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二度目の6月
396.タイサンボク
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6月8日 木曜日
本日は中間テスト初日。
普段とは違う壮麗な程の静けさに、黙々と回答を書くペンの音だけが規則的に響いている。今日は五教科だし明日も五教科。去年と違って中間でも教科が多いのは三年だからなのは当然なんだけど、智美君の短期集中訓練のお陰で案外書けている感じ。流石に智美君や仁君みたいに前途洋々とまではいかないけど、数学は答案用紙の抜けなしで時間内に全部書き込めたので個人的には満足なんだよねー。国語は勿論英語もまずまずだったし、あとは苦手な理系教科だよね。私としては今後も栄養学にはカロリーとか色々計算しないとならないし比率とかもあるから、どうしても数学は重要になってくるし。そう言えば香苗や早紀ちゃんは将来の事とかどう考えてるんだろう。
「私?んー……美術関係……。」
「そっかぁ、香苗、うまいもんねぇ。」
「麻希ちゃんは?」
「栄養士かなぁ、調理師も欲しいけど、そっちは後からでも出来そうだし。栄養学勉強したいんだよね。早紀ちゃんは?」
「まだハッキリは、でも文学部には進みたいの。」
そうなんだぁ、それぞれ考えてるんだなぁ。孝君や仁君とか智美君は、はどうするのかなぁ?若瀬君は医学部狙いなのは知ってるけど、あんまりそういうこと聞いたことがない。智美君なんか来年には法律関係とかの学部にサラッと入ってそうな気がする。そんなことを考えちゃうと、あっという間に一年なんかたっちゃいそうな気がしちゃうなぁ……。それにしても
「うう、英語嫌いだ。」
「嫌いって、だんだん英語使えないと俳優キツくね?」
「言うな、最近事務所に外人がいて、腹立ってるのに。」
五十嵐君はどうしても英語の苦手意識がとれないらしくて木村君と話ながら撃沈してるけど、その外人さんって実は源川先輩なんだよね。源川先輩はバイト先ではアメリカ国籍で押し通しているらしいけど、うーん、やっぱり英語ペラペラなんだ。入試用に英語教えてくれないかなぁ。それにしても塾とか考えた方がいいのかなぁ?今さらかなぁ?なんかね、今まで通ってないし、雪ちゃんも教えてくれるから気にしてなかったけど。
「いらないだろ。」
「顔で心を読まないでよー。」
「僕もいるし、今回数学も良さそうだろ?」
「まあ、そうなんだけど。」
智美君に頼ってばかりもなぁって思うんだけど、智美君は必要ないの一点張り。塾なんかに通って夜出歩く機会が増えると、また何かに巻き込まれるぞって言われて納得してしまった私。あう、そこに納得してる場合じゃないのにぃ!それにしても五十嵐君、大分打ち解けたなぁ……。やっぱり一緒に過ごす時間って凄い効果なんだよね、うん。
三年だけは五教科だから、昼御飯を食べるのに今日は中庭。梅雨の合間の晴れに緑は青々してるし、風も少し爽やかに緑と土の香りがする。サンドイッチを食べながら、今日は私の作ってきたフルーツサンドもデザートだ。
「フルーツサンドイッチって邪道だと思ってた……。」
「えー?何で~?」
「だって、食パンに生クリームとかフルーツだろ?」
「でもクリームパンとか、デニッシュにはフルーツのるよ?」
孝君と私のやり取りに、智美君はならフルーツサンドは僕が貰う何て言い出したから取り合いになっている。その中に実は練習中の香苗のだし巻きがあるのは、目下お嬢様よりはましになろうと香苗が特訓中。
「んー、味がない。」
「ううっ!だってー。」
「だし巻きなのに出汁が入ってないし、ゴワゴワしてる。」
「うううう。」
だし巻きって難しい方なんだよねー。お出汁で汁気が増えるから、本気で作ると中々ね。でも裏技はあるんだよ、ちゃんと。
「裏技?」
「お出汁何でやってるの?」
「うーんと、かつお節?」
「えーとね。」
智美君に聞かれるとエエって顔されるから耳元でヒソヒソ。お出汁をとってって確かに大事なんだけど、お弁当のための卵焼きだからそんなに手間がかけられないでしょ?だからうちのだし巻きは、卵二個に麺汁(三倍濃縮)を大さじ1入れるだけなんだよねー。
「ええっ!そんなのでいいの?!」
「うん。」
だって麺汁の素って昆布やかつお節とかタップリ入ってて、お出汁のかたまりでしょ?お弁当用ならそのまま焼くし、お食事でお皿に盛るだし巻きならお水を大さじ2入れてね。後は普通に卵焼き器に油を引いて焼くだけ。火加減はユックリ弱火で焦らないで焼いていいからね、だって逆に強くすると焦げちゃうんだ。
「あ、明日リベンジするっ!」
「なんだよー、裏技教えたら駄目だろ?麻希子。」
「料理は人から教えてもらっていいことなんです!」
これも、ママから教えられてるから別に特別でも何でもないし、このやり方で美味しいのが作れるならいいじゃない。よし、やってみるって香苗もやる気だし。勿論料亭とかだったら通用しないけど、お家の卵焼きにお出汁からなんて大変だもんね。あ、ちなみに麺汁が色が濃いからやだって人は白だしっていうのもあるから。白だしだと綺麗な黄色のだし巻きになるんだよ?だし巻きの素なんて言うのもあるらしいんだし、これくらいの裏技はなんともないよ!ねっ!
