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4月
332.クロッカス
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4月7日 金曜日
晴天の4月の空の下、風もないしスッカリ春の空気が辺りに満ちていて。そんな中なのに
「はぁ?」
昨日の話を思わず香苗に話したら、返ってきたのがこの言葉だった。何それと言われて私が聞きたいと言うと、思った以上の難物だったかと香苗が呟く。第一体育館じゃなくなったからやっぱり場所の狭さは致命的で、今日は入学式で殆どの生徒は休みなんだ。けど、私と香苗は受付で新入生に胸につける花を手渡す係。生徒会の役員は全員出てきてるし、後は土志田センセから頼まれて何人かがお手伝いに来ている。
うーん、青春の喜び真っ只中のピチピチの1年生は、初々しくて凄く可愛い。そうか、ついこの間まで中学生だったんだもんねって思いながら、眺めているのが個人的に凄く不思議だ。二年前の自分達もこうだったのかなぁなんて内心で思いながら入学おめでとうございますを繰り返して、やっと花を渡し終えたところだ。表に出していた長机を片付けながら、何気無く昨日の話をしているわけなんだけど。そこに早紀ちゃんも誘導係が終わって合流したというわけ。
「………そういうのって、どうなのかしらね。」
やっぱり早紀ちゃんも首を傾げている。正直そう言う始まりの恋愛小説はない訳じゃない。大概は余りいい彼氏じゃなくて、それにイケメンでカッコいい彼氏が登場して「俺にしとけよ!」って展開。でもさぁそれを自分に置き換えてどうですかって言われても、ハッキリ言って五十嵐君の事知らないし好きじゃないんだもん。うう、好きでもないのに付き合えないよ。
「まあ、告白されてから意識するってのもあるだろうけど、麻希子だもんねぇ。」
「雪ちゃんさんと比較されたら、五十嵐君の方が可哀想よね。」
何気に二人して酷いこといってる気がしなくもないけど。時々モッサリすることもあるけど、最近の雪ちゃんは髪も切ってるから常時イケメンなんだよ。それに頭はいいし、身長だって高いし、私的に俳優は別にしてなくていいし、時々ブラック雪ちゃんになることはあるけど。それに、私の事ずっと大事にしてくれてるし、私だって大事にしてるもん!って思ったけど、ここのところお仕事が忙しくて会えていないのは事実だ。雪ちゃん、お仕事で忙しくて、しかもお家に行くのにも今は誰かに付き添いなしだと禁止されてるから。
そうだ、明日の昼間にカステラ作って衛と一緒に雪ちゃん家にお泊まりしよう。
何しろ衛と直接メール交換出来るようになったから、帰ったら明日の昼間にカステラ作ろうって後で連絡したらいいや。それは兎も角、五十嵐君が早く諦めてくれないかなと思わず呟いてしまう。
「贅沢な悩みだね~、麻希子。売り出し中のイケメン俳優なのにね。」
「だって、また源川先輩の時みたいに女の子の嫉妬に巻き込まれるのやだもん。ちゃんと彼氏いるのに。」
そう私が言ったら香苗と早紀ちゃんが、二人揃って目を丸くする。え?何で?!私だってやなもんはやだよ?!って言ったら、二人揃って私の頭を撫でながら成長してる!って!!何ですと?!酷い!何で成長してるってこれで褒められるの?しかも、二人揃って言うことじゃないじゃん!素直にそう思うに決まってるでしょ?虐められたり、物隠されたり嫌に決まってるし。自分が関わってないことで、言いがかりも嫌に決まってるでしょーっ!そう不貞腐れた私に、だって麻希子って基本巻き込まれてから気がつくしって。うう、確かに前はそうだったけど、もう学習したんだもん!っていったらそれが成長じゃんって二人して抱きついてくる。え?そう言うこと?なんかスッゴい腑に落ちないけど、それでいいの?えー?
「あー、宮井ちゃんとスキンシップいいなぁ!」
「ええ?!」
何でか久保ちゃんと瑠璃ちゃんが加わって抱きつかれてますが。癒される~ってなんか凄く小動物かゆるキャラ扱いされてる気がするんだけど、気のせいだろうか。何か地味に皆の身長伸びた気がする…去年はみんな同じくらいだったのに、何か私だけ小さい気が……。せめて後5センチは私もほしいと心の中で切望するんだけど、ママと私ほぼ身長同じなんだよね。無理かなぁ…身長5センチって。そんなわけであんまりキャッキャッしてたら、私達の声を聞き付けたセンセがお前ら騒ぎ過ぎだって呆れ顔を覗かせた。
「だってセンセ、宮井ちゃんが超癒し系なんだもーん。」
「あー、それは分かったから、お前らの声が中庭迄響いてるからな。」
あうっ!それはいかん!って思わず皆で顔を見合わせてしまう。そんなとこ迄響いてたら、入学式真っ最中の第二体育館にも声が筒抜けになっちゃう。とはいえ一回笑い出したら皆してクスクス笑いが止まらないまま、それでも慌てて片付けを進める。何しろ入学式が終わったら体育館のパイプ椅子の片付けの手伝いにも回らないとならないし、まだまだやることは沢山で忙しいんだ。
晴天の4月の空の下、風もないしスッカリ春の空気が辺りに満ちていて。そんな中なのに
「はぁ?」
昨日の話を思わず香苗に話したら、返ってきたのがこの言葉だった。何それと言われて私が聞きたいと言うと、思った以上の難物だったかと香苗が呟く。第一体育館じゃなくなったからやっぱり場所の狭さは致命的で、今日は入学式で殆どの生徒は休みなんだ。けど、私と香苗は受付で新入生に胸につける花を手渡す係。生徒会の役員は全員出てきてるし、後は土志田センセから頼まれて何人かがお手伝いに来ている。
うーん、青春の喜び真っ只中のピチピチの1年生は、初々しくて凄く可愛い。そうか、ついこの間まで中学生だったんだもんねって思いながら、眺めているのが個人的に凄く不思議だ。二年前の自分達もこうだったのかなぁなんて内心で思いながら入学おめでとうございますを繰り返して、やっと花を渡し終えたところだ。表に出していた長机を片付けながら、何気無く昨日の話をしているわけなんだけど。そこに早紀ちゃんも誘導係が終わって合流したというわけ。
「………そういうのって、どうなのかしらね。」
やっぱり早紀ちゃんも首を傾げている。正直そう言う始まりの恋愛小説はない訳じゃない。大概は余りいい彼氏じゃなくて、それにイケメンでカッコいい彼氏が登場して「俺にしとけよ!」って展開。でもさぁそれを自分に置き換えてどうですかって言われても、ハッキリ言って五十嵐君の事知らないし好きじゃないんだもん。うう、好きでもないのに付き合えないよ。
「まあ、告白されてから意識するってのもあるだろうけど、麻希子だもんねぇ。」
「雪ちゃんさんと比較されたら、五十嵐君の方が可哀想よね。」
何気に二人して酷いこといってる気がしなくもないけど。時々モッサリすることもあるけど、最近の雪ちゃんは髪も切ってるから常時イケメンなんだよ。それに頭はいいし、身長だって高いし、私的に俳優は別にしてなくていいし、時々ブラック雪ちゃんになることはあるけど。それに、私の事ずっと大事にしてくれてるし、私だって大事にしてるもん!って思ったけど、ここのところお仕事が忙しくて会えていないのは事実だ。雪ちゃん、お仕事で忙しくて、しかもお家に行くのにも今は誰かに付き添いなしだと禁止されてるから。
そうだ、明日の昼間にカステラ作って衛と一緒に雪ちゃん家にお泊まりしよう。
何しろ衛と直接メール交換出来るようになったから、帰ったら明日の昼間にカステラ作ろうって後で連絡したらいいや。それは兎も角、五十嵐君が早く諦めてくれないかなと思わず呟いてしまう。
「贅沢な悩みだね~、麻希子。売り出し中のイケメン俳優なのにね。」
「だって、また源川先輩の時みたいに女の子の嫉妬に巻き込まれるのやだもん。ちゃんと彼氏いるのに。」
そう私が言ったら香苗と早紀ちゃんが、二人揃って目を丸くする。え?何で?!私だってやなもんはやだよ?!って言ったら、二人揃って私の頭を撫でながら成長してる!って!!何ですと?!酷い!何で成長してるってこれで褒められるの?しかも、二人揃って言うことじゃないじゃん!素直にそう思うに決まってるでしょ?虐められたり、物隠されたり嫌に決まってるし。自分が関わってないことで、言いがかりも嫌に決まってるでしょーっ!そう不貞腐れた私に、だって麻希子って基本巻き込まれてから気がつくしって。うう、確かに前はそうだったけど、もう学習したんだもん!っていったらそれが成長じゃんって二人して抱きついてくる。え?そう言うこと?なんかスッゴい腑に落ちないけど、それでいいの?えー?
「あー、宮井ちゃんとスキンシップいいなぁ!」
「ええ?!」
何でか久保ちゃんと瑠璃ちゃんが加わって抱きつかれてますが。癒される~ってなんか凄く小動物かゆるキャラ扱いされてる気がするんだけど、気のせいだろうか。何か地味に皆の身長伸びた気がする…去年はみんな同じくらいだったのに、何か私だけ小さい気が……。せめて後5センチは私もほしいと心の中で切望するんだけど、ママと私ほぼ身長同じなんだよね。無理かなぁ…身長5センチって。そんなわけであんまりキャッキャッしてたら、私達の声を聞き付けたセンセがお前ら騒ぎ過ぎだって呆れ顔を覗かせた。
「だってセンセ、宮井ちゃんが超癒し系なんだもーん。」
「あー、それは分かったから、お前らの声が中庭迄響いてるからな。」
あうっ!それはいかん!って思わず皆で顔を見合わせてしまう。そんなとこ迄響いてたら、入学式真っ最中の第二体育館にも声が筒抜けになっちゃう。とはいえ一回笑い出したら皆してクスクス笑いが止まらないまま、それでも慌てて片付けを進める。何しろ入学式が終わったら体育館のパイプ椅子の片付けの手伝いにも回らないとならないし、まだまだやることは沢山で忙しいんだ。
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