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2月
293.オーニソガラム
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2月27日 月曜日
こういうのを純粋な才能って言うと思うんだけど、頭のよさもここまで来ると才能のひとつだと思う。
先週の学年末テストが早速帰って来始めていて、智美君と仁君と若瀬君が接戦を繰り広げているらしいのは分かった。数学と世界史と英語が帰ってきたんだけど今のところミスなしなのは智美君で、1問か2問ケアレスミスをしたらしい若瀬君と仁君が悶絶しているのは何で?ほんの1問か2問なら九十何点ってことでしょ?ならいいじゃんって思ったら、どうやらあの3人ってば3人の内で1番下の順位になったら他の2人に奢らなきゃならないなんて不謹慎な約束してるらしい。余裕なんだかなんなんだか……。呆れて見てたんだけど、でも正直なところなんだけど、ケーキワンホール余裕で食べる智美君に奢るってちょっと怖いかも。智美君ってよく言う痩せの大食いって奴だよね?絶対。早紀ちゃんのランチボックスがとんでもない巨大なのもう皆もとっくに知ってるけど、あのランチボックス割合としては智美君がかなりの部分で綺麗に平らげているんだ。ピクニック用のランチボックスを皆も摘まませて貰うことはあるんだけど、基本的には早紀ちゃんと智美君と孝君のお弁当な訳で。しかも、『茶樹』で試食してって言われたケーキ結構食べてたんだよね。それを考えると智美君に奢るってちょっと怖いかも。あ、食べ放題とかならいいのかなぁ?でも、なんか食べ放題でも平気でペロッと食べてそうで、地味に怖いのは私だけかなぁ。
ちなみに私のテストの結果は以前と比べるとかなりのベースアップ。嬉しい!苦手だった数学がかなり点数がよくて、ジーンッてテスト用紙を思わず抱き締めてしまった。香苗も数学は前回から10点も上がったって小躍りしてるし。早紀ちゃんもかなりいい点数だったって言うから、勉強の成果だよねっ!世界史も英語も割合予想より10点数か15点も良かったんだよ!このまま全部上手く行くといいんだけど、そうはいかないものだよね。でも、何はともあれ一先ず数学が良かったのは、良しとしよう!
※※※
そんな帰り道の途中で、私はまたあの黒髪のお姉さんを見かけた。あの綺麗な黒髪のお姉さんは通りの向こうを歩いていたんだけど、私の視線に気がついたみたいに微笑んでくれて手を振ってくれる。人懐っこくて綺麗な人だなぁって思いながら、こっちも思わず微笑んで手をあげてしまう。こんなに出会っちゃうんだもん、今度お話しした時にはお名前聞かなきゃ。いつまでも黒髪の綺麗なお姉さんじゃないよねー。
そんなことを考えながらお姉さんが歩く姿を眺めていたら、そのお姉さんの後をトレンチコートの男の人が距離を保って歩いているのに気がついた。
あの人…お姉さんの後つけてる?
そんな風に見えてしまう距離感で、その男の人は時々視線を上げてお姉さんの方を見て再び歩いていく。あのトレンチコート見たことある……、そんなことを思いながら立ち尽くしてその姿を見つめる。草臥れた疲れた感じのする中年の男性。髪はよく見れば白髪が少し混じっていて、パパより結構年上なのかもしれない。中にはスーツを着こんでいるように見えるけど、寒そうに襟を立てて歩いていて目元が少し見えるだけ。俯いてコートに顔を埋めるようにして一定の距離でお姉さんの後ろを歩いているのは、この間私がぶつかった男の人なんだろうか。通りを挟んでだと、遠すぎてそうだとは正直言えない。トレンチコートだってスーツの人は割合着ているから、同じ物だとも言いきれないし髪型だってハッキリ同じだって襟があると言えないよ。でも、何か凄い違和感を感じる歩き方なんだ。お姉さんの後をピッタリついて歩いているみたいで、ふっとこの間私がぶつかった時にその先にお姉さんがいたんだろうかって思ってしまう。もしかしてそうだとしたら?お姉さんと結構出会ってると思うけど、お姉さんと私達って行動範囲とか時間が噛み合っててそれであの男の人をよく見かけるんだとしたら?お姉さんを男の人はつけ回して要るってことにはならないだろうか。私とお姉さんが話していたから、この間ぶつかった時にあの男の人が私の腕を捕まえたんだとしたら?もしくはお姉さんが先に歩いていて知っていて私がぶつかって邪魔したんだと思ったとしたら?
そんなことを考えてしまったら、なんだか怖くて気持ち悪くなってしまった。咄嗟にお姉さんとその不審な男の人を追いかけようかと思って振り返ったけど、とっくに2人の姿は見えなくなっていて私はその場に立ち尽くしてしまう。
どうしよう………誰かに言った方がいいのかなぁ。
でも、そう感じただけで実は何も証拠もない。だって、この寒さだから襟を立てて風を避けて歩いていただけの男の人だったかも知れないでしょ。お姉さんの名前も住んでるところも知らないし、お姉さんが本当にあの男の人に跡をつけられているのかも分かんない。っていうか、何でこんなことばっかり考えてるの?何かトレンチコートの男の人に気になるものでもあるのかなぁ、私。そんなことをボンヤリと考えながら、暫く私は立ち尽くしたままでいたのだった。
こういうのを純粋な才能って言うと思うんだけど、頭のよさもここまで来ると才能のひとつだと思う。
先週の学年末テストが早速帰って来始めていて、智美君と仁君と若瀬君が接戦を繰り広げているらしいのは分かった。数学と世界史と英語が帰ってきたんだけど今のところミスなしなのは智美君で、1問か2問ケアレスミスをしたらしい若瀬君と仁君が悶絶しているのは何で?ほんの1問か2問なら九十何点ってことでしょ?ならいいじゃんって思ったら、どうやらあの3人ってば3人の内で1番下の順位になったら他の2人に奢らなきゃならないなんて不謹慎な約束してるらしい。余裕なんだかなんなんだか……。呆れて見てたんだけど、でも正直なところなんだけど、ケーキワンホール余裕で食べる智美君に奢るってちょっと怖いかも。智美君ってよく言う痩せの大食いって奴だよね?絶対。早紀ちゃんのランチボックスがとんでもない巨大なのもう皆もとっくに知ってるけど、あのランチボックス割合としては智美君がかなりの部分で綺麗に平らげているんだ。ピクニック用のランチボックスを皆も摘まませて貰うことはあるんだけど、基本的には早紀ちゃんと智美君と孝君のお弁当な訳で。しかも、『茶樹』で試食してって言われたケーキ結構食べてたんだよね。それを考えると智美君に奢るってちょっと怖いかも。あ、食べ放題とかならいいのかなぁ?でも、なんか食べ放題でも平気でペロッと食べてそうで、地味に怖いのは私だけかなぁ。
ちなみに私のテストの結果は以前と比べるとかなりのベースアップ。嬉しい!苦手だった数学がかなり点数がよくて、ジーンッてテスト用紙を思わず抱き締めてしまった。香苗も数学は前回から10点も上がったって小躍りしてるし。早紀ちゃんもかなりいい点数だったって言うから、勉強の成果だよねっ!世界史も英語も割合予想より10点数か15点も良かったんだよ!このまま全部上手く行くといいんだけど、そうはいかないものだよね。でも、何はともあれ一先ず数学が良かったのは、良しとしよう!
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そんな帰り道の途中で、私はまたあの黒髪のお姉さんを見かけた。あの綺麗な黒髪のお姉さんは通りの向こうを歩いていたんだけど、私の視線に気がついたみたいに微笑んでくれて手を振ってくれる。人懐っこくて綺麗な人だなぁって思いながら、こっちも思わず微笑んで手をあげてしまう。こんなに出会っちゃうんだもん、今度お話しした時にはお名前聞かなきゃ。いつまでも黒髪の綺麗なお姉さんじゃないよねー。
そんなことを考えながらお姉さんが歩く姿を眺めていたら、そのお姉さんの後をトレンチコートの男の人が距離を保って歩いているのに気がついた。
あの人…お姉さんの後つけてる?
そんな風に見えてしまう距離感で、その男の人は時々視線を上げてお姉さんの方を見て再び歩いていく。あのトレンチコート見たことある……、そんなことを思いながら立ち尽くしてその姿を見つめる。草臥れた疲れた感じのする中年の男性。髪はよく見れば白髪が少し混じっていて、パパより結構年上なのかもしれない。中にはスーツを着こんでいるように見えるけど、寒そうに襟を立てて歩いていて目元が少し見えるだけ。俯いてコートに顔を埋めるようにして一定の距離でお姉さんの後ろを歩いているのは、この間私がぶつかった男の人なんだろうか。通りを挟んでだと、遠すぎてそうだとは正直言えない。トレンチコートだってスーツの人は割合着ているから、同じ物だとも言いきれないし髪型だってハッキリ同じだって襟があると言えないよ。でも、何か凄い違和感を感じる歩き方なんだ。お姉さんの後をピッタリついて歩いているみたいで、ふっとこの間私がぶつかった時にその先にお姉さんがいたんだろうかって思ってしまう。もしかしてそうだとしたら?お姉さんと結構出会ってると思うけど、お姉さんと私達って行動範囲とか時間が噛み合っててそれであの男の人をよく見かけるんだとしたら?お姉さんを男の人はつけ回して要るってことにはならないだろうか。私とお姉さんが話していたから、この間ぶつかった時にあの男の人が私の腕を捕まえたんだとしたら?もしくはお姉さんが先に歩いていて知っていて私がぶつかって邪魔したんだと思ったとしたら?
そんなことを考えてしまったら、なんだか怖くて気持ち悪くなってしまった。咄嗟にお姉さんとその不審な男の人を追いかけようかと思って振り返ったけど、とっくに2人の姿は見えなくなっていて私はその場に立ち尽くしてしまう。
どうしよう………誰かに言った方がいいのかなぁ。
でも、そう感じただけで実は何も証拠もない。だって、この寒さだから襟を立てて風を避けて歩いていただけの男の人だったかも知れないでしょ。お姉さんの名前も住んでるところも知らないし、お姉さんが本当にあの男の人に跡をつけられているのかも分かんない。っていうか、何でこんなことばっかり考えてるの?何かトレンチコートの男の人に気になるものでもあるのかなぁ、私。そんなことをボンヤリと考えながら、暫く私は立ち尽くしたままでいたのだった。
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