本日は中間テスト初日。
普段とは違う壮麗な程の静けさに、黙々と回答を書くペンの音だけが規則的に響いている。今日は五教科だし明日も五教科。去年と違って中間でも教科が多いのは三年だからなのは当然なんだけど、智美君の短期集中訓練のお陰で案外書けている感じ。流石に智美君や仁君みたいに前途洋々とまではいかないけど、数学は答案用紙の抜けなしで時間内に全部書き込めたので個人的には満足なんだよねー。国語は勿論英語もまずまずだったし、あとは苦手な理系教科だよね。私としては今後も栄養学にはカロリーとか色々計算しないとならないし比率とかもあるから、どうしても数学は重要になってくるし。そう言えば香苗や早紀ちゃんは将来の事とかどう考えてるんだろう。
「私?んー……美術関係……。」
「そっかぁ、香苗、うまいもんねぇ。」
「麻希ちゃんは?」
「栄養士かなぁ、調理師も欲しいけど、そっちは後からでも出来そうだし。栄養学勉強したいんだよね。早紀ちゃんは?」
「まだハッキリは、でも文学部には進みたいの。」
そうなんだぁ、それぞれ考えてるんだなぁ。孝君や仁君とか智美君は、はどうするのかなぁ?若瀬君は医学部狙いなのは知ってるけど、あんまりそういうこと聞いたことがない。智美君なんか来年には法律関係とかの学部にサラッと入ってそうな気がする。そんなことを考えちゃうと、あっという間に一年なんかたっちゃいそうな気がしちゃうなぁ……。それにしても
「うう、英語嫌いだ。」
「嫌いって、だんだん英語使えないと俳優キツくね?」
「言うな、最近事務所に外人がいて、腹立ってるのに。」
五十嵐君はどうしても英語の苦手意識がとれないらしくて木村君と話ながら撃沈してるけど、その外人さんって実は源川先輩なんだよね。源川先輩はバイト先ではアメリカ国籍で押し通しているらしいけど、うーん、やっぱり英語ペラペラなんだ。入試用に英語教えてくれないかなぁ。それにしても塾とか考えた方がいいのかなぁ?今さらかなぁ?なんかね、今まで通ってないし、雪ちゃんも教えてくれるから気にしてなかったけど。
「いらないだろ。」
「顔で心を読まないでよー。」
「僕もいるし、今回数学も良さそうだろ?」
「まあ、そうなんだけど。」
智美君に頼ってばかりもなぁって思うんだけど、智美君は必要ないの一点張り。塾なんかに通って夜出歩く機会が増えると、また何かに巻き込まれるぞって言われて納得してしまった私。あう、そこに納得してる場合じゃないのにぃ!それにしても五十嵐君、大分打ち解けたなぁ……。やっぱり一緒に過ごす時間って凄い効果なんだよね、うん。
三年だけは五教科だから、昼御飯を食べるのに今日は中庭。梅雨の合間の晴れに緑は青々してるし、風も少し爽やかに緑と土の香りがする。サンドイッチを食べながら、今日は私の作ってきたフルーツサンドもデザートだ。
「フルーツサンドイッチって邪道だと思ってた……。」
「えー?何で~?」
「だって、食パンに生クリームとかフルーツだろ?」
「でもクリームパンとか、デニッシュにはフルーツのるよ?」
孝君と私のやり取りに、智美君はならフルーツサンドは僕が貰う何て言い出したから取り合いになっている。その中に実は練習中の香苗のだし巻きがあるのは、目下お嬢様よりはましになろうと香苗が特訓中。
「んー、味がない。」
「ううっ!だってー。」
「だし巻きなのに出汁が入ってないし、ゴワゴワしてる。」
「うううう。」
だし巻きって難しい方なんだよねー。お出汁で汁気が増えるから、本気で作ると中々ね。でも裏技はあるんだよ、ちゃんと。
「裏技?」
「お出汁何でやってるの?」
「うーんと、かつお節?」
「えーとね。」
智美君に聞かれるとエエって顔されるから耳元でヒソヒソ。お出汁をとってって確かに大事なんだけど、お弁当のための卵焼きだからそんなに手間がかけられないでしょ?だからうちのだし巻きは、卵二個に麺汁(三倍濃縮)を大さじ1入れるだけなんだよねー。
「ええっ!そんなのでいいの?!」
「うん。」
だって麺汁の素って昆布やかつお節とかタップリ入ってて、お出汁のかたまりでしょ?お弁当用ならそのまま焼くし、お食事でお皿に盛るだし巻きならお水を大さじ2入れてね。後は普通に卵焼き器に油を引いて焼くだけ。火加減はユックリ弱火で焦らないで焼いていいからね、だって逆に強くすると焦げちゃうんだ。
「あ、明日リベンジするっ!」
「なんだよー、裏技教えたら駄目だろ?麻希子。」
「料理は人から教えてもらっていいことなんです!」
これも、ママから教えられてるから別に特別でも何でもないし、このやり方で美味しいのが作れるならいいじゃない。よし、やってみるって香苗もやる気だし。勿論料亭とかだったら通用しないけど、お家の卵焼きにお出汁からなんて大変だもんね。あ、ちなみに麺汁が色が濃いからやだって人は白だしっていうのもあるから。白だしだと綺麗な黄色のだし巻きになるんだよ?だし巻きの素なんて言うのもあるらしいんだし、これくらいの裏技はなんともないよ!ねっ!
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