番なんだけどなあ。なんて勝手なことを考えつつ。
因みに昨日の智美君との話で出たシマエナガは帰ってから調べました。ググってみたらコロンとした小鳥が出てきて、しかも小首を傾げてて確かに可愛いけど。可愛いんだけどね。控えめな愛らしさ抜群なんだけど……エゾモモンガとかシマエナガとかハムスターとかって皆して酷すぎる。私のイメージは皆プチサイズってことなんだろうか。どれもこれも小動物ばかりで、なんか正直なぁって思うんだけど。何かこんなことばっかり考えてると、少しきが滅入ってしまうので少しお散歩に。
冬のヒンヤリした空気の中テクテク歩いているだけだけど、お正月のせいなのか少し街の中は静かな気がする。考えてみたら私達は3学期が始まるだけだけど、源川先輩や坂本先輩達、部活の先輩達もあと少しで卒業なんだなぁ。部活の先輩の中には美術大に進む人もいるし、これから受験っていう先輩もいる。そう言えば、センター試験だってこれからだったし。
「よく会うなぁ、モモ。」
うえ?!何で?って振り返ると、源川先輩がスポーツバッグを肩にかけて不思議そうに目を丸くしている。確かに凄く出会っている気がするんですが、何ででしょうか。そう問いかけたいのは私の方で。
「モモの家ってここら辺なのか?」
「いえ、知り合いの家がこっちで、家から歩くとここら辺通るんです。」
「知り合いの家ってあの溺愛彼氏?」
えええ?!溺愛彼氏ってそんなに雪ちゃんあからさま?!そんな風に見えるの?思わず私が目を丸くすると、源川先輩はおかしそうに笑う。
「そんなに表に出てますか?」
心静かな愛だとは言いがたいけど、私自身にはあんまりそんな感じがないからよく分からない。先輩は私の言葉に少しあれという風に目を細めた。
「モモの頭撫でてたら手払われただろ?あん時それ以上触ったら闇討ちされそうな目で睨まれた。」
ふふと可笑しそうにいうけど、そ、そんな目で見られたんですか?と考えてしまう。だけど先輩そんな暢気に言ってて、いいんものなんでしょうか。謝った方が良いのかなぁ?これって。
「まあ、俺もそんな気分になることあるから、モモの彼氏の気持ちがわかるのかもな。」
「そうなんですか?」
そう言えば源川先輩は、最近真剣なお付き合いしてるって噂になってる。まあ、尾ひれがついて男の人と付き合ってるとか、色々不思議な噂になってもいるけど。確か前に私と雪ちゃんが一緒にいるのを、その恋人さんと一緒の先輩がみてて。お互いに気を付けないとなって話していたんだった。つまりは先輩の恋人さんも年上とか、少し大っぴらには出来ない人ってことなんだよね。………まさか、学校の先生とかっては言わないよね。それは確かに絶対バレたら困る気がする。何か何気なく雪ちゃんのお家に向かって、先輩と並んで歩いてるけど先輩は一体何処に行くんだろう。
「先輩は何処かにいくんですか?」
「ん?家帰るとこ。」
「部活…じゃないですよね?」
スポーツバッグに視線を向けた私に、源川先輩は気がついたように笑う。それほど中身が入ってそうではないけど、どうみても空っぽとは思えない。
「ああ、これ?前の家に残ってた荷物はこんでんの。」
「あ、大学生になるから独り暮らしなんですか。」
成る程と納得したものの、歩いて荷物が運べるならお家から通ってもいいんじゃなかろうか。というか、先輩はもう合格してるんだなぁって感心する。先輩は私の言葉に目を丸くしてから、少し可笑しそうに笑う。
「宮井って本当素直っていうか純真だよな。……そっか、それいいな、今度聞かれたらそう答える。」
え?ってことは今の私の返答は的はずれってことでしょうか?大学生が的はずれ?専門学校とか?っていうか宮井って言うんならモモを止めてください。
「先輩って将来何になりたいんですか?」
「建築士。」
「ええ?!そうなんだ!」
何で今驚いたよ?と先輩が笑う。いや、何か絶対先輩ってそういうお堅い職業じゃなくて、芸能人とかモデルとか華々しいモノになりそう。素直にそう言うと、まあ前のイメージがあるもんなと笑う。こうして話してみたら分かるけど、正直前の源川先輩のイメージって格好いいけどホストっていうか、あんまりいいイメージじゃなかった。出来れば関わらないでいた方がいいかなって、感じだったんだけど。こうして話すようになったら優しいし気配りもしてくれるし、女の子にモテるのは当然だろうなって思うこともある。そうなると大学ですかって聞いたら、そう工学部ねと先輩は言う。工学部って……頭良さそう。
「あ、俺こっちだから、一人でフラフラ飛び回るなよ?明るい内に帰るんだぞ?道分かるな?」
「だーから、モモンガでもないし、小さい子供でも無いんですが。」
先輩は朗らかに笑って大きなマンションに入る道を曲がって手を振ってくれた。何か、たった1つしか年が違わないのに、あんなに普通に自分の将来を先輩が考えてるってこと自体に少し驚く。私ももう少し考えておかないとダメなんだろうなぁ…
それにしても先輩は前の家から、何で徒歩圏内にお引っ越ししてるんだろうか……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる